- 他の子どもたちと同じようになることは可能だろうか?
- 発達障害や自閉症スペクトラム障害を持つ子どもたちがスポーツやチーム活動に参加することは難しいのか?
- 地域社会で特別支援が必要な子どもたちとその家族が幸せになるためには、どんな支援や工夫が必要なのか?
コーレイ・サムエルズは、二人の息子が短い時間だけでも、他の子どもと同じようになることを願いました。
しかし、そうなることは難しいだろうと考えていました。
二人の息子、ハンターとオースティンは野球をしたことも、チームに入ったことも、他の子どもと一緒に遊んだり、自由に楽しむこともありません。
二人は発達障害、自閉症スペクトラム障害です。
社会的なスキルやコミュニケーションに困難をかかえています。
発達障害による症状は、一人ひとりが異なります。
二人の父のサムエルズは、子どもの頃は野球をして、他の子どもたちと一緒に遊びました。
チームにも入って、自分よりも大きな存在の一部になったように感じることが好きでした。
二人の息子にも大きくなったら、同じように楽しんでほしいと願っていました。
ユニフォームを着て、キャップをかぶって、バットを振って、ボールを投げて、走る。
その夢は無理なように思えました。
しかし、サムエルズはあきらめませんでした。
サムエルズは、特別な支援を必要とする子どもたちで、置いたボールを打つ、ティーボールのチームを作ることを思い立ちました。
サムエルズと仲間たちとで、マンカントリーと名付けたチームを作りました。
そして、夢が実現できたのです。
二人の息子も加わった、特別支援が必要な子どもたち11人のチームで試合を行いました。
70人もの人たちが、マンカントリーを応援して、喜びました。
野球をすることなんてできないと思っていた子どもたちが、人生で初めて試合を経験できたのです。
11人は友だちにもなりました。思い出が出来ました。
試合が終わると、涙を流していました。
夢は実現したのです。
「試合が終わると、涙が止まりませんでしたが、息子の笑顔が見えたのが本当にうれしかったです。
子どもたち、みんなにとって良いものだったはずです。
みんながボールを打ち、ボールを投げることができました。素敵でした。」
そうサムエルズは言います。
参加した、脳性麻痺のベントレーの母親のマット・マギーはこう言います。
「こうして、子どもたちを地域社会に参加させることは、サムエルズが夢見ていたことです。」
サムエルズは、特別支援が必要な子どもたちがティーボールを行えるようにするためには、少し工夫が必要なことをわかっていました。資金を調達し、子どもたちに専用の遊具を準備しました。
また、他にも問題がありました。
対戦チームを見つけることです。
特別支援が必要な子どもたちのチーム、マンカントリーの子どもたちは、他のチームに比べると年齢がずいぶんと高いのです。
「しかし、他のチームの子どもたちは理解をしてくれました。
そして、障害を気にしませんでした。
一緒になって、楽しく野球をするという夢を実現してくれました。」
脳性麻痺のベントレーはふだんは車椅子を利用しています。
この試合中は、母親が抱きかかえてバットを振ることを手助けしました。
「ベントレーは大きくなりました。身長が伸びていました。
野球を楽しんでいました。
息子の笑顔を見て、他の子どもたちと一緒になって楽しめたのは本当に素晴らしいことでした。
障害のない子どもたちの親たちも、障害のある子どもたちについて理解できる機会になったと思います。
それは、特別な扱いをしてほしいということではありません。
一緒になって、楽しめるということを。」
サムエルズはこう言いました。
「もう絶対に無理な夢だと思ったこともありました。
忘れようともしました。
しかし、実現できたんです。
試合の40分間、他の親たちもそう思ったはずです。」
(出典・画像:米The Hawk Eye )
参加した子どもも親も本当にうれしく、楽しかったと思います。
こうして、話を読んだだけの私も、本当にうれしくなりました。
こんな素敵な挑戦を知ると、簡単にあきらめることはないと勇気づけられますね。
発達障害を障害だとは考えていない、むしろ活かして人とつながる
(チャーリー)