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自閉症と診断された息子は今は幸せ。人生は変えることができる

time 2024/01/01

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

自閉症と診断された息子は今は幸せ。人生は変えることができる
  • 自閉症の子どもが音楽を通じて自分を表現することは可能なのか?
  • 発達障害をもつ子どもの成長を促す方法にはどんなものがあるのか?
  • 家族や学校が自閉症児に与える支援が、彼らの将来にどのような影響を与えるのか?

ミロシュ・ガシオールはピアノの前で手をかざし、華麗に腕を振り下ろして、「オペラ座の怪人」のテーマ曲の冒頭を力強く演奏し始めました。

彼の母、ボジェナ・ガシオールは彼の横で誇らしげに立っていました。
ミロシュはあまり話すことはありませんが、ピアノを演奏する時は深く表現力豊かです。

20歳のミロシュは、米フロリダ州セントピーターズバーグにあるピネラス郡芸術センター・ギブス高等学校の卒業生で、初めての自閉症を持つピアノ専攻生でした。

今は、美術館や障害者支援のための施設などで、さまざまなイベントで演奏を行っています。


自宅には、ピアノと練習用のキーボードが並び、一日約7時間、レッスンを行っています。
公の場で演奏する際にはいつも、「音楽で自閉症を乗り越える」と書かれた大きな看板を置いています。

ジェナと夫マレク、息子パトリックは2001年にマレクの仕事のためにポーランドからアメリカに移住しました。
ミロシュは2003年に生まれました。
2歳の頃、ボジェナはミロシュがよく空を見つめたり、公園では家族から逃げたり、話をしなかったりするのに気づきました。

小児科医からは、ミロシュの言葉の遅れを多言語家庭であると言われました。
しかし、ボジェナはすぐに別の発達専門医に連れて行くと、中等度から重度の自閉症と診断されました。
ボジェナにとって、その診断は変えられない現実との対峙を意味しました。

「私の世界は崩れました」

そう、ボジェナは言います。
それは非常に暗い時期でした。ミロシュが自立した生活を送れないことに悲しみました。
しかし、その悲しみは反乱へと変わりました。

「私は何とかして息子を助ける方法を見つけようと誓いました」

家族は早期に治療を試み、重金属のデトックスや作業療法、言語療法などを行いました。
とくに酸素カプセル療法が彼らをアメリカに長く留まらせる要因となりました。

結局、ボジェナは身体活動がミロシュにとって非常に有効であることに気づきました。
水泳やインラインスケートなど、ミロシュのエネルギーを発散させる活動を試みました。
ミロシュは、障害者のための乗馬プログラムにも参加し、今でも乗馬を続けています。
乗馬している間の様子からは、自閉症であることはわからないといいます。

そうして少しずつ、ミロシュのより明るい未来への道を見つけ始めました。

ミロシュが7歳のとき、兄パトリックがピアノのレッスンを受けていました。
家には小さなキーボードと音楽の本があり、ボジェナは大学でドイツ語を教える傍らトランペットを演奏し、楽譜を読むことができたので、ミロシュにもピアノを教えることにしました。
すぐに、ミロシュは音楽を奏でることができました。

「魔法のようでした」

ボジェナは息子に音楽の練習を書き込んだノートを与え、それぞれの練習が終わるごとに彼に丸を塗りつぶさせました。


これは演奏から離れる休憩となりながらも、集中を続ける手助けとなりました。
ミロシュは今でもこの練習法を続けています。

演奏はミロシュとボジェナの間のコミュニケーション方法ともなりました。

自閉症の子どもに対応できるピアノ教師を見つけるのは困難でしたが、ボジェナは「フレッド先生」を見つけ、連絡を取りました。
最初のレッスンが終わった後、フレッド先生は自分は自閉症の生徒を教えた経験がないと言いました。
それでも、ボジェナは先生に取引を持ちかけました。
3回のレッスンをしてみて、その後ミロシュを教えたくなければ、あきらめますと。

それから13年、フレッド先生は今もミロシュの先生です。

ボジェナはまた、ミロシュの教育のためにも戦いました。
ミロシュは一般教育のクラスに出席し、アシスタントの助けを借りて優秀な成績を収めることができました。

ミロシュは中学生になると、学校のジャズバンドで演奏を始めました。
高校を選ぶときは、ピアノ専攻コースがあるギブス高校を選びました。
そして、彼は優秀な成績で卒業し、国立優等生会と音楽優等生会にも入会しました。

2022年12月、ミロシュは毎週末タンパ国際空港で演奏することになりました。
そこでの運命的な出会いが、ボジェナとミロシュとの物語を世界に伝えるきっかけとなりました。
ブロードウェイの脚本家マーク・シェーンフェルドが、友人に連れられて空港でミロシュの演奏を聴き、ボジェナに会いました。

「私は彼らにただ驚きました」

彼はボジェナに「母」として本を書くように勧めました。

そして、「I Heard the Light(私は光を聴いた)」と題された本が出版されました。
これは、ボジェナが音楽を通じてミロシュとコミュニケーションをとれることに気づいた瞬間を表しています。

ボジェナは現在、「Defying Autism(自閉症にさからう)」というプロジェクトに取り組んでいます。
これはミロシュとの出来事を広めるだけでなく、自閉症の診断を受けたばかりの子の家族を支援するものです。

「子どもの人生を変える可能性をもつものが、たくさんあることを知ってほしいのです。
私の息子がどれほど幸せになったか、見てください」

(出典・画像:米Tampa Bay Times

子どもが輝いている姿を見て、本当に幸せなことだと思います。

うちの子も別に何ができるわけでもありませんが、ニコニコしている姿を見ると、本当に自分は幸せだと思います。

自閉症の子どもたちを嘘やニセ医療から守る。なぜ信じるのか?

(チャーリー)


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