- 自分や家族が特別な趣味を持つことで、どのように心の安らぎを見つけられるのか?
- 大切な思い出の品を他の人に渡すことは、どのような意味や価値を持つのか?
- 発達障害を持つ子供に対して、どのようにサポートし、共感を示すことができるのか?
シャリル・ジョンソンとアーニー・ジョンソンは、1991年に下したある決断のおかげで、自分たちの人生が恵まれていると感じています。
その決断とは、ルーマニアの孤児院からマイケルという少年を養子に迎え、アトランタの自宅に連れてきたことでした。
しかし、アメリカに来て間もなく、マイケルは「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」という治療法のない病気と診断されました。
そのマイケルには特別な趣味がありました。
それは「車の鍵」と「キーフォブ」(リモコンキー)を集めること。
彼はその鍵を膝の上に乗せ、日によって違う鍵を選ぶのを楽しんでいたそうです。
「マイケルが病気で体が弱くなり、人工呼吸器をつけるようになってからも、彼は『イエス様が運転する車』の話をしていました。
そして、その車は赤いシルバラードだと言っていました」
そう、シャリルは語ります。
2021年10月、マイケルは33歳で亡くなりました。
彼が大好きだった赤いシルバラードに乗って旅立ったようだと家族は感じており、残されたのはたくさんの写真と鍵のコレクション。
それらは両親にとってかけがえのない思い出でした。
シャリルはこう言います。
「それはマイケルそのものではないけれど、彼が大事にしていたもの。
だからこそ手放せない」
アーニーも「その記憶が必要だから」と、この独特なコレクションを永遠に保管するつもりでいました。
しかし、マイケルの死から3年が経ったある日、シャリルがFacebookで見つけた投稿がその考えを変えるきっかけになりました。
それは近所の母親が「車の鍵とスマートキー」を探しているというものでした。
彼女の6歳の息子クーパーがそれを集めるのが大好きだというのです。
クーパーは「ウィリアムズ症候群」という発達障害があり、現在20個を超えるスマートキーを持っているとのことでした。
「それは特別なものだから、ただお店で買えるものじゃないんです」
そう、クーパーの母親は話します。
誕生日に1、2個もらえたら嬉しいという希望だったのですが、彼らが受け取ったものは予想を大きく超えるものでした。
シャリルはこう確信したと言います。
「これはマイケルがクーパーに持っていてほしいと思っているんだ」
子どもを失った悲しみの乗り越え方に正解はありません。
しかしジョンソン夫妻にとって、「誰かのために贈ること」が癒しの鍵となりました。
(出典・画像:米CBS)
亡くなった彼もきっと喜んでいると思います。
涙が出ました。
(チャーリー)