- 乗馬や動物セラピーは発達障害に効果がありますか?
- 発達障害の子どもにも適した運動や活動は何がありますか?
- 動物セラピーが分離不安や不安症にどう役立つのですか?
重い発達障害の子どもをもつ親にとって、動物たちが子どもたちに自信を与えて、体も健康にしてくれるものとなっています。
動物たちは数週間で子どもたちの生活を変えています。
Irina Aleksandrovaは、オーストラリア ブリスベンの南にある発達障害児向けの乗馬クラブを経営しています。
彼女は、乗馬療法が子どもの芯を強くして自信をもたせるといいます。
「自分はできる、何でも自分自身でできるという気持ち、それはもうすごい自信と言っていいもの。
ちょっとおおげさだけど、巨大な生き物を操ることができるー乗馬ーがもたらした感覚。
乗馬は面白いので、気づかないうちにいろいろ良いことをもたらしてくれる。」
その乗馬クラブに通うDaisy Brownは10歳。脳の命令が体にうまく届かないことが原因とされる統合運動障害をもっています。
彼女は体を動かすことに困難があり、集中をすることも苦手です。
また母親から離れることができない強い分離障害もありました。
彼女の母親は、彼女にとって、何がよいのか探し続けていました。
「もっとも、心配だったのは、分離障害。
学校へ行こうにも、私達から離れるのを、とても嫌がりました。
たびたび、それは起きて、本当に心が折れそうなことでした。
もし離れると何か恐ろしく怖いことが現実に起きるのではないかと思った時に、彼女は暴れました。」
彼女の両親は、乗馬レッスンを始めてから、とても彼女がよくなって自信がついたと考えています。
「娘の生活に与えた影響はとても大きいものです。
スタミナ、集中力、姿勢の良さ、が分離障害へも良い影響を与えています。
頭を使う、体を動かす、体全体を使う、バランスをとる、集中をする、
彼女が馬に乗っていると素晴らしいそれらを見ることができます。」
Daisyの自宅では、心を落ち着かせて幸せにしてくれる介助犬のSashaが友達となっています。
犬のSashaが来る数ヶ月前までは、Daisy はその分離障害から両親と離れて寝ることができませんでした。
寝ても1時間から2時間ごとに起き上がっては家の中をうろうろし、興奮して倒れることがよくありました。
Daisyが足を動かし始めて1日がはじまり、彼女の介助をずっとして1日が終わります。
しかし、犬のSashaが来てからは、もう娘の横にずっといることもなく、犬が娘を寝かせてくれます。
夜中に起きだして歩きまわっても、犬がベッドに連れて行ってくれます。
「Sashaは小さな牧羊犬。
実際、Daisyの周りにいつもいて私達を起こすことなく娘をベッドに連れて行ってくれます。
もし ベッドに戻っていなくても、私達が起きるとSashaが小さなベッド代わりになって二人で寝ています。
娘が興奮状態になると、犬のSashaは娘のDaisyの足を小突いて、座らせて、落ち着くようにさせてくれます。」
Daisyは犬のSashaと馬のGunniに幸せと安全を感じると言います。
「誰にも信じてもらう必要はないけれど、私は動物たちと話ができるの。
馬のGunniは私のバランス感覚を助けてくれて、大きな動物も怖くないようにしてくれた。
犬のSashaは一緒にいるととても落ち着くの。」
「私も、そんな人になりたい。」
オーストラリアでは、アニマルセラピーの研究成果はまだ限られたものとなっています。
しかし、このような事例が馬と一緒に過ごすと子どもたちのストレスレベルを下げることを明らかにしています。
精神科医のAnja KriegeskottenはSamford障害者向け乗馬クラブで、発達障害や虐待をうけた子どもたちへ馬の治療を行っています。
彼女は、馬たちは言葉を使わないコミュニケーションを読み取るのに優れているといいます。
「深いトラウマをもつ子どもの多くは、トラウマについて話しません。話せないのです。」
Kriegeskotten医師は言います。
「そういった子どもたちは、たいてい自分を大事に思う気持ちも小さくなっており、大人たちを信用しません。また言葉の遅れもあります。
馬の治療は、言葉による話を大事なものとしません。馬と信頼関係を築いていき、自らを大事に思う気持ちもそこで育っていくのを大事にしています。」
「私は気付きました。馬たちが、発達障害の子どもたちを好きになっていくのです。
この子どもたちが、馬にとって離れられない磁石のような存在です。」
(出典・画像:豪www.abc.net.au)
馬を間近にして、潤んだ大きな瞳を見るとなんだかやさしいお母さんのような感じがします。そして何でも見透かされているような気にもなります。
これでは、馬と犬でしたが、イルカのセラピーも聞きますね。
言葉を使わない(使えない)コミュニケーションができる動物たちは、口だけではない真の友達になりやすいのでしょう。
知的障害の彼女たちを夢中にさせた馬もいます。
知的障害の彼女たちを夢中にさせた馬
(チャーリー)