- 1. ローズ・フォー・オーティズムのバラはどんな目的で栽培されているのか?
- 2. ローズ・フォー・オーティズムはどのような支援を提供しているのか?
- 3. ローズ・フォー・オーティズムに働く人たちは、それを通じてどのような成長やチャンスを得ているのか?
シェイクスピアのジュリエットは、バラは他の名前であったとしても甘い香りがすると言いました。
ローズ・フォー・オーティズムのバラの香りは、まさにそのとおりです。
際立った、すばらしい香りがします。
「米コネチカット州で栽培したバラです。スーパーでは売っていません。」
ローズ・フォー・オーティズムの総責任者のミッチェル・ウィメットがそう言います。
それぞれのバラに、それぞれの特色があります。
大きさ、色、におい。
これまでの栽培によって、一つの優れた特徴が伸ばされてきました。
このように栽培されてきたバラはそうでないものに比べると、色は鮮やかで、香りも強くなっています。
ローズ・フォー・オーティズムのバラは、よい香りがでることを目的に栽培されています。
しかし、それが唯一の目的ではありません。
そして、重要なことでもありません。
ローズ・フォー・オーティズムは、米国内国歳入局が認める社会的組織として、3つの目的を持っています。
花を販売をしなければならないわけではありません。
第一に、ローズ・フォー・オーティズムは他のところでも働けるようなスキルの訓練をして、発達障害の人たちが働いて、生活できるように助けます。
第二に、学校を卒業してからの「移行期」と呼ばれる時期にある人たちを助けることです。
発達障害の人にとっては、難しい時期です。
学校での支援がなくなり、仕事を見つけなければなりません。
発達障害の人にとって、人とコミュニケーションしたり、関係を作ろうとして、難しい現実に直面します。
それらは、働こうとするときには必須のスキルです。
ローズ・フォー・オーティズムで働く人の1/3はこのような人たちです。
2009年に設立してから、70人近くが働いています。
米国の支援団体オーティズム・スピークスによれば、自閉症の人の90%は仕事に就くことができていません。
「私たちは、とても具体的で手厚い2年間に渡るサポートを行ってきました。
彼らは自立に近づいただけでなく、幸せを感じ、目的を持つこともできました。
社会に参加していることも感じています。」
そうウィメットが言います。
発達障害の24歳のジョシュア・グリーンベイルは、数年間ローズ・フォー・オーティズムで働いていて、ウォルマートでパートタイムの仕事もしています。
ローズ・フォー・オーティズムは働ける素晴らしい機会で、以前よりも、まわりとのコミュニケーションができるようになったとジョシュアは言います。
ここで働く、20歳のジャスティン・アモスは写真撮影の仕事をしたいと語っています。
そして、ローズ・フォー・オーティズムの取り組みの第三の目的はコネチカット州の伝統を守ることです。
コネチカット州における商業向けのバラの栽培です。
この農園は1929年に作られましたが、2008年に海外も含めた市場競争に負け、閉鎖が避けられなくなりました。
ローズ・フォー・オーティズムは非営利の事業としてこの農園を続けられるようにしました。
最近では、この農園を経営していたトム・ピンチベックが相談役として活躍し、何世代にも渡って学んできた経験と専門知識を提供しています。
「私はこの農園で育ったので、ここが続いたこと、そして時代にあわせて対応していくことは、素晴らしいです。
そして、この農園が職業訓練に利用されていることも、とてもうれしいことです。」
そう、ピンチベックは言います。
ローズ・フォー・オーティズムでは、サイトでバラの香りの香水を発売しました。
母の日の贈り物として、お薦めしています。
ローズ・フォー・オーティズムのWebページ
(出典・画像:米CONNECTICUT MAGAZINE)
継続が難しくなった事業を、非営利の事業として、必要とする方々の就業支援、就業機会とすることは米国に限らず、参考になりそうです。
「香水」、その商品もよいですよね。
こちらも商品がよいです。
家族で発達障害の息子が働ける会社を作った
(チャーリー)