- 子どもの発達障害における言葉の獲得や喪失とは何か?
- 発達障害を持つ子どもやその家族にとって、言葉の重要性はどのようなものか?
- 発達障害を持つ子どもの親として、日常生活でのコミュニケーションにおける課題はどのようなものか?
赤ちゃんや子どものかわいい動画はSNSでは目新しいものではありません。
しかし、このようなことはあまりないでしょう。
2年前に、生後7週間でハローと話す赤ちゃんの動画が話題になりました。
しかし、これは皮肉なものとなってしまいました。
この子ども、シリアンは2歳になった今、全く話すことはありません。
シリアンは発達障害です。
ハローと話して、話題になった後、話すことはありませんでした。
母親のトニー・マッケンは、こんにちはママと言ってくれることを待ち望んでいます。
話題になった動画は、シリアンが初めて話した言葉を捉えたものでした。
それがラジオでも紹介されたのです。ついには、両親はテレビ番組でインタビューを受けることにもなりました。
38歳の母親のトニーが話します。
「あれは、本当に貴重な瞬間でした。
シリアンは今は2歳です。発達障害があります。発話はありません。
もう一度、ハローと言ってくれるのを待ち望んでいます。
シリアンは今は何も話しません。声を聞きたいです。
もう一度、話すのが聞けたらどんなにうれしいでしょうか。
待ち望んでいます。」
トニーには3人の娘もいます。
「娘たちは毎日、シリアンが話せるようになることを祈っています。
話せるようになことを、私も信じています。
まだ短いですが、シリアンとのこれまでを振り返ると、私はすばらしいことを教わってきたと考えています。
愛には言葉は必要ありません。
シリアンと私は強い愛で結ばれています。
私がひとり部屋にいて、誰もいない時、シリアンが何か欲しい時には私の目を見つめます。
すると、テレパシーで通じているかのように何が欲しいのかわかるのです。
よくそんなことがあります。」
母親のトニーは、発達障害の診断を受けた時に、友人や家族に向けてそれを説明するためにFacebookに投稿しました。
「生後15ヶ月あたりから、息子のシリアンが自閉症スペクトラムであることがわかっていました。
息子が成長すればそうではなくなること、成長するにつれてふつうになることを、正直、願わないわけではありません。」
「しかし、成長するにつれて、違いは明らかになってきました。
生後7週間でハローと言った特別な子でした。
世界中の人に愛されていました。」
母親のトニーは発達障害について勉強をし、シリアンは複数回、診断を受けました。
専門の幼児心理学の先生からも、発達障害であると診断をされました。
「その数ヶ月は頭がいっぱいで、ジェットコースターに乗っているような感じでした。
シリアンに、サッカーをしたり、しゃべったり、おもちゃで遊ぶような他の子どもと同じようになってほしいという気持ちから、食べ物やテレビ、そして私のことが大好きな、今のままのシリアンを受け入れられるようになれるまで、変わるのに必要な期間でした。
しかるべき時にあるしかるべき助けを待つこと、自ら急いで動くこと、
祈ること、泣くこと、
信じること、絶望すること、
これらの間で揺れ動きました。
今は、私は受け入れています。
息子のシリアンは自閉症スペクトラムであり、それを受け入れています。
私は、これからシリアンの世界に入る方法が見つかるのを楽しみにしています。
そして、その世界で生きていくのを助ける方法を見つけたいと思います。
他の人にはわからないその世界。」
それから、トニーは息子のシリアンを助ける方法を探しています。
そして驚くべき変化に気づくことがあったと言います。
母親のトニーは、発達障害の子が多く入ってくるようになった演劇クラブを運営していました。
そこで、息子のシリアンに他の特別支援が必要な子どもたちへの友情と理解について教えてきました。
シリアンは3人の姉たちも変えたと、トニーは言います。
14歳のソフィア、13歳のエリー、10歳のエヴァの姉たちです。
母親のトニーが姉たちに、シリアンから教わったことを言うように頼むと、次のようなことを言いました。
「違っているからといって、人を面白がってはいけない。」
「どんなに違っていても、愛すことができる。」
(出典・画像:英Mirror)
うちの子どもも、2歳くらいの頃は、「おはよ。」「ハッスルハッスル」と声を出していましたが、その後なくなりました。
その後、言葉を話すことはありません。ただ、パパと聞こえるような時もあります。うれしいものです。
会話ができるからといって、その人の全てがわかったり、世界に入ったりすることができるわけではありませんが、
やはり言葉がないと、親子でも何を考えているのかわからないことがよくあります。
悲しいですけれど、現実です。
私も子どものことをもっとよくわかりたい、困っていたら助けたい、世界を知りたいとずっと思っています。
テレパシーが使えるのなら、使ってみたいです。本当に。成功した試しがありません。
少しずつでも進歩するとうれしいものです。
発達障害の子の家族には、当たり前ではない
(チャーリー)