- 脳のバリエーションは、何に注目すべきか？
- 名前を完璧に覚えたいと思うことはあるか？
- 仕事で繰り返し行うことや注意を集中することはできるか？
脳が異なる活動のしかたをしている人の多くが「発達障害」と呼ばれています。
しかし、そうではなく脳のバリエーションだと受け入れて、あらゆる人たちがもっているユニークな能力や潜在的な可能性に注目をしてみませんか。
人の名前を完璧に覚えていたいと思うことはありませんか？
見たものを写真のように頭の中に浮かべたいと思いませんか？
繰り返し行う仕事を間違いなく、何時間も続けることはあなたにできますか？
発達障害の人のなかでは、こうしたことができることはめずらしくありません。
発達障害の人がもっているこうしたスーパーパワーを、適切な状況であれば発揮してもらえることを多くの人が知りませんでした。
しかし、変わってきています。発達障害の人をもっと雇用していこうという動きが見えてきています。
発達障害の人がもつ特性のポジティブな部分や、すべての可能性を導く時代になったのです。
たくさんの発達障害の人たちが能力を発揮して働いている、洗車サービスを提供するパークランド・フロリダ社があります。
この企業がサービスを始めたころは、年に３５０００台の洗車でした。それが、数年後には１６万台にまで急増しています。
現在では、発達障害の人たちが働いている企業として有名です。
アメリカだけでも、年に約５万人の発達障害の人が高校を卒業します。そして３年後には成人になるのです。
発達障害の人の全てが就業ができるわけではありませんが、多くの人は働くことができるはずです。
繰り返すこと、注意をすること、そうしたことが仕事で発揮されるはずです。
パークランド・フロリダ社を創業した、発達障害の子をもつ父親はこう言います。
「発達障害の人たちが自分の能力を感じ、喜び、誇りを体験できる仕事を求めていることを、私たちは尊重します。
発達障害の子が２２歳になったときにむかえる、その後の生活の前にある大きな崖を私は見過ごすことができませんでした。
このビジネスの成功は、それを変えることにつながるはずです。
そして、発達障害の人たちからも支持されてきたと感じています。」
繰り返すこと、注意をすること、それらとは反対のことのように思える、創造性を発揮する発達障害の人もいます。
芸術的な才能が専門家に認められ、多くの人の支持をあつめている発達障害の若者です。
話すことはありませんが、コミュニケーション能力がないわけではありません。作品で伝えることができるのです。
このことが発達障害の人の多くにもあてはまるのなら、私たちは単に、コミュニケーションを行うための方法を見つけようと手伝っていないだけではないでしょうか。
知性や教育に対する、私たちのあまりにせまい考え方が、私たちとは異なった働き方をしている脳をもつ人たちの可能性を、気づかなくさせているのかもしれません。
すべての人に対して、もっている可能性を見つけようとする考え方は、社会がかかえている問題に対して、創造的な解決策につながるはずです。
８６０億個以上のニューロンがあって、それぞれのニューロンが１０００から１万の接続をし、１２５兆のつながりで、時速４３５ｋｍの速さで信号が流れている。
それが、人間の脳。とてつもないものです。
米国疾病対策予防センター（CDC）では、６８人に一人の子が発達障害だと推定しています。
女の子では１８９人に一人、男の子では５人に一人です。
すべての子どもたちのそれぞれの可能性を見つける手助けができれば、成人したときには、最高の力を発揮でき、幸せに過ごせるようにできるはずです。
（出典：米Ever Widening Circles）（画像：Pixabay）
それぞれの人がもつ強み、可能性を発揮できる、そして幸せになれる。
ニューロダイバーシティ、発達障害、そうしたワードの観点からそういう主張をよく見るようになりました。
発達障害の子をもつずっと前から、私も心からそう思います。
ますますたくさんの人がそう思って、行動されていくといいなと願います。
それぞれの人をきちんとみて、尊重し、輝いて頂くことは、その人だけにとどまらず、社会、人類全体にとってもいいはずです。
発達障害の方も、誰もがみんな幸せに、もっと生きていきやすくなるように。
発達障害の人は人類みんなの進化をともに歩んできた違う人たち
（チャーリー）
