- 聴覚障害を持つ親が赤ちゃんの泣き声を認識する方法はありますか？
- 赤ちゃんの泣き声が何を意味しているのかを知ることができる技術はありますか？
- 発達障害の兆候を赤ちゃんの泣き声から早期に発見するためのツールはありますか？
親のディルバートとサナ・ウェッターの夫妻とっては特に、赤ちゃんが泣くことに困ることがあります。
それは、ウェッター夫妻は耳が聞こえないからです。
赤ちゃんと別の部屋にいるときには、カメラと音量モニターに頼っています。
これらの技術によって、とても助かっていますが、まだ問題は残っています。
「私たちが子守をするのにとても助かっています。
しかし、大きな騒音と赤ちゃんの鳴き声の区別が音量モニターではできません。」
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校（UCLA）の研究チームがアプリを開発しました。
Chatterbaby（チャッターベイビー）
このアプリによって、問題が解決されます。
UCLAのアリアナ・アンダーソン助教授たちによる研究チームは、赤ちゃんが泣いているときにそれを親に伝えるだけでなく、AIを利用して赤ちゃんが泣いている理由もわかるアプリを作りました。
「私は、３番めの子である赤ちゃんの泣き声が、１番め２番めの子どもたちが赤ちゃんだったころの泣き声と全く同じであることに気づいたんです。
母親は、赤ちゃんの姿が見えないときでも本能的に、泣き声で赤ちゃんが何を求めているのかがわかります。
統計を扱ってきた者として、私は親の耳のようになるコンピュータシステムを作ることができるかと自問しました。
その答えは、YESでした。」
このアプリを開発したアンダーソン助教授たち研究チームは、２０００人以上の赤ちゃんの泣き声を集めました。
そして、
・痛い
・お腹すいた
・イライラしている
の３つに、赤ちゃんの泣き声を分類するアルゴリズムを作成し、
予防接種を受けている赤ちゃんの泣き声について、９０％以上、「痛い」と正しく分類することができました。
これまでカメラと音量モニターを使ってきた、耳が聞こえない母親のディルバードはこう言います。
「赤ちゃんが泣いていることが正しくわかりました。
アプリでこうしてわかるのは本当に素晴らしいです。」
このアプリは、iPhoneやAndroidで無料で利用できます。
親は赤ちゃんの泣き声を録音してアップロードすることで、AIが分析をします。
このスマホアプリは、聴覚障害のある親たちに便利であるだけでなく、赤ちゃんとのコミュニケーションがまだ難しい親になったばかりの人たちも助けます。
赤ちゃんの泣き声の意味を理解している母親には「産後うつ」が少ないという研究があります。
このアプリはそうした、産後うつを減らすことにも役立つかもしれません。
そして、このアプリが最も大きく役に立つのは、赤ちゃん本人です。
これまでの研究によれば、赤ちゃんが泣いたときに、適切な対応を行う親の反応が速いほど、言語発達が促進されることが示されています。
耳が聞こえない親が、赤ちゃんの泣き声を知り、正しく知ることができるこのアプリは、そうした親の赤ちゃんの言語発達にもよいのです。
アンダーソン助教授はこう言います。
「この開発研究では、泣き声の中にある音の種類や音の有無について、さまざまなパターンを調べています。
例えば、長い沈黙が続く泣き声は、赤ちゃんがイライラしている可能性が高いです。
しかし、どこかが痛いときには、泣き声はより大きく音は長いもので、ほとんど沈黙はありません。」
アンダーソン助教授は、収集され増えていく赤ちゃんの泣き声のデータから、発達障害の予測につながる特定のパターンを見つけたいと考えています。
これまでの研究から、発達障害と診断をされた子どもたちは、多くの子どもたちとは異なる泣き方をしていたことが伝えられているからです。
「この研究への参加には、親や赤ちゃんは研究室に来る必要はありません。
アプリとネットを通じて誰でも参加することができます。
『Chatterbaby』（チャッターベイビー）アプリをiPhoneやAndroidのスマホに入れて、５秒間赤ちゃんの泣き声を録音してアップロードするだけです。」
この研究はアメリカ国立衛生研究所からの支援も受けています。
Chatterbaby
Androidアプリダウンロード
iPhoneアプリダウンロード
（出典・画像：米カリフォルニア大学ロサンゼルス校）
赤ちゃんの泣き声から発達障害への対応ができるようになるかもしれませんね。
うちの子どもはお話はできませんが、声はいろいろ出しています。
私も、その声から考えていることがわかるようなAIを使った翻訳アプリ、スマートスピーカーで動作するようなものを作りたいなとずっと考えています。
（チャーリー）
iPhone/iPad AIアプリ「話すカメラのゲーム」親子でことば学び遊びができます。
