- 発達障害のある人でも大学に通うことができるの?
- 演劇を通じてどんなスキルが身につくの?
- 発達障害のある人との交流方法として他にはどんなものがあるの?
米ペンシルバニア州大学に新しい講座のクラスが作られました。
そこでは大学生と知的障害のある人たちとが演劇を通じて友情を築くとともに、新たな言語療法を作ろうとしています。
この「パフォーミング・トゥギャザー」は、ペンシルバニア大学近郊に住んでいる発達障害の子が大学に来て、ペンシルバニア大学の学生たちと交流し、社会的なスキルや学力の成長を目的とするものです。
このクラスの創設者の一人である、クリスタ・ウィルキンソンは母親が支援の仕事をしていたことから、ずっとダウン症の人たちが身近な存在だったといいます。
ウィルキンソンはステージマネージャーでプロデューサです。
助教授のミシェル・ダンレビーが振り付けを行います。
ダンレビーが関わることになってから、より全身の体を動かすものになったとウィルキンソンは言います。
「私たちは、ただ楽しくてやっています。
ふだんは話すことがダウン症の子どもたちは、この舞台では大声を出して歌い、自分を輝かせています。」
パフォーミング・トゥギャザーでは、コミュニケーションと日常生活で必要となるスキルの両方に役立つ楽しい活動を行っていると言います。
公演活動や、同様に障害のある人たちを演劇で支援しようとする人たちへのリソースガイドの提供も行っています。
リソースガイドは、それぞれの取り組みの説明とその目的、そして根拠となる研究について紹介をしています。
イーサン・シーゲルは昨年パフォーミング・トゥギャザーを受講し、今年は助手となって授業を助けています。
演劇コミュニケーションと障害学科で学ぶシーゲルは、学んだことを実践できる機会に感謝をしています。
「障害のある人と共通の関心事を見つけ出し、それによって人が成長していくのを見ることができます。
すばらしく価値があることです。」
昨年度は公演を4回行いました。
ウィルキンソンはこう言います。
「参加している人たちが楽しいだけでなく、発達障害の人たちにとって、これが本当に役に立っていることを知ってもらいたいと思っています。」
振り付けを行っている助教授のダンレビーはこう言います。
「演劇による新しい療育方法の可能性を見ています。
舞台に立つこと、そして本物の役者では全くない人たちでも演じることが、力を与えてくれるのです。」
そして、クラスに参加している人たちの全てが楽しめていると言います。
ウィルキンソンはこう言います。
「どうして、私たちは机の前で椅子に座って療育を行っているのでしょうか。
考えなくなってしまったと思います。
伝統的な言語療法の方法を変えて、楽しくてやる気ができる療育方法を見つける必要があると考えています。
パフォーミング・トゥギャザーでは、見ればダウン症の子どもたちが参加しているのがわかると思います。
私たちはすぐに障害のある人だと思いますが、ここでは持っている全ての能力を目にすることで、誰もがみんな力強い存在であることが理解できるはずです。」
(出典・画像:米DAILY COLLAGIAN)
協力的な人とともに、演劇を通じて、声を上げて、話して、体を動かして、演じる。
たくさんのことが学べそうですし、何より楽しいことが想像できます。
世界中にこんな取り組みが増えるといいですね。
発達障害と定型の人の共創で理解が拡大していく
(チャーリー)