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顔を見れない発達障害の子も写真の顔であれば見ることができる

time 2018/08/18

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

顔を見れない発達障害の子も写真の顔であれば見ることができる
  • 発達障害の人が写真に写っている人の顔を見ることができるのか?
  • 発達障害の人は、写真を見ることを避ける理由は社会的なものなのか、視覚的なものなのか?
  • コミュニケーション方法の改善につながる可能性があるか?

発達障害の人は相手の目を見ることができないことがありますが、米ペンシルバニア州立大学での研究によれば、写真に写っている人であればそのようなことはないかもしれません。
コミュニケーション科学と障害について研究をしているクリスタ・ウィルキンソン教授によれば、これまでは発達障害の人は写真に写っている人であっても見ることに困難をかかえていると考えられていました。
たとえば、現在のコミュニケーションの訓練では、人が写っている写真を利用しています。
ウィルキンソン教授の”the Journal of Speech, Language, and Hearing Research”に掲載された今回の研究でも、そうしたコミュニケーションの訓練方法を否定するものではないと言います。
「発達障害の人は、そうでない人に比べて写真を違ったふうに見ているという考えがあります」
そうウィルキンソン教授は言います。
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「発達障害の人は写真に写っている人の顔は見ることができるのか、そして人の顔を見ることを発達障害の人が避けようとするのは社会的な理由なのか、視覚的な理由なのかそうしたことを今回の研究で確かめようとしたのです」
研究調査には自閉症スペクトラム障害の10人、ダウン症の10人、障害がない10人の30人が参加しました。
つまり、発達障害の人とそうでない人、発達障害とは異なる障害のある人についての比較をしました。
「発達障害の子の視線の動きは、発達障害に限らず、もっと広範囲に他の障害の子でも同じではないかとも考えられたため、ダウン症の人にも参加をして頂きました」
視線追跡の技術を利用して、参加した人たちが32種類の写真画像についてどこを見ているのかを調査しました。
それぞれの写真にはボードゲームで遊んでいる、座っている、立っているなど、二人から三人が一緒に写っています。
「視線追跡技術を使って、画像のどこを見ているのか、どれくらいの時間を見ているのかを調査しました。
また、それぞれの写真に特徵をもたせ、その反応についても見ました。
例えば、二人が写っている写真よりも、三人写っている写真のほうが、人に注目をするか?
共同して何かをしている写真と、それぞれが異なることをしている写真については、どちらが人に注目をするか?
などです、これらのことは視線の動きに影響を与えると考えられるためです」
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調査の結果、自閉症スペクトラム障害の人、ダウン症の人のどちらもが障害がない人に比べて、写真を見ている時間が少ないことがわかりました。
また、二人が写っている写真よりも三人写っている写真のほうが、自閉症スペクトラム障害の人は見ることを避けることが多い傾向がありました。
これに対して、ダウン症の人は逆でした。
自閉症スペクトラム障害の人、ダウン症の人のどちらもが障害がない人に比べて、写真に写っている人を見つけるのに時間がかかっていました。
しかし、自閉症スペクトラム障害の人、ダウン症の人、どちらもまず写真を見ることに時間がかかっていて、写真を見てから人を見つけるのにかかる時間は障害がない人と変わりありませんでした。
ウィルキンソン教授はこうした研究調査結果から、障害のある人と障害のない人との間でのコミュニケーションを改善できる可能性があると言います。
「障害のない人の会話の時間感覚では、障害のある子には回答する余裕がないのかもしれません。
発達障害でない人たちであれば、沈黙が2秒間続けば気まずくなるかもしれません。
しかし発達障害の人であれば、回答するまでに5秒間は必要かもしれません。
言われたことを理解して、回答する言葉を考えるのに時間がかかるのです」
電話やネットで、発達障害の人とやりとりをする場合にはとくにそのようなことが起きるかもしれません。
画面や写真を見て反応するのに、発達障害の人には時間がかかるかもしれないためです。
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ウィルキンソン教授はこう言います。
「また、私たちの研究結果から確認できたのは、発達障害の人は写真に写った人の顔は見るということです。
発達障害の人とのやりとりには、目に見える写真やディスプレイを使うことは役に立ちます。
写っている人を見ることはできるからです。見ることを避けません。
画像を用いることは、発達障害の人とのコミュニケーションのサポートになります」
写真に写っている人を見た時間についての細かさが、今回の研究の特徵になっています。
例えば、写真は5秒間表示されていましたが、発達障害の人が写真を見たのは4秒間で、そのうちの2秒間人を見たということを注意深く計測したのです。
これまでの研究では、写真を見た時間、人を見た時間のみが計測され、写真を見るまでの時間は計測されていませんでした。
今回の研究は、発達障害の人が他の人とコミュニケーションを行い、関わりを作る方法の開発や、コミュニケーション方法の評価に活かされるはずです。
(出典:米ペンシルバニア州立大学)(画像:Pixabay
程度は大きく違うだろうとは思いますが、電話は苦手だけどチャットなら大丈夫、に近いのでしょう。
うちの子も私の顔を見たり、目を合わせたりしてくることはあまりありませんが、無理する必要はありません。
目を合わせないコミュニケーションでもいいじゃないですか。
発達障害の人が目を合わせないその理由

(チャーリー)

 


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