- 1. 偏見や差別を排除したAIを開発するためにはどのようなアプローチが必要か?
- 2. 自閉症の人々が採用プロセスで不利な立場に立たされている理由は何か?
- 3. 神経多様性を考慮した包括的なAIシステムがなぜ重要なのか?
想像してみてください。
ビデオゲームの最難度モードで人生を生きることを。
障害を持つ博士課程のナバ・リズビが障害と共に生きることをそう説明します。
「2020年に米トレド大学を卒業したとき、私は過度な努力からひどく疲れ果てていました。
私の医者は、私の障害が情報の記憶と処理に影響を与えるにもかかわらず、私がほぼ完璧な成績で卒業したことに驚いていました」
自閉症の女性の初めての大学生として、彼女にはさらなる困難が立ちはだかっていました。
学部時代、リズビは自分が社会的に孤立していることに直面したことを思い出しています。
自閉症の人たちを社交スキルが欠けている人たちと捉え、自閉症の人たちの独特なコミュニケーション傾向を社会的なスキルの欠如として見なす、広まった考えがその原因だと考えています。
リズビはこれらの誤解が現代のコンピューターサイエンスの研究を形作ったと言います。
米カリフォルニア大学サンディエゴ校のコンピューターサイエンスおよびエンジニアリング学科で、リズビは研究しています。
自閉症のユーザーのための人工知能(AI)アプリの設計に焦点を当てた研究です。
これには、社会的な行動が歴史的に軽視されてきた人々の視点と自分の経験からのニーズが考慮されています。
「一般的に、AIを向上させるためには、私たちの社会に存在する不平等を再生産しないようにする必要があります」
より包括的で神経多様なAIを開発するために、リズビは研究者がまず神経多様性の基本的な理解を変える必要があると考えています。
「包括的なAIシステムにしなければ、我々は社会における、自閉症への差別に無意識に寄与する可能性があります」
その一例が、AIを使用して面接中の応募者の感情と関与度を判断する採用システムです。
研究によれば、自閉スペクトラム障害の人たちの顔の表情は、いつも感情を反映しているとは限らないことがありあす。
定型発達の人の顔の表情のみを承認するようにプログラムされたAI採用システムが、顔から感情を読もうとすれば、自閉症の人たちは誤解され、軽視される可能性が高まります。
実際、2020年のイギリスの研究によれば、自閉症の求職者は雇用主に採用してもらえるように「印象操作」する可能性が低いため、不利になっています。
「偏ったAIシステムの採用は、雇用プロセスで直面する自閉症の人への差別を助長し、さらに悪化させます」
リズビのテクノロジーデザインにおけるアクセシビリティへの提唱は、CSEdWeekによってコンピューターサイエンスの英雄として称えられた際、注目を集め、米副大統領カマラ・ハリスから祝福を受けました。
リズビはこう言います。
「お母さんは副大統領から手紙をもらったとき、私が克服しなければならなかったたくさんの障害を知っているので、喜びで大泣きしていました」
(出典:米カリフォルニア大学サンディエゴ校)
ますます人間に近づいていくAI。
偏見や差別まで真似してしまうことがないように、開発されなければなりません。
(チャーリー)
たーとるうぃず発達障害ニュースAI:発達障害に関わるお悩みにお答えします。