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発達障害の人の多くは全体を見ない。目の錯覚が診断に役立つかも

time 2018/03/12

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

発達障害の人の多くは全体を見ない。目の錯覚が診断に役立つかも
  • 脳が単純な錯視のアニメーションをどのように見ているのか?
  • 発達障害の人たちが点に注目する傾向が高い理由は?
  • 瞳孔の大きさから情報処理の違いを診断に活用できる可能性はあるか?

こんな単純な錯視のアニメーションを、あなたの脳がどのように見ているのかを調べると、あなたについて多くのことが明らかになります。
この回転する点は、発達障害の診断についても役に立つものになるかもしれません。
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この白い点、黒い点を見ると、多くの人は回転する筒を見ます。

しかし、誰もが同じように筒が見えているわけではありません。
筒は存在していません。ただ300個の点が左右に移動し、黒から白、白から黒へと切り替わっているだけです。

しかし、多くの人の脳では、細部を無視して、画像を大きく捉え、筒が見えます。
細部に注目してしまう脳の人の場合には、ただの動く点にしか見えず、筒は見えません。

現在はオーストラリアのシドニー大学に務めているデイビッド・バーと研究者たちは、1年間に渡ってイタリアのピサ大学、フィレンツェ大学の生徒たちにこの錯視を見せる実験を行いました。

目にある瞳孔は、カメラの絞りのようにどれだけの光があたっているかで、拡大や縮小します。
回転する筒全体の画面では、明るさの変化はありません。
そのため、全体を見ている場合には瞳孔の大きさは変化しません。
点に注目をしている場合には、瞳孔の大きさが変化します。

明るい白い点を見れば、瞳孔は収縮します。
こうした反応を示す人は、画面全体を見て筒が見えることはなく、それぞれの点に注意をしていることがわかります。

こうして、この実験から、デイビット教授たちの研究チームは、情報の処理のしかたの違いを瞳孔の変化から確認することができました。

そして、この錯視によって明らかになった情報処理の違いは、人々の個性や思考方法も反映していることを実証しました。
発達障害の人たちに実験に参加してもらいました。

発達障害の人たちは筒を見るよりも、点に注目をする傾向が高いことがわかりました。

この実験の参加者は50人にしか過ぎませんでしたが、もっと多くの人たちに協力をしてもらって検証ができれば、発達障害の診断ツールになるかもしれないとデイビッド教授は考えています。

発達障害の人たちの多くが、細かいディティールやパターンに注目をしてしまうため、全体を見ることに苦労しています。
反面、素晴らしい絵画を描いたり、ジクソーパズルが得意であったりすることもこれによるものです。
多くの研究者は、発達障害の人のコミュニケーションにかかえる問題の根底にある原因は、細部に注意をしてしまうためと考えています。

自閉症協同研究センターのアンドリュー・ホワイトハウス教授はこう言います。

「私たちは生まれてから、特定の方法で世界を認識し、人の顔や目などから社会的な情報を得ます。
多くの人と異なる方法で世界を認識している場合には、多くの人とは異なる成長をしていくことになります。
発達障害は必ずしも生まれつきではない。という理論もあります。
生まれた時点から、世界を認識する方法が異なってきたためという考え方です。」

(出典・画像:豪The Sydney Moning Herald

発達障害、自閉症スペクトラムの方は全体を捉えるよりも、細部に注目してしまうことが少なくない。

これはよく耳にします。

瞳孔の大きさから、それを確認できるのであれば確かに診断するのに有用となりそうです。
何よりも、その方がどんなふうに世界を捉えているかの少しでも、客観的に知ることができれば、親やまわりの人も助けられます。

私もうちの子が世界をどう捉え、そのことによってどんな苦労があるのか、少しでもわかりたいとずっと思っているので。

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(チャーリー)


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