- シャープの発達障害がコミュニケーションにどのような影響を与えたのか?
- ジュディがどのようにシャープを支援してきたのか?
- シャープのアート作品はどんな人々に喜ばれているのか?
ティム・シャープは発達障害のアーティストです。
風変わりな独自の視点を、陽気なカラフルな絵で世界に伝えます。
例えば「Virgin Mobile」というタイトルでは、天井でまわるファンから若い男女を捉えています。
「Sings My Soul」では、人の口のようになった靴の口から歌が流れています。
オーストラリアのブリスベンフェスティバルで上演されているキャラクター演劇作品は、11歳の時にシャープが作ったキャラクターのレーザーピークマンを使ったものです。
風船と電池でうごく部品からできた人形による90分の演劇です。
これは、シャープの素晴らしい作品の一つになります。
29歳のシャープは国際的な発表会でこれまでも作品を発表してきました。
シャープの母親のジュディは、3歳で発達障害と診断をされてからシャープをずっと助けてきました。
診断時に医師からは、シャープが話せないこと、学校に行けないこと、コミュニケーションができないことがジュディに伝えられました。そして専門の施設に入れることを勧められました。
しかし、ジュディはそれを拒否し持っているエネルギーをシャープに捧げてきました。
シャープは、今でも一日中介護をする必要はありますが、コミュニケーションについては、診断とは全く違います。
それは、ジュディが息子のシャープが棒を絵に描いているのを見たことがきっかけでした。
絵がコミュニケーションの方法となりました。
16歳で、障害者のための有名な芸術祭で発表をしました。
世界中から選ばれた4人の若者のうちの1人です。
それ以来、すばらしい実績を積み重ねてきました。
「僕とママは、すばらしいチームなんです。
僕もママもお互いが大好きです。そして親切にして仲良くすることが好きです。
いつもクールなものを作るときに、一緒に手伝ってくれます。
一緒に住んでいて幸せです。」
レーザーピークマンは、今回の作品のメインキャラクターです。
バースデーカードに描くために作った、幼いころに作ったものです。
「レーザーピークマンはいいやつ。そしてスーパーヒーロー。」
スーパーヒーローが持つ、お決まりの特殊能力もあります。
「くちばしからレーザーを出して、悪いヤツをいいものに変えることができます。」
デッド・パペット・ソサエティのクリエイティブ・ディレクター、デイヴィッド・モートンは、パブリック・アート・プロジェクトの一環として、オーストラリアのブリスベン周辺の信号機に貼られていたシャープの独特のイラストを見たのが始まりでした。
そして、2013年のブリスベンのパワーハウス芸術センターで開催された発表会でコラボレーションを行いました。
「キーキャラクターとシーン、セットアップはすべてシャープの作品から生まれたものです。」
そう、モートンは説明します。
モートンたちは、今回の演劇製作にあたって、シャープのこれまでの400点の芸術作品を細かく調べ、分析をしました。
「シャープは、すべてのキャラクターがどのように出会い、そしてどこから来たのか、持っている希望や夢は何か、それらについて私たちに教えてくれまいた。
キャラクターの設定や、キャラクターについてよく考えているのです。」
シャープが持っている明確なイメージを、創造的な作品に活かすために、「翻訳」を行いました。
「私たちは、シャープの世界をより知りたいと考えました。
そして、シャープが私たちを喜ばせようと、自分が持っているキャラクターのイメージなどを変えてしまうことがないように気をつけました。」
製作が始まって4年。
今、この人形劇はすべての年代の人を喜ばせています。
「シャープの作品には、子ども向けという誤解があります。
そんなことはありません。
大人にも、子どもにも喜ばれるものになっています。」
(出典・画像:英The Guardian)
人形になるとますまるキャラが映えますね。
視点が違うからこそ、生み出せるものがあります。驚かせたり、楽しませてくれます。
そしてそういうものは、みんなを豊かにしてくれると思います。
(チャーリー)