- 1. 採用プロセスは神経多様な個人を適切に考慮しているか?
- 2. 就職活動で求人広告の表現が自閉症の人をどのように影響しているか?
- 3. 面接や採用プロセスにおいて、神経多様性を持つ人たちが感じる困難について、企業はどのような理解や配慮をしているか?
就職活動は、求人の検索から応募書類の提出、面接の受験まで、よく知られている通り簡単ではありません。
最も適格で経験豊かな人でさえ、新しい職を得るのは運に左右されることがあります。
とくに、自閉症の人にとっては、このプロセスはさらに困難になります。
その理由は、採用プロセスが神経多様性を持つ人を含むようには設計されていないからです。
英国の最新の公式統計によれば、自閉症の人の就労率は30パーセントに過ぎません。
ロバート・バックランドによる職場における自閉症に関する最近の報告書では、「面接」のアクセシビリティ不足が主な原因と指摘されています。
企業は採用の際の包括性について何を見落としているのでしょうか?
神経多様性コンサルタントであり、Perfectly Autisticの共同創設者ケリー・グレインジャーは、40代で自閉症とADHDと診断されました。
「採用プロセスはしばしば神経典型的な人だけを考慮して設計されており、神経多様な個人を意図せず排除したり差別したりすることがあります」
グレインジャーは、企業が自閉症の人にとって採用をより包括的にする方法について、次のようにアドバイスします。
1.面接における非言語コミュニケーションの評価について
神経多様な人は目を見ることに不快感を感じたり、一般的でない身体の動きを持つことがあります。
「社会では、良好な目の接触とボディランゲージが非常に重要視され、特に面接ではこれが直接的な成功と結びつけられます。
私が採用業務に携わっていたとき、私たちは、応募者が一言も発する前に、握手、目の接触、ボディランゲージについて『評価』していました」
2.情報処理速度への理解不足
グレインジャーは、情報処理に時間がかかる人もいると指摘します。
「そのため、反応を考えるのにも時間が必要です。面接官はこれを理解しておらず、なぜすぐに質問に答えないのか疑問に思うかもしれません」
3.非公式な面接の環境とその困難
面接の非公式な部分、例えば非公式なグループタスクやランチタイムの交流にも困難が伴うことがあります。
「企業は時に、候補者がグループ状況でどのように振る舞うかを見るためにシナリオを設定します。
これには、一日中のチームビルディング活動が含まれることもあります。
これらの活動を楽しみにしている人は少なく、自閉症の人にとっては特に困難です」
4.求人広告の言葉遣いの影響
求人広告の表現も自閉症の人が応募をためらう一因となっています。
「例えば、『優れたコミュニケーションスキルが必要』や『3年の経験が必要』といった表現が挙げられます。
自閉症の人はしばしば物事を文字通りに受け取るため、『私は2年半しか経験がないから応募しない』と考えることがあります」
5.自信の欠如とその背景
自信の欠如も仕事への応募を躊躇させる要因です。
「過去のネガティブな経験のため、仕事に応募する自信が持てない人もいます。自閉症であることを公表するべきかどうかの不確かさもあり、サポートが必要であっても、自分たちの違いのために見過ごされることを恐れています」
雇用主が自閉症の人にとって採用プロセスをより包括的にするには、申込書を明確かつシンプルにすることも必要です。
文字数を指定し、必要な情報を明示してください。
また、勤務条件と期待を具体的に記述することも重要です。
面接プロセスも明確に説明してください。
「面接中に会う人の詳細や写真、そこにいる時間、彼らがいる建物や部屋の写真を共有してください。
また、テストやタスクがある場合は、事前に候補者に知らせてください。
急にそれを提示しないようにしてください」
短期間の仕事体験を提供することは、面接の代わりとして良い方法です。
「自分の環境で快適に感じられるように、オンラインで面接を行う機会も与えてください。
ビデオを通じて応募を提出するオプションを提供することも、より包括的な採用につながります。
重要なのは、これらのオプションを神経多様な人だけでなく、すべての面接者に提供することです」
最後に、求人広告に合理的な調整について話し合う意欲があることを明確にする短い声明を含めることが重要です。
これは、神経多様な思考スタイルを持つ候補者を歓迎する企業であることを伝えるメッセージです。
人々が応募をためらうことがなくなることにつながります。
(出典:英yahoo! finance)
採用されてしまえば、苦労を思い出したくなくて、他人事のようにしていまいがちです。
しかし、就職活動を通じて感じた理不尽や不合理な点、改善するべき点を、応募した人として思い出して自分事にし、現在応募する人の立場や社会状況を考えることが、よりよい採用につながるはずです。
自閉症やADHDなど神経多様な人を採用。米国家地球空間情報局
(チャーリー)