- 雇用されることは発達障害や知的障害を持つ人たちにとってどんな意味を持つのか?
- 発達障害や知的障害を持つ人たちが起業し自ら働く機会を持つことにはどんなメリットがあるのか?
- 社会が発達障害や知的障害を持つ人たちをサポートするために必要な支援は何か?
ニュージーランドのカーピティ・コーストに新しいビール工場ができました。
発達障害、知的障害のある人たちのグループであるインデペンデンス・コレクティブが自分たちのビールブランドを立ち上げました。従業員として働くだけでなくビジネスオーナーになるための第一歩です。
計画では、ファッションや飲食のビジネスも行っていく予定です。
クラフトビール作りはそのためのスタートだとネビル・パグは言います。
「ビールが大好きなんです。」
発達障害、知的障害の人たちによるこのグループは、雇用をされていなかった人たち、雇用されていてもその内容に不満をかかえていた人たちが集まって作りました。
ビールの生産を行うにあたって、資金を募る活動を続けてきました。
しかし生産と販売が始まれば、それは企業活動となっていきます。
慈善活動でも、NPO活動でもないといいます。
パグはアルバイトをしていましたが、自分のビジネス、独立できる機会を求めていました。
「私はたくさんお金を稼いで、他の人たちにもそうなるように教えていきたいんです。」
33歳のパグは、これまでのグループの活動に満足しています。
協力をしあって、ビールの名前を決め、味を決め、マーケティングプランを考えたり、打ち上げパーティーを行いました。
ビールのブランド名は「ネビル」と名付けました。
「でも、私のネビルという名前にちなんだものではないんです。」
グループのジェニミー・マーティンは、知的障害のある人たちは雇用されることが本当に難しいと言います。
「他の人たちと違うところはありません。すこしユニークなだけです。
そして、それは悪いことではありません。」
ビールは多くの人に好まれているものです。
すぐに近くのスーパーマーケットでも扱ってくれそうです。
「ユニークなビールを飲みたいはずです。」
この発達障害の人たちのグループは、ダンカン・ブリューワリーと提携することで、ビールの生産を行うことができました。
オーナーのジョージ・ダンカンにとって、これは新しい経験となりました。
発達障害の人たちが自ら取り組もうという気持ちを強くもっていたと話します。
そして、ビールの生産が始まったことで、発達障害の人たちがこれからは、本格的に働くようになります。
ビジネスとしても成功すると考えています。
「発達障害の人たちにとって素晴らしい機会となるはずです。
その結果、ビールも素晴らしいストーリーをもった商品となります。」
(出典・画像:ニュージーランドstuff)
雇用されることを目指す。
それだけでなく、
「他の人とは違う点を活かして、起業して自ら働く機会をつくる。」
そうしたことも増えてほしいと思います。そして、そのために必要な支援も。
雇用されるために、せっかく持っているものを隠さなければならないとしたら、もったいないと思いませんか。
ご本人だけではありません。社会、人類にとっても。そしてビジネスの点でも。
知的障害のある方たちが始めた洗車ビジネス
(チャーリー)