- 投票所に行くことでの不安を軽減する方法はあるか?
- 投票所における神経多様性を持つ有権者のニーズはどのようなものか?
- 選挙プロセスをより包括的にするためには、どんな取り組みが必要か?
選挙日は、大きな音、鮮やかな色、長い列など、神経多様性を持つ有権者にとって圧倒的な経験となる可能性があります。
21歳のベンは、昨年11月の地元の補欠選挙での投票を前に、不安に襲われました。
自閉症を持つベンは、投票所の混雑、騒音、見慣れない環境が、感覚過負荷を引き起こすのではないかと恐れました。
「投票しなければならないと考えると、不安が常にあります。とても私には圧倒的なものです」
そう、ベンは語ります。
ベンは支援員と一緒に期日前投票所に行きました。長い待ち時間や投票用紙を得るときに助けてもらいました。
「入ったら、すぐに出たいと思いました」
オーストラリアでは、来年5月までに連邦政府選挙が予定されています。
ベンはすでに、騒音を遮断するヘッドフォンを着用し、隠れた障害を持っていることを示すランヤードをつけて、その日を乗り切ろうと計画しています。
「自閉症のような障害を持つ人たちを助けるための措置は、何もありません」
ベンの問題は、選挙に関する超党派の議会調査の一環として考慮対処となる予定です。
支援者たちはこれが、神経多様性を持つ有権者にとってより包括的な投票所になることを望んでいます。
神経多様性という用語は、自閉症、ADHD、学習障害(例えばディスレクシア)など、脳の働きが定型発達の人とは異なる一連の条件を表します。
オーストラリアでは約70人に1人が自閉症スペクトラムにいると推定されています。
自閉症の人たちに支援と社会的つながりを提供する団体の代表、メル・スペンサーは、投票所は神経多様性を持つ有権者にとって、パニックを起こす引き金になる可能性があると考えています。
スペンサーは、有権者が声がかけられずに、照明が落とされ、騒音が低減される「静かな時間帯」を設けることが、自閉症スペクトラムにある有権者の障壁を取り除くことになるといいます。
これは大手スーパーマーケットで実施されているのと同じようなものです。
自閉症の支援者が支持する、他の方法には、
- 一般の入り口とは別の入口を設ける
- 神経多様性を持つ有権者が投票するときに、時間を予約できる
などがあります。
「民主主義に参加することは誰もが持つ人権であり、それには私たち全員の声が含まれる必要があります。
私たちは彼らの声を紹介し、受け入れる必要があります」
そう、スペンサーは語ります。
昨年の8月には、ビクトリア州選挙委員会が補欠選挙中の一つの事前投票所で、対面投票をより包括的にするための低感覚調整を試験的に行いました。
しかし、一般選挙でこのような変更を導入することにはまだ約束されていません。
スペンサーは、自閉症などの人へ配慮した変更は安価で簡単に実施できるものだと言います。
「何かを変えなければなりません。
自閉症の人たちは、配慮されることなく、合わせることを求められています。
これが、不安を増大させています」
次の選挙前では、感覚に優しい方法を導入したいとスペンサーは考えていますが、それでも、自閉症の人たちの中には、投票所に行くことが難しい人もいるため、郵便投票の資格を得られるべきだと述べています。
現在、選挙委員会は、郵便投票の資格を得るためには、遠隔地に住んでいる、重病である、70歳以上である、または宗教上の理由で投票所に行けない場合などに限るとしています。
スペンサーは、対面での投票に不安を感じる人たちに対し、郵便投票の基準を明確にすることが一つの方法になると考えています。
州議会の選挙問題委員会の議長である労働党のルバ・グリゴロビッチ議員は、健全な民主主義では、資格を持つすべての選挙人が投票する機会を持つべきであり、選挙プロセスをできるだけ包括的にしたいと述べています。
「この投票に関する問題の調査を通じて、選挙問題委員会は、人たちが選挙でどのような経験をしているか、そして一部の人たちにとって参加を難しくする可能性のある障壁を理解することに関心を持っています」
(出典・画像:豪THE AGE)
すぐに、投票することをあきらめる。
そうならなくなるといいですね。
発達障害の人などの「感覚過敏」の問題に対応する米ウォルマート
(チャーリー)