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自閉症の子に喜びを届けた音楽が流れるボールを大学生が開発

time 2024/12/15

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

自閉症の子に喜びを届けた音楽が流れるボールを大学生が開発
  • ボールを手放さずに遊ぶことは、自閉症の子にどのような影響を与えるのか?
  • 特別なニーズを持つ子どもにとって、どのような遊び道具が最適なのか?
  • 技術を使って障害を持つ子どもをサポートする方法はどのように進化しているのか?

オードリーは小学6年生で自閉症を抱えています。
彼女にとって、ボールはただの遊び道具ではなく、安心感を与えてくれる特別な存在です。

しかし、そのために遊ぶのが少し難しくなります。
というのも、ボールを手放さなければ本来の遊び方ができないからです。「彼女はボールを握っていたいんです」と語るのは、特別支援教育プログラム「LABBB Educational Collaborative」の理学療法士、ラリー・サンチェスです。

「ボールを押したり転がしたりするのは、彼女にとって自然な行動ではないんです」

そこで、米ノースイースタン大学の「Enabling Engineering」クラスの学生たちが立ち上がりました。このクラスでは、障がいを持つ人々をサポートする技術を学びます。
学生のホセ・ガルサ、アルーシ・グプタ、アルデン・リバース、ロミナ・ディアンダラスが協力し、オードリーが楽しく遊べる「音楽が鳴るボール」を開発しました。

「このプロジェクトを通じて、特定のニーズを持つクライアントと限られた時間内で取り組む方法を学びました。
エンジニアとして、こうしたニーズに応えるものを作り、オードリーのような人々にとって世界を少しでも住みやすくできるのは、とても意義のあることです」

そう、リバースは言います。
オードリーが通うLABBBプログラムは、可能な限り包摂的な環境で特別支援教育を提供しています。彼女はサンチェスやセラピストのジョー・エレン・パーシバル、シェリル・ロジャースと共に、ボールを使ってパスやシェア、転がすといった運動スキルを学ぶ練習をしています。

しかし、普通のボールでは十分ではありませんでした。
オードリーには、インタラクティブで楽しく、反応があって、さらに頑丈なものが必要だったのです。

学生たちが開発したボールは、鮮やかな紫色をしており、見た目は普通のおもちゃに見えます。
しかし、その内部には、オードリー専用に設計された特別な電子機器が詰め込まれています。

このボールは、持たれていることを感知すると光り、手放すと彼女の好きなディズニーの音楽を流します。

「彼女が親しみのある曲を聞くことは、とても良い刺激になります。
懐かしいディズニーの曲には特別な力があります」

そう、グプタは話します。
このプロジェクトでは、市販のハムスター用ボールの外殻を利用し、その中に3Dプリントで作った特製の電子機器コアを組み込みました。
このコアには、回路、スピーカー、バッテリー、プログラム可能なライトが収められており、簡単に取り外して電源のオンオフやバッテリー交換ができる仕組みです。

学生たちはプロジェクトの中で多くの課題に直面しました。
軽量で空洞がありながらも、電子機器を保護し、11歳の子どもが遊ぶ強度に耐えられるボールを探し出し、改良を重ねました。
ガルサは、回路基板、スピーカー、ライト、バッテリーなどを小さなコアに収めて機能させる方法を模索しました。
一方、ディアンダラスはスピーカーとオーディオコントローラーを組み込み、オードリー専用のディズニーの曲を再生できるようにし、耐久性テストも担当しました。
リバースは、ボールが転がったり空中を飛んだりしても内部の部品が確実に固定されているようにしました。
そしてグプタは、ボールの布製カバーを作るために縫い物を独学で習得しました。

「料理はできませんが、縫い物を覚えたことで母に感心されました」とグプタは笑顔で語ります。

そして、最も重要なのは、オードリーに喜んでもらうことでした。
その期待を裏切ることなく、学生たちは見事に成功しました。

完成したボールが届けられた日、オードリーの目はボールの光と同じくらい輝きました。
斜面からボールを転がし、「ハクナ・マタタ」や「君はともだち」といったディズニーの曲が流れると、彼女は笑顔になり、声を上げて喜びました。

「君たちは素晴らしい仕事をしたね」と理学療法士のサンチェスは学生たちを称賛しました。

ディアンダラスはこう言います。

「完全に新しいものを作り上げることは多くの課題を伴いましたが、最終的にオードリーがボールを使って楽しむ姿を見られて、本当に報われた気持ちです」

(出典・画像:米ノースイースタン大学

「笑顔が見れる」

最高に幸せなことです。

これこそが、技術開発の素晴らしさだと思います。

自閉症の少年が開発を続ける、すべての人の友だちになるロボット

(チャーリー)


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