- てんかんと自閉症を持つことは、どのように日常生活に影響を与えるのか?
- 社会的な理解が乏しい中で、どのように自己表現や人間関係を築くことができるのか?
- 障害を理由に直面する誤解や偏見をどのように克服すれば良いのか?
てんかんは他の症状を伴うことがあり、そのひとつが自閉症です。
イギリスには約63万人のてんかん患者と約70万人の自閉症の人がいます。
研究によれば、この2つの状態には共通する原因がある可能性があるとされています。
英国国立医療技術評価機構(NICE)は、自閉症の人がてんかんを持つ割合が20~30%と高いことを指摘しています。
26歳のクラウディア・ハートは、てんかんと自閉症の両方と共に生きています。
クラウディアはわずか2歳のときにてんかんと診断されました。
両親は彼女が寝ている間に「けいれんするような動き」や「音」を立てていることに気づきました。
病院で夜間のビデオモニタリングを受けましたが、異常は発見されませんでした。
しかし、家に戻ると再びけいれんを起こし、救急科に連れて行かれました。
「診察を受けたとき、救急科の医師からてんかんだと言われました。
『複雑部分発作(現在では焦点性意識障害発作と呼ばれる)』
と診断されました。」
クラウディアのてんかんとの闘いは厳しいものでした。
処方された薬の副作用で特に精神面に大きな影響を受けました。
また、友人や知らない人からの無理解にも苦しみました。
「公共の場で発作を起こすたびに、友達だと思っていた人や一般の人たちから嘲笑されたことがあります。
とくに、自分の発作中の動きや音が面白いと思われたり、酔っていると勘違いされたりしました」
また、アルコールを飲めないため、社交の場では「もっと気楽にしたら?」と言われることもあったそうです。
さらに、発作を目撃した人々が恐怖心を抱く場面にも直面しました。
「私たちが発作を起こすのを見て怖がる人もいます。
それは、発作が怖いというよりも、発作を持つ私たち自身を怖がっているように感じられることがあり、悲しいです」
学生時代には自閉症の診断も受けました。
「学生時代から、人にどう思われているかを常に気にしていました。
とくに、静かにしていることで批判されることが多く、それが私にとってストレスになりました。
自分らしくいられず、大人になっても友達を作ったり維持したりするのが難しかったです。
ただ、時間が経つにつれて少しずつ楽になりました」
「友達関係が続かない理由の一つは、多くの人が自閉症の人の特性を理解していないからです。
大学では友達ができましたが、みんな遠くに住んでいるため自然と疎遠になりました」
てんかんと自閉症の両方を持つことが、彼女にとって社会的な状況をさらに難しくしているといいます。
「歳を重ねるにつれて友達を選ぶようになりましたが、過去にはてんかんや自閉症を理由に利用されたこともあります。
たとえば、自閉症だから気づかないだろうと考えられたり、発作中に撮影されていることがありました。
どちらも決して許されることではありません」
クラウディアは、てんかんと自閉症に関する経験を共有し、理解を広げる活動を始めています。
「てんかんや自閉症と共に生きることは、たった一つの症状だけでも大変です。
私たちは、他の人が当たり前だと思っていることを簡単には享受できません。
たとえば、てんかんを持つ人は運転が制限される場合がありますし、日常の薬と他の薬の相互作用を常に考えなければなりません。
アルコールや点滅する光にも注意が必要です。
一方、自閉症の人は社会的なやり取りを当たり前とは考えません。
私たちは、一日中、私たち向けに設計されていない社会的な世界をどう乗り切るかを考えています」
「私自身、日々の生活で疲れやすいことや薬の副作用、特に不安や抑うつが自閉症による不安を悪化させてしまうことに苦しんでいます。
否定的なコメントを受けるたびに、自分の殻に閉じこもり、人と話したくなくなります。
障害を理由に仲間外れにされたり、誤解されたりすることも少なくありません」
「こうした経験を通じて、困難を抱えている他の人たちを助けたいという気持ちが強くなりました。
とくに、自閉症に対する誤解の一つである『共感能力がない』という神話を払拭したいです。
むしろ、私たちは感情を非常に強く感じることが多く、共感力が豊かです」
「今も障害を理由に雇用の壁に直面することがあります。
それでも、親や心理学者の支えがあったからこそ、ここまで来ることができました。
てんかんや障害を持つ人々がお互いに支え合えば、受け入れられ、安心していられるコミュニティを築くことができると信じています」
(出典:英EPILEPSY ACTION)(画像:たーとるうぃず)
「自閉症に対する誤解の一つである『共感能力がない』という神話を払拭したい」
誤解により生ずる困難は減らすことができるはずです。正しく理解してください。
自閉症の人の中には「過剰に共感」ハイパーエンパシーの人もいる
(チャーリー)