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自閉症の子は睡眠障害だと便秘が多いなど同時に抱える症状の研究

time 2018/09/19

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

自閉症の子は睡眠障害だと便秘が多いなど同時に抱える症状の研究
  • 自閉症の子どもたちは睡眠や便秘の問題をかかえているのか?
  • 幼い自閉症の子どもたちは睡眠と摂食障害の問題をかかえているのはなぜ?
  • 自閉症の人が他の診断を受けることが多いのは何故?

自閉症の子どもたちは、一般の人たちに比べると睡眠や便秘の問題をかかえていることが多く、幼い自閉症の子どもたちは睡眠と摂食障害の問題をかかえていることが多いことがわかりました。
これは、2010年から2016年にかけて米国の自閉症診療ネットワークに属する医療機関に訪れた生後17ヶ月から17歳までの自閉症の子どもたちのデータを対象に行った研究調査の結果です。
自閉症の人が共通的にもっている12の症状の関係について調べました。
米ベオストンのマスジェネラル病院ルーリー・センターのアン・ノイマイヤーによれば、それぞれの症状の関係は遺伝的に共通する原因による可能性があるといいます。
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自閉症の人たちは、自閉症だけでなく別の診断も受けることが多くあります。
半数以上の人が、4つの他の症状、状態をかかえていました。
そして、それらのうちのいくつかは、共通して現れます。
例えば、不安症がある人の多くは不眠症です。
しかし、それだけではないのです。
ADHDであれば、言語の問題や胃腸に問題をかかえていることが多くあったのです。
今回の新しい研究では、ある症状であれば、一緒に現れる他の症状、その関係が明らかになりました。
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米ボルティモアのケネディ・クリゲール研究所のポール・リプキンは次のように述べています。
「この研究調査結果の価値ある点は、複数の医療機関から得られた大規模なデータに基づいたものであることです。」
今回の研究調査では、ノンマイヤーらの研究チームは、自閉症と診断をされた子どもたちの自閉症診療ネットワークの記録を分析しました。
米国内の15の医療機関から、生後17ヶ月から5歳までの2114名、6歳から17歳の1221名の子どもたちについて、自閉症の他に12の症状・病気の診断の状況について調べました。
自閉症の子どもたちにおいて、便秘、睡眠障害、ADHD、言語障害、発達の遅延それらが同時に現れる確率を算出しました。
一方で、自閉症の子どもたちでの確率と対比するために、便秘などが一般に現れる率、睡眠障害が一般に現れる率から、一般の人たちでそれら両方が現れる確率も算出しました。
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そして、自閉症の子どもの場合にはAという症状であれば、Bという症状もかかえることが、一般の人よりも多いということを導きました。
例えば、一般の人では睡眠に問題をかかえる人が便秘の問題もかかえることは、3.9パーセントの確率でした。
しかし、自閉症の5歳以下の子どもたちでは、6.2パーセントと高くなっていました。
それは自閉症の6歳から17歳までの子どもたちでも、一般の人に比べて高いものとなっていました。
睡眠障害をかかえる自閉症の子どもは、同時に、発語の問題があったり、ADHDであることが多くありました。
これらの研究調査結果は、”Academic Pediatrics.”に掲載されています。
 
【5歳までの自閉症の子どもの同時にみられる症状について】
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※上記の図では、例えば不安障害をかかえる子は便秘や湿疹を同時に抱えていることが多いのがわかります。
【6歳以上の自閉症の子どもの同時にみられる症状について】
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これらの症状の関係性は、その理由が簡単に考えられるものもあります。
自閉症の5歳以下の子どもたちでは、発話に問題をかかえている場合には摂食障害であることが、一般の人に比べて23パーセント高くなっていました。
自閉症の5歳以上の子どもたちでは、一般の人に比べて27パーセント高くなっていました。
これは、口などの運動機能の問題が根底にあると考えられます。
「子どもたちが、口腔の筋肉を調整することが困難ために、話すことも困難になってしまうことは当然に考えられることです。
脳性まひの子どもにもよく起きていることです。
しかし、大きくなった自閉症の子どもたちもそうであることについては、その理由はよくわかりません。」
今回の研究調査では、自閉症の子どもについて不安障害がある場合には睡眠障害があることが多いなど既に知られているいくつかの関係についても再確認がされています。
(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay
自閉症の子どものなかで、こうした症状があれば、別のこうした症状も起きていることが多い。
ということを、大規模なデータから導いた研究です。
親としては、こうした症状があれば、こうした症状もあるのかとわかると、少し安心して対応について考えることができそうです。
何より、医療機関で役に立つものと思います。
発達障害の子は体を動かすことに問題をかかえていることも多い

(チャーリー)


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