- 自分の特性を理解してもらえない場合、どのように対処すれば良いのか?
- 自閉スペクトラム症の子どもたちが安心して表現できる場所はどこにあるのか?
- マスキングをせずに自分らしくいるためには、どんなサポートが必要なのか?
13歳のレタ・ランデルは、プロのタップダンサーを目指して練習を続ける中で、母親と一緒に「オーティスティック・ウィングス・ダンスカンパニー」を共同設立しました。
「どうしてダンスが好きなの?」
ランデルはこう答えました。
「だって、めちゃくちゃ速く動けるし、大きな音を出せるし、他の人のことなんか全部忘れられるから!」
ランデルの母、アマンダ・トリスデールさんはこう説明します。
「『ステム』というのは、自閉スペクトラム症の人が自分を落ち着かせるために無意識に行う動きのことです。
レタの場合、それがとても複雑な三拍子のタップのステップなんです」
ランデルは、これまでのダンスレッスンで、自分の特性を理解してくれない先生たちと一緒にやる中で感じたフラストレーションについて話します。
「先生たちは『レタ!腕を自分のところにしまいなさい!』とか言うんです。
でも私は誰も叩いてないし、これは私の空間でのことなんです。
それに、『赤ちゃんみたいに話すのはやめなさい!』とかも言われます。
私は24時間365日、6歳か7歳みたいな声で話したいだけなのに」
こういった経験がきっかけとなり、ランデルとトリスデールは非営利団体「オーティスティック・ウィングス・ダンスカンパニー」を立ち上げました。
「とくに、レタのようにプロを目指したい子どもたちにとって、自閉スペクトラム症の特徴で『変わり者』扱いされたり、仲間外れにされたりしない場所を作りたいんです」
そう、トリスデールは話します。
2人の主な目標のひとつは、自閉スペクトラム症の人々が「マスキング」をしなくてもいい場所を提供することです。
「マスキング」とは、自閉症の人が自分の特性やステム(無意識の動き)を抑え込み、「普通っぽく」見せようとすることを指します。
これには大きな感情的負担が伴い、ストレスが寿命を縮めることもあります。
ダンスカンパニーを運営しながらも、ランデルにとってこの場所は心の拠り所でもあります。
「ダンスをしているだけで、自分の気持ちをちゃんと伝えたり、普通に話したりする練習になるんです。
そしてみんなにちゃんと理解してもらえる。
早口になりすぎずにね!」
「オーティスティック・ウィングス・ダンスカンパニー」は、クラスは一度に5人以下に限定して行っています。
現在は、施設を借りて活動していますが、ランデルとトリスデールは、いつか自分たちのスタジオを持つための資金を集めたいと考えています。
(出典・画像:米KRDO)
マスキングをしないで、自分を発揮できる場所。
こうした場所が世界中に増えてほしいですね。
(チャーリー)