- 発達障害の人の運動量にほめる言葉が与える影響はどのようなものか?
- 運動量を増やすために、ほめる言葉をどのような方法で伝えると効果的か?
- デバイスを活用した運動支援の効果は、発達障害の人だけでなく他の人にもみられるか?
UNCフランク・ポーター・グラハム子どもの発達研究所(FPG)の予備研究によると、ほめる言葉が発達障害の子の運動量に大きな影響を与える可能性があることがわかりました。
この研究では、iPhoneやiPodに事前に録音したほめる言葉によって、発達障害の人たちがより多く運動するようになることもわかりました。
「発達障害の人たちは、そうでない人たちに比べると運動量が多くありません。
これまでの研究で、発達障害の人たちは肥満、うつ病、糖尿病などの健康問題のリスクが高いこともわかっています。」
そうFPGのメリッサ・サベージは言います。
サベージは、定期的な運動が発達障害の人たちにとっても、とても有益であることを伝えています。
「以前の研究で、規則的な中程度から激しい程度の運動を行うと、教室での学習がよくできるようになることが示されています。長い時間、取り組めるようになり、問題行動が減りました。」
メリットがある定期的な運動を、発達障害の人たちにもっとしてもらうための方法をサベージは探しました。
そして、FPGの発達障害研究チームは画期的な方法につながる予備研究を行いました。
サベージの研究はこれまでの研究と主に次の2点が異なります。
まず、他の人からの支援やペアを組まないで、ほめる言葉のみの影響について注目をしました。
そして、ほめる言葉を伝える方法の違いによる影響についても調べました。
「スマホなどのようなデバイスを身につけて運動することが一般的になってきました。
必要な支援を行うために、それらの欠点、利点も知りたいと考えました。」
20歳から22歳までの発達障害の青年3人に参加してもらい、毎日、運動への取り組みについて確認を行いました。
毎回同じようにヘッドホンから、「よく走って、がんばったね!」「素晴らしい走りをしたね!」そんなふうに行ってもらいたい運動に焦点をあてた褒め言葉を聞きながら、青年たちは運動を行いました。
「私たちはこの研究で、ほめる言葉を利用すると、すべての人がより運動することがわかりました。
その人をほめる言葉、行ったことに対してほめる言葉、どちらでも走った距離は長いものとなりました。」
しかし、ほめる言葉が運動量を増加させることよりも、もっと大きな発見をしたかもしれないとサベージは言います。
「発達障害の若者に運動してもらおうと考えたときに、デバイスの利用が役に立つかもしれません。
iPhoneなどのデバイスから、録音されたほめる言葉を聞いた場合でも、同じように運動量が増えたからです。」
サベージは、デバイスを利用できることでのメリットをあげます。
「特に若い人たちの間ではスマホなどが普及しているため、これらを使って支援できることは、発達障害の人たちが自立できると感じるのに役立ちます。」
また、支援する人の代わりにスマホが役にたつことで、運動も行いやすくなります。
「運動している人によく注目して、スケジュールどおりにほめる言葉を与えようとしても、人がそれをずっと続けるのは困難です。
しかしスマホを利用すれば、ほめる言葉を録音して準備するのに5分かかりましたが、それからは支援者は何もする必要もありません。」
サベージはこう言います。
「テクノロジーが学校や家庭で利用できるようになってきました。
発達障害の人たちを支援するために、それらをうまく活用していくべきです。」
(出典:米ScienceDaily)(画像:Pixabay)
スマホに録音した「ほめる言葉」の声がけでも、発達障害の方の運動量が増える。
発達障害の方でなくても、きっとみんなそうなるでしょうね。
寒い季節も終わり、うちの子ともこれからはもっと体を動かしたいと思います。
障害のある方が過ごしやすくなるような、スマホ、AI、ロボット、そういったテクノロジーをうまく活用する方法が生まれてくるのは本当にうれしいですね。
(チャーリー)
iPhone/iPad AIアプリ「話すカメラのゲーム」親子でことば学び遊びができます。