- サーフィン・ヒーリングが、発達障害を持つ子供やその家族にどんな影響を与えるのか?
- サーフィン・ヒーリングに参加する子供たちは、なぜサーフィンの体験後に帰りたがらないのか?
- サーフィン・ヒーリングの参加者にとって、ボランティアのサーファーたちの存在はなぜ重要なのか?
ここは米カリフォルニア州サン・ファン・カピストラーノ。
サーフィン・ヒーリングの考えはシンプルです。
「発達障害の子といっしょにサーフィンをするだけ。」
創設者のイジー・パスコウィッツは言います。
この1日のサーフィン体験は、子どもと家族にとってとてもよい1日になります。
ボランティアのサーファーたちが子どもとペアを組んで、二人でボードにのって、漕いで波にのります。
「水は、子どものすべての感覚を落ち着かせます。海に入ると、目に入る光景、匂い、触れる感じ、音、そしてしょっぱい海の味を感じます。子どもたちが一緒に波にのって、それらを感じるのです。」
世界中のたくさんの、発達障害の子どもとその家族たちの過ごし方を変えたいとパスコウィッツは言います。
「私の息子、イサイアには発達障害があります。父として、サーファーとして、サーフィンのやり方、楽しみ方を教えることしかないと思いました。」
20年前、パスコウィッツはイサイアと一緒に波に乗ることができました。
「5歳の時でした。二人で乗れたんです。息子はサーフィンのチャンピオンになる必要はありません、ただ海で、じろじろ見る人がいないところで、何時間も過ごせるのがよかったんです。息子にとって海に出ることは大きな挑戦でしたが。」
10歳になるとイサイアは波の中、サーフボードに立てるようになりました。それは、何よりも素晴らしい瞬間でした。
「息子はまっすぐ立って、両足でバランスととっていました。その時は、私にとってはスローモーションで見えました。本当に、素晴らしい、素晴らしい瞬間でした。」
パスコウィッツはあの時の瞬間を、サーフィン・ヒーリングのイベントに参加するすべての親たちにも体験してほしいと願っています。
参加している9歳の発達障害の子どもをもつ母親が、笑いながら語ったエピソードです。
子どもは3歳に時に発達障害であると診断されました。
子どもは、サーフィン・ヒーリングの後は、いつも帰りたがりません。
「「また、次の機会に来ましょうね。」と私が言うと
5歳を過ぎるまで話せなかった子が、その時みんなの前で「サーフィンをもっとしたい!」と言ったんです。」
サーフィン・ヒーリングイベントはボランティアのグループによって行われています。
ボランティアのサーファーたちは、その目的に賛同して集まっているとパスコウィッツは言います。
サーファーたちは、あまり神経質になりすぎないことを学んでいきます。
パスコウィッツは、自分も発達障害の子どもの親である経験から、親たちが子どもの感情に揺さぶられるジェットコースターに乗っているようなものであることを知っています。
「親があまり心配になりすぎてはいけない。
子どもが、新しいことに取り組んでみようとする心の余裕をなくしてしまう。
ここに来ている子どもたちもそうだったかもしれない。
けれど、ここの海と水のおかげで、子どもたちには余裕も戻ってくる。」
先ほどの9歳の発達障害の子どもの母親が続けて語ります。
「息子は、ボランティアのサーファーの皆さんを見ると、吸い寄せられてしまいます。息子への接し方を知った上で会話をしてくれるので、息子は全く心配なく話せるのです。」
その子どもは泳げません。
しかし、サーファーとペアを組んで、ライフジャケットを着けて二人乗りでサーフィンを始めます。
「30分、40分は戻ってきません。3度も4度も海に出ていきます。そして、サーフボードに立ち上がって乗って浜にやってきます。本当に素晴らしいです。」
「ボランティアのサーファーの方たちは、息子によく質問をします。
今日はいい一日だった?何が好き?何が嫌い?そうやって、息子が話せるようにしてくれています。」
母親にとっても、リフレッシュができ心に余裕ができた1日となりました。
「一日中、みんないい笑顔で過ごすことできました。息子や息子のような子どもたち、みんなにとって、これは素晴らしい体験です。サーフィンをしている時には、本当に幸せそうでした。」
もう、高齢である創設者のパスコウィッツはこう言います。
「私は子どもたちと水の中にいたい。サーフィンは人生の多くを占める、人生の一部。
サーフィン・ヒーリングは奇跡。私たちにとって運命的なもの。
子どもたちが波に乗っているのをみるのは何より素晴らしい。そして、それはとても力強い。
ただ、波に乗って楽しもう。」
www.SurfersHealing.org
(出典・画像:Patch.com)
サーフィン、やってみたいです。やってみたいと思って数十年。子どもと一緒にできたらそれは素晴らしそうです。
海ではなく、山に向かう人もいます。
毎週末の登山で発達障害とうまく向き合う
(チャーリー)