- 子どもは幼稚園で何をしていたのか?
- アイヤナは発達障害と診断される前に、両親にどのような問題を抱えていたのか?
- アイヤナは大学生活でどのような困難に直面しているのか?
アイヤナ・ヘイズはずっと先生のようでした。
幼稚園では友だちに文字の読み方を教えていました。
大人がタバコを吸っているのを見ると、タバコの毒性について説明をしました。
両親には困った思い出ですが、スーパーで買い物をしていた太っている女性に近づいて、健康的な食べ物を買えばそんなに太りすぎることはないと説明をしたこともあります。
アイヤナはアスペルガー症候群です。
とても知的ですが、社会的なやりとりに困難をかかえます。
しかし、アスペルガー症候群だからといってアイヤナのように14歳で大学に入り、大学の同級生に勉強を教えることはそうありません。
「同級生たちは私の年齢を知っていますが、私は年齢相応の行動はとっていません。」
アイヤナは米サウスカロライナ大学での同級生との関係についてそう言います。
アイヤナは大学では最年少の学生です。
サウスカロライナ自閉症協会の広報担当、メアリー・スタージュールによれば、アスペルガー症候群やサヴァン症候群の人たちには優れた才能を持つ人が少なくないものの、アイヤナは際立っていると言います。
「彼女と同じ年齢の子どもたちは、ふつうは高校に通っています。
アイヤナは本当に若い大学生です。」
米国疾病予防管理センターによれば、59人の子どものうち一人は発達障害です。
その数は増え続けており、その原因は明らかにはなっていません。
アイヤナはターナー症候群でもあるため、成長ホルモンが十分でなく背は低いままです。
大学の同級生に比べるととても小さな姿です。
「娘は年齢が若いだけでなく、身長もまわりの子とは違います。」
父親のトビーはそう言います。
アイヤナは常に学業は優秀であるものの、自分をコントロールすることができませんでした。
発達障害の子どもの多くと同じように、大きな音などがあるとパニックを起こしてしまいました。
アイヤナはずっと自宅で学習してきました。
たくさんの人混みの中ではパニックを起こしてしまうからです。
ここまで来るのには長い道のりでした。
そうして、高校に入ることを飛ばして、サウスカロライナ大学に入学したのです。
しかし、講義を受けることがなかなかできないでいます。
人と会話をしても、不安でいっぱい、目を合せることもありません。
「ひどくこれには悩みます。」
そうアイヤナは言います。
家族の支援があって、アイヤナは発達障害であっても、たくさんのことを学んできました。
「5年前の娘を見たら、全くの別人だと思うはずです。」
そう母親は言います。
もう、スーパーで買い物をしている太っている人やたばこを吸っている人に説教をすることはありません。
今はその知性のエネルギーは、遺伝子の研究や楽器を学ぶことに向かっています。
発達障害の人を雇用しているマイクロソフトのインターンシップを経験することも狙っています。
「私は、世界を白か黒かで見ていました。
今は世界は、少し灰色であることがわかりました。」
アイヤナは、来年サウスカロライナ大学を卒業したあとは、遺伝子の研究を続けるためにサウスバージニア大学に行くことを考えています。
ここで、アイヤナの大好きな2つのテーマ、人類とコンピュータに完璧に取り組めるといいます。
父親のトビー、母のステファニーにとってアイヤナは初めての子どもでした。
そのため、他の子どもと違うとはすぐにはわかりませんでした。
アイヤナが幼稚園に通い出すと、違うことがわかってきました。
幼稚園の先生から、椅子を投げていたと電話がかかってきました。
先生はアイヤナを止めることができませんでした。
しかし、母親のステファニーが幼稚園に行くと、アイヤナはすぐに止めて何事もなかったかのように「ハイ、マミー」と言います。
アイヤナは家では楽しく過ごせますが、幼稚園ではうるさい友だちから遠ざかりたかったのです。
それが原因だとわかりました。結局、家に早く帰りたかったのです。
「アイヤナはそれまで、私の話を聞くことがなく、コミュニケーションができませんでした。
自分は世界一だめな母親だと思っていました。
発達障害と診断をされて、安堵しました。」
母親のステファニーは、娘が現実世界ではたくさんの困難をかかえていることも理解しました。
騒々しい音、たくさんの人混み、皮肉の言葉、そうしたものから避けられるように育ててきました。
アイヤナは、自身の発達障害、ターナー症候群に負けないように、自宅から大学まで約5kmを雨や光を浴びて歩きます。
歩くことは、発達障害に伴う不安を軽減する、ターナー症候群に関連する体重増加を抑える、何より体に良いという3つの利点があります。
大好きな音楽を聴く時間にもなります。
アイヤナの音楽の情熱は、その知性とは関係なく、まわりの子どもたちと同じです。
マインクラフトにも中毒になっています。
「私はいろいろな場面で、自分の頭の中をぐるぐる回る考えに負けないようにしています。
大好きな音楽のアーティストの曲を聞くと、最高の私になることができます。」
(出典:米THE STAR)(画像:Pixabay)
「発達障害」というタグは付けられても、人と違うところが障害ではなく才能と呼ばれる方の代表だと思います。
どんどん発揮されて、ご活躍頂きたいと思います。
家族の理解、学校に行かせないとした勇気、決断が、よい結果につながったんですね。
発達障害の子と親が求めたインクルーシブでない学校
(チャーリー)