- 自立に向けた生活スキルをどのように身につければ良いのか?
- 自閉症の人々に対する社会の理解を深めるためには何が必要か?
- 支援サービスの不足にどう対処すれば良いのか?
自閉症スペクトラムにあるフランセス・デ・チッコは、高校を卒業した後に苦労しました。
22歳の彼女は運転も仕事もせず、大学でも成功できませんでしたが、州の支援サービスを受けるには「能力がありすぎる」と判断されています。
母親リアは、娘の将来を心配し、生活スキルを身につけてもっと自立できるようになってほしいと願っています。
「私は永遠に娘と過ごせるわけではありません」
米ニュージャージー州では、デ・チッコのような状況は珍しくありません。
このサービスの不足に対応するために、米ラトガース大学健康専門学校の作業療法助教授で自閉症専門家のアーロン・ダルマンが、ニューアークを拠点とする「ネクサス」というユニークなプログラムを作りました。
ネクサスは、メンタルヘルスケアのクラブハウスモデル(精神障害を持つ人々が尊厳を持って生き、自立するための総合的な支援システム)に基づいており、ニューアーク地域の若者たちが集まり、社交し、自立するために必要なスキルを身につけることを目的としています。
ほかのプログラムと異なり、ネクサスの活動は若者自身が指導し、ラトガース大学の学生がサポートします。
「ニュージャージーにはこのようなものはありませんでした」
そう、ダルマンは言います。
このプログラムは春に始まり、最大25人の若者を受け入れることができます。
学校の作業療法プログラムのスペースを利用しており、そこにはキッチンやリビングエリアがあり、実用的なスキルを教えるために使われています。
「既存の教室スペースを地域のニーズに活用しました」
障害のある若者たちは21歳になると州が支援する重要なサービスを受けられなくなることが少なくありません。
とくにデ・チッコのように、州の援助を受けるには障害の程度が軽いと見なされる人にとっては厳しい状況です。
ニューアーク地域では、自閉症の成人向けのリソースは乏しく、多くの家族が私的なサービスを利用する余裕がありません。
「もしプログラムが存在しても、時代遅れのことが多いです。
人々はテレビを見たり、手芸をしたりして、ほとんど交流がありません。
私たちには学びたい学生と支援を必要とする地域があります。
この問題を解決するために、彼らを一緒にしようと考えました」
ネクサスは、大学院生にも有益です。
彼らは自閉症スペクトラムの人々と働く貴重な経験を積むことができます。
「経験と接触を通じて偏見を減らし、自閉症の人たちの強みを示したいです」
ネクサスに到着すると、メンバーはラトガース大学の学生たちに歓迎されます。
活動は共同で決定されます。
デ・チッコが初めて訪れたとき、彼女はアイロンのかけ方を学びたいと思っていました。
「もちろんです、と私たちは言いました」
そう、ダルマンは言います。
他のメンバーは履歴書の作成や料理の練習をしました。
あるメンバーはビデオゲームショップでの面接練習をしました。
リーダーシップスキルも強調され、学生も含めて全員がグループリーダーを交代で務めます。
「うまくいっていれば、誰がメンバーで、誰が学生で、誰が教授なのか分からないでしょう」
ネクサスは他の機関からも注目されています。
たとえば、米ウィスコンシン州のロッキーマウンテン大学も同様のプログラムを導入する予定です。
ネクサスの開発に携わった作業療法プログラムの卒業生、メラニー・ライトは、メンバーが意思決定に自信を持つようになったと観察しています。
「障害のある人たちは自立できるのに、十分に評価されていません。
私たちは彼らがリードを取り、自分のアイデアを追求するよう奨励しています。
誰かの指示を待つ必要はありません」
デ・チッコにとって、ネクサスは命綱となっています。
彼女は履歴書を作成し、パスタの作り方を学び、友達もできました。
「ここが本当に好きです」
(出典・画像:米Patch)
障害のある方たちが主体的に活動し、障害について学びたい人が支援し、学ぶ。
大学ならではの素晴らしい取り組みですね。
米国だけでなく、世界に広がってほしいと思います。
(チャーリー)