- 発達障害の人たちはどのようにして他人とコミュニケーションを取るスキルを練習していますか?
- どのようなキャラクターやメディアが発達障害の人たちにとって安心感を提供しますか?
- 発達障害の人たちはなぜフィクションのキャラクターに共感しやすいのですか?
私が参加している発達障害者のサポートグループでは、目をつぶって冒険にでることができます。
内気な女の子がストーリーを話し、みんなが盛り上がりました。
アニメ「リック・アンド・モーティー」のキャラクターたちと危険な場所を冒険するファンタジーの話でした。
砂漠や吹雪の中をくぐり抜け、深い海を泳いで渡りました。
アニメの「マジック・スクール・バス」「ロッコーのモダンライフ」のキャラクターも出てくると最高潮に盛り上がりました。
発達障害であることで、いろいろ難しいことがあります。
私も元気をなくすことがあります。
私たちは、知性もあり、好奇心もたくさんあり、新しいことを学び、たくさんのサブカルチャーにも興味を持っています。しかし、現実の世界では同じ趣味を持っている人たちとも、楽しい話をするスキルをもっていません。
私たちの多くは、ふだんの困難を忘れられる本、映画、テレビが大好きです。
そうしたメディアは、私たちの安定剤にもなっています。
例えば、アスペルガー症候群だったのではないかといわれているアンディー・ウォーホールが飲んでいたコーラを知って、同じものを飲んだりしています。
私が直面している現実とは違ったところ、空想や想像での話や情報は、発達障害の人たちの避難場所になっています。しかし、それだけではありません。
例えば、ある状況下での人とのやりとりに困難を抱える場合には、その練習を演劇仕立てで行うことができます。
また、現実とフィクションの区別ができなくなってしまう問題もないとはいえませんが、大好きなアニメキャラクターがいることで安心することも出来ます。
私たちは、特に自分たちのような発達障害を思わせるキャラクターが大好きです。
私たちが自分を重ねられるからです。
私は、発達障害の人の10人に、何から世界を学べたのか、大好きなキャラクター、について質問をしてみました。
ルーク・スカイウォーカー、ドラマ「バフィー 〜恋する十字架〜」、シャーロック・ホームズ、小説「ライ麦畑でつかまえて」のホールデン・コールフィールド、パワーパフガールズ、ドラキュラ、たくさんのヒーローや悪役の名前もあがりました。
しかし、独りで活躍する男性や女性のヒーローは含まれていませんでした。
スタートレックのデータとスポックは特に人気がありました。
複数の人が自分を、地球連合宇宙艦隊のアンドロイド、データに重ねていると話しました。
「私は、大人になったらデータをまねて感情をなくそうと考えていました。
データは当初感情を持っていませんでした。
感情を持つことができるチップを手に入れたものの、感情をコントロールすることができずに、隊長からの指示で、合理的な判断ができるようにチップの機能を結局オフにしています。」
そう36歳の発達障害のジョンは言います。
2016年の映画「ザ・コンサルタント」では、発達障害の人の孤独を私たちは見ました。
ベン・アフレックが演じるクリスチャン・ウルフは、組織犯罪と闘うだけの最高の数学のスキルを持っています。
しかし、友だちも恋人もいません。
発達障害の人たちには、クリスチャン・ウルフはあまり人気ではありません。
34歳のシーベルは、データが大好きですが、それは合理的な判断ができるからではなくて、自分と同じような存在を探し求めているところに魅力を感じるといいます。
私が話をしてきたポップカルチャーが大好きな発達障害の人たちは、年齢にかかわらず、発達障害の人たちをどう表現しているのかに注目をしていました。
28歳のアンドリューはこう言います。
「フォレスト・ガンプを見たときに、私はとても気持ちがよくなりました。
ガンプは、落ち込んだりしていませんでした。
ただ、自分が思ったように行動し、まわりの人がそれに応えていました。
それは私の人生に影響を与えてくれました。
私は自分を変えてくれる何かを、そうして映画から学ぶようになりました。
自分について学ぶことができました。」
私が話をした発達障害の人の多くは、自分の性格を、好きな映画やアニメのキャラクターのようにしようとしていると語りました。
まんがやコメディ、ライトノベルは、現実での難しい状況をダイナミックに単純に描写していることを理由に人気がありました。
26歳のキーステンはこう言います。
「まんがだと、キャラクターの顔やポーズが誇張されるので、感情がよくわかります。
現実の世界で人が見せるのは微妙なものです。それがはっきりわかります。
ライトノベルでは、若者同士のつきあい、人間関係をよく扱っているので、それが役に立つんです。」
(出典:米SLATE)(画像:Pixabay)
架空、空想の世界だからこそ、自由になれて、楽しくなって、学ぶことができます。
アニメ、ゲーム、映画、コミック、ラノベ、それらは変な垣根を越えて、一緒に楽しくなれる、盛り上がれる人と人を結ぶものだと思います。ネットを通じてなら、ますますその力が生きると思います。
ただ、その副作用で過激になって嫌な気分を味わう、それを超えて落ち込むようになることもあると思います。
それぞれの人が、快適に楽しめる場所を見つけたり、どんどん作ったりされることを願います。
コスプレが障害のある方を自由にし友も作る
(チャーリー)