- 静かな部屋が空港に設けられるメリットは何か?
- 発達障害の子どもや成人が空港で感じる主なストレス要因は何か?
- 航空会社や空港が取り組んでいる発達障害のある人への配慮について、具体的な取り組みは何か?
自閉症スペクトラムの子供のための静かな部屋が空港にできました。
アイルランドのシャノン空港は、自閉症など発達障害の子どもや成人のために「感覚に優しい部屋」を開設しました。部屋は空港の出発ラウンジとは別のところにあります。
波状の壁や色の変化するライトなどの機能を備えた、心地よい場所になっています。
アトランティック航空では米マートルビーチ、米サウスカロライナ、米アトランタの空港に静かな部屋を設けています。
デルタ航空では、発達障害の啓蒙団体と協力し2016年4月にハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港、感覚の部屋を開設しています。この部屋には、ボールのプール、泡の出る噴水、触ると楽しいパネルなど、落ち着ける設備があります。
マートルビーチ空港の静かな部屋も2016年4月にオープンしています。
地元の発達障害の子をもつ母親のベッキー・ラージが空港管理者に「家族のための何らかの支援」を提供することをお願いして実現しました。
「私たちは静かな部屋を設置して頂いただけでなく、荷物の問題についても解決して頂きました。」
そうラージが言います。
ラージにはアスペルガー症候群の子どもがいて、チャンピオン・オーティズム・ネットワークという組織を運営しています。
親や介護者も子どもと一緒にその静かな部屋で過ごします。
すると、荷物やカートを引き取りにもきてくれます。
ガラスのドアもあるので、子どもが誘拐されたり、逃げてしまう心配もありません。
そこで、子どもは心を落ち着かせることができます。
英ロンドンヒースロー空港は2013年に静かな部屋をオープンしています。主に子ども向けですが、必ずしも発達障害の子どもたちに適したものにはなっていません。利用したい人は誰でも利用することができます。
一部の空港や航空会社は、ストレスの多い空港の経験に慣れることができる機会を提供しています。
たとえば、米ペンシルバニア州のハリスバーグ国際空港では、発達障害や知覚障害の子どもが飛行機に乗って、発車して着席するような体験を体験できる「Wings for All」プログラムを行っています。
実際に飛行機に乗って旅行をする際の準備ができるものです。
同様のプログラムは2017年の初めに今年初めに米マートルビーチ空港も行われました。
アイルランドのシャノン空港では、昨年に発達障害や特別支援が必要な人向けに、特別な帽子や手袋を提供し、スタッフはそれを見て適切な対応を行うサービス開始しました。
米シカゴ空港の警官マイケル・シフェールは、発達障害でない人でもセキュリティを守ることは難しいことだと言います。
マイケルには発達障害の娘がいます。
ビービー音がなる装置や靴を脱ぐことを求められたり、そしてたくさんの人混みで、簡単にパニックになってしまいます。
娘に必要な特別支援が必要なことを伝えると、米国運輸保安局の職員は助けてくれると言います。
マートルビーチ空港の近くのサーフサイドビーチでは発達障害の人にやさしい場所宣言をしていると、ラージは言います。発達障害の子どもたちとの接し方のトレーニングをレストランやホテル、娯楽施設がうけています。
例えば、発達障害の子どもたちは、光、音、におい、人混みでパニックになってしまうことがあるので、そこのレストランでは調理場からはなれた静かなエリアの席に案内をしてくれます。
発達障害の子の母で、支援組織を運営しているラージの大きな目標は、見た目が変わっていたり、変わった行動をとるような、特別な支援を必要とする全てのレベルの子どもたちへの理解を広めることだと語ります。
「子どもと一緒に家を出ると、人にじろじろ見られます。
非難の目を向けられることもあります。
そのために、多くの家族は外に出ないようになります。
私たちの活動の目標は、そういった家族を家の外に連れ出し、一緒に外で遊ぶことです。」
(出典・画像:米Chicago Tribune)
どんどん外へ、世界へ行きやすくなっていくのは、本当にありがたいことです。
子どもと一緒にどんどん出かけましょう。
発達障害児と家族が飛行機旅の練習ができる機会
(チャーリー)