- 発達障害を持つ家族が支援を求めるとき、どのような仕組みが必要なのか?
- 発達障害の人に対して、まわりの人が理解を示すためには何が必要なのか?
- 発達障害の子どもたちは、どのような支援や環境で成長したいと思っているのか?
マーリーン・エスピノーザは、8歳の息子のデビッドが発達障害と診断をされた頃、助けてくれるコミュニティなどはありませんでした。
そして、2017年のことでした。
エスピノーザは支援を求める苦労している母親の声を聞きました。
「発達障害の子をもつ家族たちは困っていました。支援するしくみが必要なことがわかっていたので、私たちは集まったのです。」
そうして、発達障害の家族たちを支援するグループが生まれました。
教会で毎月会合を開いています。
現在は10家族が参加しています。参加している家族たちの大きな助けになっています。
クリスタ・ウィルバーンの12歳の息子のコリンは7年前に発達障害と診断されました。
「夫も私も、発達障害について全くわかっていませんでした。
私が唯一知っていたことは、レインマンのような人ということだけでした。
息子がレインマンと似ているとは思いませんでした。」
ウィルバーンは、エスピノーザの家族たちと出会い、自分たちが何に直面し、どう過ごしていくのか理解することができました。
この出会いが、人生を変えてくれたといいます。
「他の家族たちにも参加してほしいと思います。
助けが必要だと言うことができます。
それが大事なんです。
自分が世界で最も不幸な母親だと感じることもあると思います。
どこにも答えを見出すことができないからです。
ここだとみんなが助けてくれます。」
ウィルバーンは、発達障害と診断されている娘のメリーと参加しています。
もう孤立していると感じなくなりました。
支援を行うだけでなく、発達障害の人に対するまわりの人たちの考えを変えていくことも目標としています。
18歳のブラッディー・ハリソンは、動物園に行って動物を観察することが大好きです。
そして、出会った人に挨拶をすることも好きです。
しかし、挨拶を返してくれない人もいます。
母親のミシェルは悲しくなります。
「私の息子は発達障害のアスペルガー症候群です。
まわりの人とは違うでしょう。
しかし、学校で息子が友だちにおはようと言ったら、おはようと返してもらいたいです。」
ウィルバーンもこう言います。
「発達障害の子は学校では狂っていると言われます。
そういうことがまだあるのです。
しかし、私たちは発達障害であることを隠さないようにアドバイスしました。
発達障害であることを伝えましょう。」
また誤解されていることとして、発達障害の人はすべて知的レベルが低いというものがあります。
それは違います。
「発達障害の子どもをそうして決めつけてはいけません。
コンピュータや芸術の分野で偉大と思える人もいます。」
エスピノーザは、数学と科学が得意な息子のことを言います。
「発達障害の子も変わりはありません。
愛されたい、親切にされたい、みんなと仲良くなりたいと思っています。」
母親や祖母と一緒に参加している15歳のメイソン・バーンズも、そうだと言います。
バーンズは発達障害ですが、発達障害に支配されているわけではないと言います。
「私にはできることがたくさんあります。」
大学に進んで機械工学を学びたいと考えています。
バーンズには笑顔があふれていました。
(出典・画像:米PHAROS TRIBUNE)
同じような経験をしてきたもの同士だからこそ、わかり、助けられることも多いはずです。
話せる相手がいるだけで大きく違いますからね。
日本でも2018年度から厚生労働省により、交流の場づくりなどに取り組む自治体に経費の2分の1を補助する、発達障害のある人の家族同士の交流を進め、悩みを抱え込まないようにする「ピアサポート」の推進事業が始まりました。
これから、日本でもこういった家族の集まりがきっと増えていきますね。
発達障害の子と家族を支援するサーファー
(チャーリー)