- 1. 発達障害の人たちが経済的自立を果たすための新しい働き方とは何か?
- 2. 発達障害をもつ人たちが、自分の力を活かし、自信を持って社会で活躍するためにはどのような支援が必要か?
- 3. 他者とのコミュニケーションが苦手な発達障害の人たちが、職場で自信を持ち、前向きに働けるようになるにはどうすればいいか?
自分のお店を持とうとも有名になろうとも思わないシェフがいます。
しかし、自分の名がつけられることなり、喜びました。
23歳のデイビッド・マクナブのニックネームが、アメリカンスタイルの食堂につけられました。
デイビー・デューク・レストランのオープンは、英国ゲーツヘッドの旧リバーズ・エッジ・ホテル改装プロジェクトのひとつです。
このレトロな50年代風のレストランは、自家製ハンバーガー、ホットドック、パンケーキ、牧場の卵、フィラデルフィアのステーキサンドイッチ、マック・アンド・チーズ、ミルクシェイク、サンデーなどを専門に扱います。
11月にオープンし、近所の人たちに人気を集めています。
デイビー・デュークレストランは、イギリスで初めての発達障害の人たちで運営されるレストランです。
このレストランは、学習障害や自閉症の18歳から25歳の人たちが、サービス業で働くための訓練プロジェクトの一部です。
ついには、28の宿泊部屋にも対応することになり今ではザ・ボールという名のイギリスで初めての発達障害の人が運営するホテルとなりました。
他のホテルと同じように変わりなく宿泊することができます。
発達障害の方が、ここに来て宿泊し、レストラン、バー、料理、金融、衛生、お客様へのサービスの技術を学ぶプログラムもあります。
50週間のこのプログラムの後には、ここで雇用されることが予定されています。
食堂、キッチン、結婚式などを行える宴会場で、このプログラムを受けている22人が働いています。
2月末には、このプログラムを卒業し、ここで働いていく予定です。
このホテルは訓練する機会だけでなく、働ける機会も提供する場となります。
デイビットはADHDです。
これまで仕事に就くことができず、現在の状態を想像することはできませんでした。
「私は5月から、ここに来ました。
すべてが変わりました。
ここに来る前は、何もすることがなく、酒飲み場ばかりに行っていました。
しかし、ここに来て酒をやめ、仕事ができることを望み、訓練に取り組みました。
将来につながる新しいスキルを学ぶことができました。
私の人生は良いものに変わりました。
ADHDと診断されると、まわりの目はあたたかいものではありませんでした。
ここで、このような人たちと働くのは新しい経験です。
私にも自信がついて、これまでよりも変化に対応できるようになりました。
この場所は、私が自分の力で生きていける機会をくれました。」
デイビッドは、発達障害の若者のインターンシップを支援するプロジェクトを通じて、この宿泊施設ザ・ボールに来ることになりました。
このプロジェクトはゲートシェド・カレッジとセイント・カミラス・ケアグループが提携して行っているものです。
ジョン・ヘイロンが言います。
「今年は同じようなモデルで、5つを開店する計画です。
その地域のより多くの人たちと仕事をすることができます。
ホテルの宿泊室が整えば、どこの人たちも来ることができます。
このモデルをイギリス全国で展開したいと考えています。
私たちが行っていることは、発達障害の方たちに生きる目的と自信をもってもらうことです。
それは大事なことです。」
ジョン・ヘイロンは、セイント・カミラス・ケアグループの運営監督者です。
学習障害がありますが、20年以上に渡って、サービス業の分野で成功してきました。
ジョンは、発達障害の人たちがどんなに雇用されるのに苦労をしているのかを知っています。
雇用に躊躇されることも少なくなく、また就職面接もうまくできません。
「しかし、自閉症の人たちは、細かなところまで注意します。それはもうすごいものです。
しかし、他者とのやりとりが苦手です。
ここに来た最初は、うつむいて下ばかりを見ていましたが、いまは前を向いて、自信を持ってきたのを見ることができます。」
発達障害の人が働き、発達障害の人が迎えるザ・ボールは、イギリスのゲーツヘッドにあります。
(出典・画像:英Chronicle Live)
いろいろな人たちと触れて、価値を提供できたら、それはとてもうれしく、将来役に立つことになると思います。
安全、安心に配慮を頂いていれば、なおさらです。
どんどんこういう、今までの福祉のかたちを超えたものが生まれてくるといいです。
(チャーリー)