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自閉症、ADHD、発達障害を複数もつのは一般的。英研究

time 2024/02/10

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

自閉症、ADHD、発達障害を複数もつのは一般的。英研究
  • 神経多様性に関連する特性はどのように全人口に分布しているのか?
  • 複数の神経発達条件が重なることが多いのはなぜか?
  • 発達障害者の特性や経験が個々にどのように異なるのか?

イギリスの成人の中で、神経多様性の経験や特徴がどのように異なるかについて、新たな研究が教えてくれました。

すべての人が、属性や経験に違いがあります。
ADHD、ディスレクシア、ディスプラクシア、または自閉症の診断を受けた人などの神経多様な人たちは、世界を独特の方法で体験するかもしれません。

しかし、神経多様性に関連する特性や経験が全人口を通じてどのように異なるかは、理解し始めたばかりです。

英バーミンガム大学の新しい研究が、イギリスの成人の中で神経多様性がどのようなものかについて、明らかにしました。
この研究はJCPP Advancesに掲載されています。

研究を率いたバーミンガム大学の認知と発達の教授であり、発達科学センターのディレクターであるイアン・アッパリー教授は次のように述べています。

「神経発達条件は人それぞれ、異なります。
そして、複数の条件を持つ人が一般的です。

たとえば、自閉症の人のなかで、ADHDもかかえている人は約40パーセントにもなることが、これまでの研究でわかっています。

また、神経多様性に関連する特性は、正式な診断を受けた人だけでなく、さまざまな程度で全人口に見られることもわかっています。
しかし、これをどう見るかについて、詳細な理解はありません。

これは、一般人口を通じた神経多様性の複雑さを理解する上で、重要な問いの提起となるでしょう」

アッパリー教授らの研究チームは、イギリスの人口を代表する18歳から70歳までの1000人に、自閉症、ADHD、ディスレクシア、その他の条件に一般的に関連する特性の経験について報告してもらい次のことが確認されました。

  • 自閉症に関連する特性は、社会的および想像力のスキルに関する課題の経験、ルーティンへの高い好み、そして細部、数字、パターンへの注意と関連していました。
  • ADHDに関連する特性は、不注意、多動性、衝動性の傾向と関連していました。
  • 脳皮質の過興奮に関連する特性は、視覚の敏感さや異常な視覚体験とつながっていました。
  • ディスレクシアに関連する特性は、読むことや単語を見つけることの流暢さが低いことと関連していました。

異なる神経発達条件に関連する特性はしばしば別々に考慮されがちですが、この研究では、同時に検討された際、高いレベルの重複があることがわかりました。

つまり、ある条件に対して高い特性を報告する人は、他の条件に関連する経験も報告する傾向がありました。

しかし、この研究では、この一般的な共有された神経多様性を超えて、特定の条件に関連する独特の特性の証拠も見つかりました。
アッパリー教授はこう説明します。

「私たちは、さまざまな発達障害(例:ADHD、自閉症、ディスレクシア、発達性協調運動障害、チック障害)に共通する特徴が多く重なっていることを見つけました。

これは、ADHDのようなある障害の特徴が強い人が、自閉症やディスレクシアなど他の障害の特徴も強く持つ可能性が高いことを意味します。

しかし、同じ特徴でも、異なる原因により起こる場合もあることがわかりました。

たとえば、自閉症に関連する特定の特徴が強い人でも、他の神経多様性に関する特徴はあまり強くない場合があります。

また、自閉症の特徴と他の障害の特徴の両方が強い人もいます。

さらに、めずらしい組み合わせの例もありました。

たとえば、ディスレクシアや発達性協調運動障害の特徴が強い人は、数字やパターンに対する興味が低い傾向にありました」

この研究は、イギリスの成人の中で神経発達条件に関連する特性がどのように表現されるかの多様性を探る最大の調査であり、研究者たちは、これが重要なベンチマークデータと全人口を含む神経多様性を検討するためのフレームワークアプローチを提供したと言っています。

アッパリー教授は結論としてこう言います。

「私たちの発見は、神経多様性の複雑さを理解するのに役立つものです。
神経発達条件を通じて共通する可能性のある特性や経験、および独特なものを理解するのに役立ちます。

同じ診断をされた人でも、かなり異なる特性や経験を持つかもしれないことが理解できるはずです」

(出典:英バーミンガム大学)(画像:たーとるうぃず)

診断の分類が、実態にあっていないという指摘が多くなっています。

しかし、分類をし、1人から集団にしなければ、研究や支援の設計が進みません。

どうしたって「分類」する限り、それに限界や問題があること、そして変えたりする必要があることを知っておかなければなりません。

自閉症、ADHD、発達障害の「分類」により生まれる問題点

(チャーリー)


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