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数秒間の動画でも話している人が発達障害だとすぐに気がつく原因

time 2018/04/20

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

数秒間の動画でも話している人が発達障害だとすぐに気がつく原因
  • 会話の崩壊を引き起こす何が発達障害の人たちに起きているのか?
  • 発達障害の人たちのコミュニケーションに関わる微妙な違いはどのように定量化されているのか?
  • 発達障害の人たちが抱えるコミュニケーションの問題にどのような介入や治療が効果的か?

ラムゼイ・ブリューワーの会話は少し微妙なところがあります。
17歳のラムゼイは、ときどき言葉を繰り返し、少しおかしな間違いもします。
また、ときどき会話の途中でかたまってしまい、それは他の人よりも2倍も3倍も長い時間です。
話しているときも、少し相手の目を見てから、すぐに目をそらしてしまいます。
ラムゼイは自分の話はよく人に誤解されてしまうことを理解しているために、言いたいことを母親にまかせてしまうこともあります。
そして、あるとき、母親のキャサリンが階段を上って息を切らしているときに、息子のラムゼイはキャサリンが泣いているのだと勘違いしたこともあるといいます。
このようなコミュニケーションに関わる問題から、ラムゼイが発達障害であることは疑われますが、標準的な言語のテストでは正常な範囲に収まっており、今も通常の進学校に通い成績も優秀です。
米ボストンのエマーソン・カレッジの表情コミュニケーション研究室(FACE)に通うことになったのは、そのギャップが理由です。
ラムゼイは、発達障害の子どもたちのコミュニケーションの問題についての研究に参加しています。
ルース・グロスマンが研究を行っているFACEに通う発達障害の子の多くが、コミュニケーションがうまくいかない「会話の崩壊」を経験しています。
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グロスマンの研究では、軽度の自閉症の9人の子と、そうでない9人の子がそれぞれ簡単なことを話すビデオを87人の人たちに見せました。
ビデオを見ている人たちは、子どもたちが自閉症であることなどは知りません。
しかし数秒ビデオを見たり、音声を聞くだけで、その子どもに自閉症の疑いがあることに気づきました。
その後の複数の検証でも、この結果は変わることはありませんでした。
そのために、話をしている人が自閉症、発達障害だと多くの人がすぐに気がつく原因についての研究にグロスマンは力を入れてきました。
「明らかに、何かがあるのです。
誰にでもわかるような明らかなものなのに、とても微妙な何かです。」
表情を研究しているグロスマンは言います。
「発達障害の人が話すときに、こうしたことがいつも起こっていることなのです。
そのために、発達障害の人と関わろうとする意識が、多くの人で低下してしまうのです。」
コミュニケーションのときに起きている何か。
それがつきとめたい疑問です。
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レオ・カナーとハンス・アスペルガーが自閉症を特定して依頼、言語に関わる問題は診断基準の一つとなっています。
しかし、歴史的にはこれらの基準は言語に問題があるかないかを判定しているだけでした。
現在になると、言語、コミュニケーションの内容に社会的なものがあるかどうかも見るようになってきました。
「発達障害の人たち、それぞれがいろいろな話し方をもっていて、大きくばらつきがあるために、それを評価することは簡単なことではないのです。」
そう、発達障害の人へのサービスを提供しているローガン・センターのジョシュア・ディールCSOは言います。
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こうした問題を解決するために、グロスマンを始めとする研究者たちは、発達障害の人が話す、言葉の音の高さ、長さの変化、微妙な表情の変化などを測定、分析することを始めています。
これらの手法により、コミュニケーションを構成する要素、表情、声、言葉を評価できるようになります。
発達障害の人たちが、人とコミュニケーションをして人の話を聞いたりできるようになるだけでなく、誤解なく自分自信を表現できるようになることにもつながるはずです。
微妙な違い、変化を対象とするために、これまでとは比べ物にならない科学的な厳密性が求められる研究となります。
病理学者であるグロスマンはこう言います。
「これまでには対象とするのが難しかったものを定量化しようとするものです。
誰にでもわかる明らかなものであるのに、微妙でよくわかっていない、コミュニケーションを崩壊させてしまう何かを見つけます。」
(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay
何かが違うので、話すことをやめてしまう、関わらなくなる。
理想や綺麗事をおいて、実際そういう人は多いはずです。
私にとってうちの子はかわいいだけですが、他の人から見たら奇妙でしょうし、怖いと思われることもあるだろうといつも心にあります。
本人にはそんなこと思ってほしくはありませんけれど。
何かが違う。
その何かをきちんと評価できるようにして、診断やご本人の悲しみが減ることにつながるような治療などに役立つ取り組みは進展して頂きたいですね。
発達障害の人を助ける会話の空気を読むAI装置

(チャーリー)

 


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