- ヒーローズ・コミックスはなぜエルビスにとって重要な場所になったのか?
- 書店のオーナーはなぜ発達障害の人たちを採用することに注力しているのか?
- エルビスはなぜ書店での仕事が彼にとって夢中になれるものなのか?
エルビス・ドッドマンは発達障害と診断をされた高校生の頃からずっとヒーローズ・コミックスに通っていました。
エルビスは学校が終わって帰宅するためにバスを待たなければなりませんが、不安が強くそれは簡単なことではありませんでした。
そのため、英ロンドンにある書店に入りました。
まんが本の棚には、楽しく感じるものと不安に感じるもの、どちらもありました。
人は苦手でしたが、それからずっと書店に通うようになりました。
そうしてヒーローズ・コミックスが、不安を減らしてくれるエルビスの避難場所になりました。
ドッドマンは笑いながらこう言います。
「私は、お店の名誉会員だとたびたびお店の人に言われました。」
今では名誉会員から、このお店で働く書店員になりました。
29歳のドッドマンは、ヒーローズ・コミックスで働く発達障害の3人のなかの一人です。
このお店の書店員の1/4は発達障害がある人たちです。
ここで働く3人の発達障害の人はみんなドッドマンと同じで、まんがが大好きでこの書店に入り浸っていた人たちです。
今の仕事にも熱中しています。
この書店のオーナーのバーン・ワイズマンは、意図してそういう採用をしたわけではなく、自然とそうなってうまくいっていると言います。
「最初はそうは思っていませんでしたが、今は多様な人たちがここで働けるチャンスを提供するのは重要なことだと思っています。」
書店のオーナーのワイズマンは仕事の能力やスキルよりも、まんがに対する情熱、仕事に取組む姿勢に注目していると言います。
ドッドマンは、ここで書店員になる前にした就職活動のことをよく憶えています。
それは、とても孤独と困難を感じるものだったと言います。
面接のときには、自分が発達障害であることがわかってしまうのではないかと、常に不安の中にありました。
自分以外の発達障害の友だちはみんな仕事に就くことが出来ていません。
発達障害のドッドマンはこう言います。
「私たちを雇用することは、チャリティとして行うことではありません。
私たちはよく働きます。
時間を守り、言われたことをきちんと行います。
私たちは、きちんとスケジュールされた仕事が大好きです。
雇用する側にとって、私たちは魅力的なはずです。」
ドッドマンはお店では、書店員としての仕事だけでなく、まんがを描くことにも取り組んでいます。
このお店では、まんが本の出版社も所有しています。
ドッドマンは、「壁」というタイトルの自分のまんがを売りはじめました。
人々をたべるモンスターの壁に囲まれた都市の黙示録の物語です。
そして、このまんがには自分の人生で体験してきたことも含めているといいます。
「人生は難しく、不公平なものです。
困難な時代のなかで、それを乗り越えるための何かを見つけるんです。」
ドッドマンにとって、それはこの書店であったことは言うまでもありません。
「私は今、毎日が夢中です。
情熱をもって、働ける機会を手に入れました。」
(出典・画像:カナダCBC)
最高の就職、最高の採用だと思います。
大好きだったものや場所で仕事に就ける。そして情熱や才能が発揮される。
こういうことが、もっとどんどん、世界中で増えていってほしいですね。
描かれたそのまんがは、それって「進○の○人」じゃないか、というつっこみはそっと胸にしまっておきます。
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(チャーリー)