- 発達障害の人の才能を活かすための採用プロセスはどのような方法が効果的なのか?
- 発達障害の人が働く際に必要な環境やサポートは何が重要なのか?
- 多様な障害やニーズを持つ発達障害の人に対応するために、企業がどのような取り組みをすべきか?
発達障害の人はしばしば特別な才能をもつ存在であることがあります。
ITコンサルティング企業のオーティコンは、発達障害の人を積極的に採用しています。
発達障害の人にはユニークなスキルをもつ人もいますが、大企業ではそれを見逃すことがよくあります。
オーティコンはまるで逆です。
発達障害の人の能力を最大限に引き出すために、それぞれのニーズにあわせた環境で仕事ができるようにオーティコンは設立されたました。
ダーク・ミューラレムスはコンピュータ業界での自らの経験を、発達障害の息子に見る特徵とを結ぶことができました。そして、オーティコンを設立したのです。
発達障害の人がもつ能力を、IT業界で発揮させる革新的な取り組みです。
オーティコンのCOO、ビオラ・サマーはこう語ります。
「パターンの認識、大量のデータを処理できる能力、細部への注意力、すごい集中力、これらの多くが発達障害の人にみられます。
それらはIT企業が求めている能力です。
オーティコンが発達障害の人を積極的に雇うことがめずらしく思われるのは、むしろ不思議なことです。
こんなに才能がある人たちを採用しないことのほうが、疑問です。
発達障害の人の多くには働ける能力がありますが、フルタイムで雇用されているのは16パーセントにしか過ぎません。
多くの理由が考えられますが、一般的に行われる面接試験は、発達障害の人を採用するのに適当な方法ではないからです。」
発達障害の人の採用プロセスについての問題点を認識しているオーティコンでは、面接試験は行いません。
その代わり、応募してきた人のITで活かせる認知的な能力、技術的な能力をよく測ります。
しかしサマーCOOは、発達障害の人が働く場合の問題は面接試験だけではないと考えています。
「車椅子を利用している方を採用するのは難しいことではありません。
どんな困難があるのかを想像することができるからです。
しかし発達障害の人の場合は、人それぞれ症状が異なり多様です。
発達障害の人を共通的に考え、想像することはできません。」
そのために、オーティコンではそれぞれの発達障害の人についてよく理解することに時間を費やします。
必要な対応ができるように協力をします。
他の企業で、ここまでするところはあまりないでしょう。
「その人を中心に考えなければなりません。
たとえば、私たちの同僚の中には、何かをすることに時間がかかる人がいます。
頭脳での処理に少し時間がかかるのです。
会話をしているときにそれが問題になってしまう可能性がありますが、私たちはそのことをよく理解しているので問題にならないようにします。」
オーティコンをユニークな企業としているのは、そうした社内での取り組みだけではありません。
大手製薬会社のグラクソ・スミスラインなど著名な企業とパートナーシップを結んでおり、発達障害の人たちを雇用することで得られるメリットをフィードバックしています。
「発達障害の人たちと仕事をしてコミュニケーションすることで、メリットがわかるのです。
多くの人にもわかりやすいかたちで、メリットを伝えます。
発達障害の人、それぞれが異なることも尊重してもらえます。
イギリスでは人口の1パーセント以上が発達障害です。
めずらしいことではないのです。
発達障害の人たちと一緒に仕事をすれば、理解ができます。」
オーティコンで働く発達障害の人の才能はIT業界を超えて発揮されるようになってきました。
サマーCOOはこう言います。
「法律分野での仕事も始めています。
企業のコンプライアンス分野に強い企業との業務提携もしています。
また、STEM(科学、技術、工学、数学)分野での活躍の場はますます広がっています。」
(出典・画像:英Red Bull)
従来の方法を改めることで、すばらしい才能に活躍することができます。
・面接試験は行わない。
・才能がいかんなく発揮できるように、その人にあわせて、時間をかけ対応する。
たくさんの企業に、こうしたことが導入されてほしいと思います。
発達障害はシリコンバレーが生まれた時からシリコンバレーの一部
(チャーリー)