- どのような絵のスタイルで描いているのか?
- 何を描くときに使う道具や技法は何か?
- 自分を表現するために絵を描いてきた経緯はどのようなものか?
エミレーツ航空主催の展示会で、アーティストのアブドラ・ルトフィによる美しいラクダの絵などが展示され注目を浴びています。
アブドラのこの展示会では、黒いマジックの太い線で描かれた、街並みや海岸での出来事が飾られています。
「私にはこんなふうに見えるんです。
頭の中でこんなふうに見えるんです。」
アブドラは発達障害です。
4歳の頃から描いています。
「私はまんがが大好きです。
白と黒だけで描くのは最高です。
絵にはまんがのように言葉を入れています。」
「彼は持っている独自の視点で、ドバイの物語、そして真実の美しさを正直に伝えます。
とても面白いものです。
ユーモアも洒落ています。
彼は作品を一つつくるたびに、ドバイをより捉えていきます。
まるで、ガイドブックのようです。」
そう、この展示会のディレクターのロバート・レパードが言います。
「私は、障害者へのチャリティとしてアブドラを支援したいと最初考えていました。
しかし、アブドラの作品を見るとそれは変わりました。
私は興奮しました。
チャリティとして扱うのではなく、とても面白い作品を作るアーティストとして扱おうと思いました。
新しいアーティストです。」
世界の有名アーティストと仕事をしているレパードは、アブドラを類稀な才能として紹介しています。
「私はアメリカに戻った時に、このドバイの人たちのダイナミズムを説明するのに苦労をしていました。
このドバイの精神や魂を表現できるアーティストはそういません。
ブルジュ・ハリファの写真を撮ることは簡単ですが、それではそこに生きている人たちを伝えることができないのです。」
アブドラの絵の先生、グルシャン・カバラーナは、ラクダのコンテストのビデオを見ている時に、アブドラにいくつかのアイデアが浮かんだと言います。
「アブドラはドキュメンタリーのビデオを見て、ラクダのコンテストを理解し、楽しく描こうと決めました。
アブドラは鉛筆や消しゴムを使うことはありません。
マジックで直接描き出す、独特のスタイルです。
アブドラの作品では、さまざまな動物と文化が混在します。
そして、伝えたいのです。」
アブドラは絵の教室で6年間、情熱を費やしてきました。
そして今、このように企業から製作依頼がされるまでになりました。
アブドラの母、アマルは息子のアブドラは自分を伝えることができないときに、絵を描いてきたと言います。
「幼いころは、りんごが食べたいと、りんごを描きました。
昔から、息子の絵は変わっていましたが、こんな展示会にまでなって、もうびっくりです。」
アブドラは学校を卒業してから、絵の教室で絵に取り組むようになりました。
「それから、息子は大きく変わりました。
家族とはやりとりすることができましたが、他の人とは困難でした。
今では、他の人と話ができ、気持ちを表現できるようになりました。」
絵の教室を運営するワウェミー・マイカーは、認めることが重要だと語ります。
「認めることで、隠れた才能を発見し、伸ばしていくことができるのです。
アブドラの作品をみんなが見ています。
私たちにとっても、これは希望となることです。
私たちが持っていた目標は、アブドラの情熱を手伝うことでした。」
(出典・画像:アラブ首長国連邦The National)
発達障害の方に限りませんが、決めてかかって見るのではなく、まずその人を認めることから、その人も自分も幸せになっていくのだと思います。
ますますご活躍頂きたいですね。
マイクロソフトが自閉症の人を雇用する理由
(チャーリー)