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発達障害の子の父がはじめたバンド音楽療育

time 2017/07/12

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

発達障害の子の父がはじめたバンド音楽療育
  • ドラムのレッスンを受けることで、発達障害の子どもたちはどのように成長や表現力を発揮しているのか?
  • 音楽を通じて、発達障害をもつ子どもたちがどのような変化を遂げているのか?
  • ミュージシャンが発達障害の子どもたちへの教育方法を工夫している理由は何か?

キアヌ・ナポレオンは、先週ドラムのレッスンのために部屋が入ると落ち着いていることができなくなりました。
14歳の彼は、ジャスティン・タミンギアのスタジオで思うがままに叫びました。
「キアヌは狂ったように笑いだしました。
とても興奮していました。」
音楽のレッスンを行うミュージシャンのタミンギアはそう言います。
キアヌは、自閉症スペクトラムの生徒です。
この数年、タミンギアは発達障害の子どもがドラムを学べる方法を考えてきました。
発達障害の生徒の半分は、そうでない生徒よりも早く学び、感情表現もできるといいます。
「発達障害の子どもたちには大きな可能性があります。
その大きさは計り知れません。」
米サンフランシスコ州立大学で発達障害児の教育を行うスティーブン・ケイヒルはこう言います。
「はまっているのは、本当にエキサイティングなことです。」
発達障害は、一括りで説明は行うことはできませんが、記憶のスキルについては驚くことではなく、
これまでの研究から、楽器演奏の習得はむしろ得意かもしれません。
レッスンを受けにきた、話すことができないキアヌに、タミンギアはドラムのスティックの握り方、ペダルを踏む場所、ドラムの叩く場所など基本的なことから教え始めました。
「息子のキアヌは、ドラムのレッスンを受けとことはなかったので、どうなるか心配でした。
いやがるのか、喜ぶのかわかりませんでした。」
そう母親のダナは語りました。
長い間、キアヌは耳にヘッドマフをつけていたので、タミンギアは最初はスロービートで演奏をしました。
「キアヌは、演奏を聞くとすぐに落ち着きました。
自分の世界に入ってしまったようでした。」
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今、キアヌはハイハットとキックドラムを使う曲を演奏して、録音しました。
母親は、関心しながら見守りました。
キアヌは、タミンギアのベースにあわせて、スネア、ハイハット、キックドラムを演奏しました。
タミンギアは、音楽は話すことが出来ない人にも声を与えるといいます。そしてそれは感動させるものになります。
「それが、私がこのレッスンを行っている理由です。」
ここ数週間のレッスンで、キアヌと他の3人の子どもにも同じ光景を見ました。
4人の子どもたちは、みんな自閉症スペクトラムです。
「他の発達障害の子どもも助けることができるかもしれません。
それに、私も本当に夢中になっているのです。」
発達障害の子どもへの最初のレッスンは2014年の2月でした。
当時9歳だった、タミンギアの息子、ルシンにです。
タミンギアは、ルシンと6歳の娘ダリアと一緒に演奏ができるように行ってきたことが、発達障害の子ども向けのレッスンづくりに大きく役立ったといいます。
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2ヶ月の間、子どもたちは父親のタミンギアから楽しく学びました。
そうして家族は、演奏することを薦められて、バンドの名前を考えました。
「豚の鼻!!」
息子のルシンがそう叫び、それに決まりました。
ますます、演奏がうまくできるようになっていきました。
娘のダリアはドラムの練習だけでなく、ギターも弾き始めました。
今は、父親のタミンギアのビートやコードの指示にあわせて、自分なりに弾くことができます。
発達障害のルシンは、正確に演奏を覚えることができるので、それにあわせた別の指導方法が必要だったといいます。
高機能自閉症のルシンは、助けが必要な場面でもコミュニケーションに苦労をしました。
ルシンは、正しい質問のしかたを学べるようにしてほしいと父親のタミンギアにお願いをしています。
これは、発達障害の子どもみんなに必要なことといえます。
タミンギアは、息子のルシンのまわりとのやりとりが、劇的によくなってきているのをバンドを始めた頃から感じているといいます。
「音楽は、発達障害の僕を助けてくれます。友だちができるようにしてくれるからです。」
そう今は12歳のルシンが言います。
タミンギアは、ルシンに握手をすること、人の目を見ることなど、言葉ではないやりとりについて理解ができるように教えていました。
「どうしても、コミュニケーションをとりたかったら、音楽を使うのです。大きな音で。」
そうタミンギアは言います。
日々、タミンギアは自信がついてきています。
生徒たちとともに、タミンギアはギターを演奏します。
タミンギアは、ビートを示して演奏し、生徒たちのドラムの音にあわせて、ギターを演奏します。
「他の人たちと同じように、発達障害の子どもたちに教えます。
一緒に座って、話します。
生徒たちも、もう緊張はしていません。」
14歳の生徒のモリー・カニンガムは、スタジオに飾られている絵や、近くを通る車の音に気を取られることがあると、母親のジュリーが言います。
そのため、タミンギアはモリーにヘッドフォンをつけてもらい、コンピュータで作成したドラムビートとあわせて演奏の練習を行いました。
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「一度目では、まったくできません。
二度目で、できるようになってきます。
そうして、4度目でできるようになります。
そんな感じです。」
タミンギアは息子のルシンにも同じことを言っています。
キアヌが再び練習を始めると、完全にビートを記憶していましたが、体を正しい位置に保つことが難しかったと母親は語ります。
モリーの母も娘がおなじであることに気づきました。
「娘も、基本的なことをするのが難しかったのです。」
キアヌもモリーも、2,3週間のレッスンで、人を惹き付ける演奏ができるようになったとキアヌの母親は語ります。
米サンフランシスコ州立大学のケイヒルは、驚きではないと言います。
「素早く物事を覚えることができるのは、発達障害の子どもたちにはめずらしいことではありません。」
ルシンに限らず、他の発達障害の子どもたちにもそれを見るといいます。
「音楽を作り、演奏をしていると、みんな落ち着きます。
しかし、私が注目しているのは、自閉症スペクトラムにある子どもであれば、音楽に集中するのでなおさら落ち着けるという点です。」
そうタミンギアは語りました。
(出典・画像:米THE NEWS TRIBUNE
私は音楽は全くできないのですが、音楽ができたら、一緒にいろいろ楽しめるかもしれないと思いました。
とりあえす、一緒に音楽を聴いて、一緒に体を動かそうと思います。
 
DJになる夢を実現した発達障害の少年

(チャーリー)

 


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