- 自閉症や発達障害を持つ人が、心の安らぎや創造性をどのように見出すことができるのか?
- 日常生活での困難に対処するための有効なサポートや戦略は何か?
- アートや創造的な活動が自己肯定感や達成感にどのように寄与するのか?
カナダ・モントリオールのアーティスト、ケイシー・ヴォーマーが、自身の最高傑作ともいえる作品を誇らしげに披露しています。
それは、3メートルにもおよぶ、色鮮やかなオールド・モントリオールのスカイラインの大きな絵で、完成までに900時間もかけたものです。
この驚くべき作品は、非常に精密で、まるで写真のように見えるほどです。
自閉症と共に生きるヴォーマーにとって、この作品は大きな達成でした。
「本当に嬉しかったです。こういう作品を作る時は、喜びや幸せから、全くの挫折感に至るまで、あらゆる感情を体験するんです」
そう、47歳のヴォーマーは語ります。
「でも、完成した時は嬉しかったですし、これは達成感を感じますね」
ヴォーマーはソーシャルメディアでも活躍しており、TikTokには数十万人のフォロワーがいます。
彼がオールド・モントリオールの絵を制作している様子を記録し、その進捗を多くの人が追いかけていました。
イギリス在住のアートコレクターが、この絵が完成する前に購入することを決め、60,000ドル(約900万円)以上で売れたそうです。
「絵にはあまり愛着を持たないようにしています。売ると分かっているからです。
なるべく愛着を持たないようにしているんですが、こういう作品に取り組むと、どうしても愛着が湧いてしまいます」
ヴォーマーが絵を描き始めたのは、幼少期のことでした。
彼は現実逃避の一環として、キャラクターや動物の絵を描き、それらに癒されていたそうです。
「友達だと思い込んで描いていたので、孤独が和らぎました」
そう47歳のオランダ出身のヴォーマーは話します。
「コミュニケーションが苦手で、人と一緒にいるのが怖かったんです。
でも、絵を描いていると、誰も僕に話しかけなくなるので、とても安心しました」
彼が自閉症と診断されたのは21歳のときでした。
その時は安心したと話します。思春期はとても大変だったからです。
「そういう状態で育つと、自己評価に大きな影響を与えます。
なぜ自分が何もかも苦労しているのか、ずっと悩んでいました」
ヴォーマーは2013年にモントリオールに移り住み、現在は主に色鉛筆や黒白の鉛筆を使って作品を制作しています。
過去5年間、彼は自身の絵だけで生計を立てることに成功しています。
これまでの道のりを振り返り、彼は自分の達成に誇りを感じています。
「『お前には何もできない、テレビでも見てろ』と昔は言われていたので、自分を挑戦させ続けたいという気持ちがいつもあります」
しかし、ヴォーマーは日常生活が決して簡単ではないとも認めています。
彼はしばしば圧倒されることがあり、買い物や優先順位の決定、顧客とのコミュニケーションなど、日常のタスクがとても大変だと感じています。
「毎日のように、買い物やタスクの優先順位を決めること、顧客とのやり取りなど、色々なことで苦労しています。
絵は順調ですが、全部をこなすのは本当に大変です」
彼は、自閉症の大人向けの支援が不足していると感じており、友人たちのサポートに頼っています。
「彼にはスーパーパワーがありますが、その裏には困難もあります」
そう、友人でサポーターのエドワード・ヤンキーは話します。
「自閉症の世界では、子どもに焦点が当たりがちなので、大人の自閉症者はシステムの中で不当に扱われがちです」
ヴォーマーは今、たくの仕事を抱えています。
彼はもう人を描くことはなく、動物の絵を描くことを楽しんでいるそうです。
彼は自身の課題がある中でも、アーティストとしての活動や今の生活に満足していると語っています。
「自分をありのまま受け入れてくれる環境に身を置くことが、本当に大切だと思います」
(出典・画像:カナダGlobal NEWS)
アーティストしてすでに生計を立てられているとのこと。
本当にすごいことです。
ますますのご活躍を願っています。
自閉症の女性アーティスト「多様な人間の交流が利益をもたらす」
(チャーリー)