発達障害のニュースと障害者のハンドメイド

発達障害の方のメンタルに影響する理解不足

time 2017/11/15

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

発達障害の方のメンタルに影響する理解不足
  • 発達障害と診断された人が周囲から受け入れられることは可能なのか?
  • 発達障害の人が自分のポジティブな側面を周囲に理解してもらうことはできるのか?
  • 発達障害の人が発達障害であることを隠すことによって、どんなメンタルヘルスの影響があるのか?

発達障害の人の70%にうつ病や不安症などのメンタルヘルスの問題があるという調査結果があります。
発達障害の人がそうでない人に比べて、メンタルヘルスの問題のリスクが高い理由は判明していません。
しかし、発達障害の人が、周囲の人たちに受け入れられているかが重要なポイントになることは間違いありません。
私たちは、周りの人の理解不足が発達障害の成人のメンタルヘルスに重大な影響を及ぼす可能性を示す研究結果を発表しました。
医療関係者は、発達障害を診断する上ではプロフェッショナルですが、発達障害の人の多くは自分のポジティブな側面を見てくれていないと感じています。
発達障害は生涯にわたる神経発達の状況であり、そうでない人とは異なる発達をしていることを意味します。
社会的なコミュニケーション、やりとり、知覚などに違いが現れてきます。
私たちの研究では、自分がそうであることを認知できている発達障害の成人の111人を対象にメンタルヘルスに関連する発達障害に関わる経験についての調査しました。
多くの人たちが、いやな経験をしてきたと回答しました。
「自分が発達障害と診断をされてから、発達障害についてきかれると、何も考えることができなくなったり、絶望の気持ちになってしまいます。」
そう語る人がいました。
また、人に受け入れてもらうことが信じられないほど難しくなったと語る人もいました。
「歳をとるにつれて、ますます受け入れられないという不安が増します。」
自分がどんな人間であるか、考えてみましょう。
私はスコットランド人です。私のとても重要な点です。
すると、他の人はこの点を受け入れられるかどうかを考えます。
ここで、自分が受け入れられる範囲と他の人が受け入れられる範囲に線が引かれます。
そして、他の人が受け入れられなかったら、それがメンタルヘルスに影響します。
人間には、受け入れられたい、仲間になりたいという自然的な欲求があるからです。
発達障害と診断をされた人は、自分がどんな人間であるかを考える上で、発達障害は消すことができません。
他の人は発達障害であることを受け入れられるでしょうか?
それがわかる最近の研究結果はありません。
しかし、発達障害についてよいイメージを持っていない傾向はあるといえるでしょう。
私たちの研究調査では、自分は他の人に受け入れられていないと感じている発達障害の人はうつ病や高いストレスを経験している傾向がありました。
自尊心の低下は、うつ病のより強い症状にも関連していました。
これらから、人に「受け入れられた」という感情が、メンタルヘルスに重要な役割を果たしていることがわかります。
また、私たちの研究の目的には、発達障害の人が、受け入れてもらうために、どのように考えたかを明らかにすることもありました。
発達障害の人たちの多くが、自分が発達障害でないと偽ったり、隠したことがあるということでした。
つまり、特定の場面では「発達障害でない人」として行動しようとしたのです。
h3
「私は発達障害であることをうまく隠せることができるので、受け入れられています。」
そう語る人もいました。
そして、発達障害でないと偽った人たちは、うつ病になる傾向が高いこともわかりました。
ある人はこういって言いました。
「偽ることは信じられないほど疲れます。
そしてストレスがたまって、最終的には心身の健康に影響が出ました。」
自分自身の大部分について他の人から絶えず隠そうとすることが、どんなにたいへんなことか想像できるはずです。
私たちの研究では、発達障害の人たちのカモフラージュについての研究は始めたばかりです。
発達障害の人たちの生活に及ぼす影響を理解するためには、もっと多くの研究を行っていく必要があります。
私たちの社会は、発達障害の人を受け入れて、発達障害の人が発達障害であることを隠さなくてもよいようにする必要があります。
多様性を尊重し、発達障害の人が発達障害であることを尊重するのです。
受け入れられやすい社会になれば、発達障害の人のメンタルヘルスの問題も少なくなるはずです。
発達障害の人のメンタルヘルスについての研究は優先して行うべきものです。
発達障害の人への受容は、メンタルヘルスの問題の解決に寄与する一つの要因でしかありません。
しかし、発達障害の人を受け入れる人がもっとたくさん増えれば、発達障害の人たちの生活が大きく変わるのは間違いありません。
(英ロンドン大学 心理学者 エリジ・ケイジのThe Conversation寄稿記事)
h1
(出典:英INDEPENDENT)(画像:Pixabay)
隠すことは本当にたいへんだと思います。
隠す必要なんてない、人それぞれ違って当たり前、多様性なんて言葉がなくなるくらい当たり前になって、
伸ばすべき違うことはどんどん伸ばせて、助けが必要な違いは助けられる。
そんな時代になっていくはずと思っています。
発達障害の子は統合失調症になることもある

(チャーリー)


たーとるうぃずを「いいね!」をする。フォローする。

その他の最新の記事はこちらから
福祉作業所で障害のある方々がひとつひとつ、心をこめて作り上げた良質なハンドメイド・手作りの品物をご紹介します。発達障害の関連ニュースや発達障害の子どもの4コマ漫画も。
気に入ったものはそのままamazonで簡単にご購入頂けます。

商品を作られた障害のある方がたーとるうぃずやAmazonに商品が掲載されたことで喜ばれている、売れたことを聞いて涙を流されていたと施設の方からご連絡を頂きました。

ご購入された方からは本当に気に入っているとご連絡を頂きました。ニュースや4コマ漫画を見て元気が出たとご連絡を頂きました。たーとるうぃずがますます多くの方に喜ばれるしくみになることを願っています。


NPO法人Next-Creation様からコメント

「たーとるうぃず様で販売して頂いてからは全国各地より注文が入るようになりました。障がい者手帳カバーは販売累計1000個を超える人気商品となりました。製品が売れることでご利用者の工賃 UP にもつながっています。ご利用者のみんなもとても喜んでおります」

テキストのコピーはできません。