- 洗車が好きな発達障害の人たちが、どうして洗車を楽しむことが多いのか?
- 洗車には、発達障害の人たちにとってどんな感覚や刺激があるのか?
- 発達障害の人たちが雇用される洗車場が、どのような支援や効果をもたらしているのか?
くもりの日、クリント・ベイカーは息子のヴィンスを助手席に乗せて、洗車機に向かっています。
そこからビデオの撮影が始まっています。
「この洗車場では、十分な洗剤がつけられます。
何回、回転ブラシの洗車があるか見てみましょう。」
そうビデオには声が入っています。
しばらくの間、ふたりは静かにしています。
この洗車の動画が、Youtubeで人気のチャンネルになっています。
これまでに15回の洗車をこのように動画にしています。
9歳の発達障害のヴィンスのために始めたものでした。
父親のクリントは、料金価格、洗車ブラシのかたさなどについてコメントもしています。
この動画を見て、コメントを書き込む人たちの多くも、発達障害の人たちです。
洗車システムの種類や、接触洗車と非接触洗車のメリットについてなどの書き込みがされています。
「誰が最初にこの洗車システムの名称をあげることができるでしょうか?」
こんなコメントに、すぐに誰かが反応します。
「その機械は、マークⅦ。」
こんなコメントも書かれています。
「その洗車場にある、非接触の洗車も試してもらえませんか?」
「そこでは、ガラスにまだら模様が残りました。」
父親のクリントは、昨年8月にこのチャンネルを開始しました。
息子のヴィンスはエレベーター、エスカレーター、自動ドア、そして洗車が大好きです。
「息子と一緒に洗車をしにいきます。
それはとても大事な時間です。
息子に喜ぶ刺激をくれた数少ないことの一つです。」
「4,5回も連続して洗車をすることもあります。
車を綺麗にすることよりも、息子のために動画を撮りたいのです。」
洗車が好き。
それは、発達障害の人たちの間ではめずらしいものではないようです。
発達障害の人たちを雇用するために、フロリダ州にできた洗車場もあります。
発達障害のアンドリュー・デリと父親のジョンによって、2013年に始められたライジングタイドです。
米国では、発達障害向けの雇用事業としては最大のものの一つです。
発達障害の専門家であるキャサリン・ブキャンは、洗車が好きなことに驚きはないと言います。
「発達障害の人は、定型発達の人とは異なる感覚をもっています。
光、音、触った感じなどを強く感じたり、あるいは弱く感じます。
洗車では、実際に洗車をしている車に乗ったり、それを撮影した動画に楽しめるところがあるのです。
車が洗われているときの音や光景、洗車のブラシが行ったり来たりすること、そして洗車機を抜けていく。
たくさんの感覚を得ることができるのです。」
父親のクリントは洗車が終わるとこう言っています。
「ばっちり、綺麗になりました。
もともと、汚れてはいなかったけれどね。」
(出典・画像:カナダCBC,Youtube)
洗車中の車にいると楽しいですよね。とてもよくわかります。
なんだかとてもドキドキして、うちの子も反応して喜んでいました。
車が綺麗になるのもうれしいですが、それよりもこの楽しさかもしれません。
ライジングタイドについてはこちら。
発達障害の息子だけでない働ける機会を創る
(チャーリー)