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発達障害の子が目を合わせないのは無関心?不快?

time 2017/05/23

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

発達障害の子が目を合わせないのは無関心?不快?
  • 目を合わせない理由は、無関心と不快のどちらが主な要因なのか?
  • 目を合わせる必要性を理解していない場合、どうやって関心を持たせるのが効果的か?
  • 発達障害の人が社会的な関係への動機が低いとき、目を合わせることが不快と感じる原因は何か?

子どもが発達障害かもしれないと判断する手がかりの一つに、人と目を合わせないということがあります。
この特徴は生後6ヶ月で現れます。早期に発達障害を発見できるものだと考えている研究者もいます。
ある理論では、発達障害の人たちは、社会的な人間の相互のやりとりにおいて、目を合わせることが重要ではないと考えているからだとします。
つまり、無関心ということです。
別の理論では、目を合わせることが不快で嫌悪するものだからとしています。
多くの発達障害の療育では、子どもや大人に目をあわせるように促します。
これを適切なものとするためには、無関心なために目を合わせないのであれば関心を持たせるようにしなければなりませんし、不快であるために目を合わせないのであれば、不快なことを強制しているのを理解しなければなりません。
幼児を対象にした研究では、無関心であるからという仮説を支持するものでした。
発達障害の子は、そうでない子どもに比べて、映像の中の俳優の目をみている時間は少ないものでした。
しかし、発達障害の子たちは、積極的に俳優の目から視線をそらしたりすることはありません。
また、俳優の目を見るように促された場合には、抵抗なく見ることができていました。
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発達障害の10代から成人の場合は、複雑です。
目を見る必要性を理解してない人もいれば、目を見ることが不快だという人もいます。
6年間にわたった今回の研究で、これらは矛盾していないと考えています。
目を合わせることに幼い頃から関心がないと、発達障害の子が社会的なコミュニケーションの合図を見逃してしまって、社会に関わりたいという気持ちが低下する可能性があります。
社会に関わりたいという気持ちがないのに、目を合わせなければならないと感じるのは不快なことです。
こうして、発達障害の青年が、目を合わせることを積極的に避けることがあるのです。
2010年の研究も、今回の研究での理論を支持するものとなっています。
その研究では、発達障害の有無にかかわらず、成人の視線について測定を行いました。
研究の参加者たちは、幸せ、恐怖、ふつうの表情の顔を画面で見ました。
その表情が画面に表示されるまでの間、画面の特定の場所に注意を向けさせるように十字を表示します。
発達障害の成人は、目を見ることが少ないだけでなく、十字を表示した位置に目を表示させても、目をみないようにしていることがわかりました。
発達障害の人たちの間でもばらつきがあります。
長い時間、目を見ることができた発達障害の人は、感情を認識する能力が優れていました。
そして、社会的なスキルも良いものでした。
公式な研究ではありませんが、診療所での観察でも、社会に関心をもって、社会的なやりとりができる発達障害の人は目を合わせることが多い傾向であることがわかっています。
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今回の新しい研究では視線を追跡できるアイトラッキング技術を利用して、発達障害の成人の社会的な活動の動機の低さと、目をあわせないことの関係を調べました。
37人の自閉症を含む発達障害の58人とそうでない66人、2歳から35歳までが研究に参加しました。
参加者は2つの映像を同時に見るようにお願いをされています。
ひとつの映像は、子どもたちが遊んでいるなどの社会的なもの、もう一つは、ものが動いているだけのような非社会的なものです。
発達障害の人は、そうでない人に比べて社会的なほうの映像を見る時間が少なかったことがわかりました。
この結果は、発達障害の人の社会的な関係への動機の低さが反映していると考えられます。
これは、成人になって目を合わせることが不快になることにつながります。
社会的な関係への関心の高さと、人と目を合わせる量を関係づけてさらに研究が行われる予定です。
目を合わせない理由は、発達障害の人の間でも異なる可能性があります。
自閉症の人は無関心であるためにそうするのかもしれませんが、自閉症ではない場合には不快なためにそうしているのかもしれません。
成人になっての目を合わせない理由、無関心と不快と、幼児期の無関心との関係を探るにはさらなる研究が必要です。
特に、成人になる前の青少年での研究が必要です。
青少年は就労するための準備期間であり、社会的な問題に直面していく時期だからです。
(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay
目を合わせる。
それを促そうとするのであれば、興味がないから見ないのか、不快だから見ないのか、どちらなのかで指導方法は大きく変わると思います。
無理をして、目を合わせなくてもよい。と多くの方々が思ってくれれば、無理に促すこともないのですけれど。
しかし、ときどきうちの子どもと目が合うとうれしい気持ちになるのも本当です。
本能的なものなのでしょう。私はそうです。
しかし、強制はしないでほしいと思います。
社会的に〜、一般的には〜、常識として〜、そんな理由であれば、ますますしなくてよいと思います。
 
人の目でないからこそ、できることもあります。
発達障害の人の社会性を育むロボット

(チャーリー)

 


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