- 馬による療法サービスは、どのような心理的な問題を抱える人たちに効果的なのか?
- 馬が発達障害の子どもや家族をどのように助けているのか?
- 馬はなぜ、人が抱える問題や苦悩を理解しやすい存在なのか?
ラッキー・オーファンズ・ホースレスキューは2008年に設立されました。
保護された52頭の馬がいます。
ここにいる馬は年齢や大きさがさまざまですが、すべて虐待や飼育放置などを経験しています。
米ニューヨーク州のドーバー・ブレーンズにあるこの農場で、馬たちは自分が負ったような心理的な問題であるPTSD、家庭内暴力、薬物乱用をかかえる人たちを助けています。
「この農場で、馬たちと働くことで、今ここに自分がいなければならないことがわかります。
馬たちが、あなたとの関係を求めるのです。
そうすることで、ここで働く人たちにも自信がついてきます。」
そう、設立したディアナ・マンクソは言います。
朝鮮戦争を経験しその後、アルコール依存症、薬物乱用、家庭内暴力、PTSDに苦労した祖父から、ディアナは乗馬を教わり、馬との関係がどれほど人間にとってよいものかを学びました。
「馬が人間の心を安らかにしてくれる。
そう祖父が私に言ったことを憶えています。」
がんと診断をされた時に、祖父はディアナに馬を購入し贈りました。
ニトロと名付けたその馬は、ひどく虐待をされていました。
鼻の一番やわらかい部分のところには、タバコをつけられた火傷の痕が残っていました。
「馬のニトロは人を蹴ったり、噛んだり、馬ができる悪いことはすべてしました。」
しかし、決してディアナはあきらめませんでした。
そして30年たった今、ニトロはここで、子どもたちを背中に乗せています。
「私の祖父がくれたニトロは、単なる馬ではありませんでした。
祖父の鏡のような存在、祖父の分身のようでした。
ニトロは、祖父が経験してきた虐待、暴力を経験し、祖父が経験した辛いことの縮図のようでした。」
ディアナは、ここの農場に来るすべての人たちにこのニトロの話をします。
ラッキー・オーファンズは、多くの人が利用できますが、内面の問題をかかえる人たちに馬による療法サービスを主に行っています。
「父親に虐待された6歳の少女も来ています。
がんのために父親を失った4歳の女の子もいます。
両親とも麻薬中毒で収容されている10歳の女の子がいます。」
ここに来て、大きく変わった子どもの1人が、15歳のコナー・ジョンソンです。
コナーは6歳で発達障害と診断をされ、5年前から、ここラッキー・オーファンズに通うようになりました。
週に一回のレッスンを受けます。
「コナーがここに来たときは、話すことはほとんどありませんでした。積極性もありませんでした。
何かするようにお願いをしても、その気にならなければすぐに、どこかに行ってしまいました。」
現在、コナーは変わりました。
馬と一緒に働くようになってからは自信がついて、最近ではこの農場の募金活動で、50人を前に話ができるまでになりました。
「コナーは馬のコディーと、自分たちが同じであることを通じ合っていました。
そうして、つながったのです。
発達障害のコナーは、両親ともうまく関係をつくることができず、見知らぬ人を見ることもできませんでした。
しかし、馬はコナーの気持ちを感じることができました。そうして、コナーの可能性も無限に広がりました。」
(出典・画像:米TODAY)
馬はとても人のことをとてもわかってくれる。話したりする必要もなく。
たくさんの記事でそのようなことを見てきました。
自ら辛い経験をした馬でしたら、なおさら問題をかかえる人のことがわかるのでしょうね。
こちらの馬たちも発達障害の子と家族を助けます。
発達障害の子も家族も、そして馬もうれしい
(チャーリー)