- 反復的な行動が自閉症の人の不安を軽減する可能性はあるのか?
- 社交コミュニケーションの困難と精神的健康課題はどのように関連しているのだろう?
- 自閉症特性の変化と精神的健康の関係において、療育介入はどのように考えるべきか?
新たな研究によれば、反復的な行動の一部は、自閉症の人の不安を軽減するのに役立つ可能性があります。
米カリフォルニア大学デイビス校(UCデイビス)医療センターの研究者による長期的な研究が、自閉症の特性と中学生時代の精神的健康との関係に新たな光を当てています。
この研究論文は、”Autism”に掲載されました。
子どもたちが小学校時代にさらに精神的健康課題を発展させるかどうかは、基本的な自閉症の特性の変化と関連していることが示されています。
論文の主筆であるUCデイビスMIND研究所の発達心理学の研究員であるアイナット・ワイズバード=バルトフ博士はこう言います。
「私たちの調査結果は、子どもの発達の異なる側面が時間をかけてお互いに影響を及ぼす可能性があることを示唆しています。
核となる自閉症の特性と精神的健康課題は、おそらく発達全般で相互に影響し合うでしょう」
重要な発見の一つは、小学校時代の制約的で反復的な行動の減少が精神的健康課題の発現と関連しており、これらの行動は自閉症の人たちにはメリットがある可能性を支持している点です。
同時に、この時期における社交コミュニケーションの困難の増加も不安や他の精神的健康課題と関連していました。
ワイズバード=バルトフ博士は、以前の研究で自閉症の特性が3歳から11歳までの間に大幅に変化する可能性を示しています。
この現在の研究には、6歳から11歳までの75人の自閉症の子どもが含まれており、そのうち15人が女の子でした。
彼らはみな、MIND研究所の自閉症のサブタイプを特定することを目的とした大規模な長期研究「オーティズムフェノームプロジェクト」に参加しています。
研究チームは、親の面接とアンケートを通じて子どもたちの精神的健康症状と制約的で反復的な行動を評価しました。
これらの行動には感覚刺激の追求、手を振ること、規則に従うことなどが含まれます。
研究チームは自閉症特性の変化を追跡するために”the Autism Diagnostic Observation Schedule Calibrated Severity Score”を使用しました。
その結果、
- 21パーセントの子どもたちは社交コミュニケーションの困難がより重度で、不安、ADHD、および行動の課題が増加していました。
- 対照的に、23パーセントの子どもたちは11歳になると制約的で反復的な行動が減少しましたが、不安のレベルが高まっていました。
- ほぼすべて、94パーセントの子どもが不安障害の基準を満たしていました。
- 参加者の約3分の1は、制約的で反復的な行動が減少した一方で、社交コミュニケーションの困難が増加していました。
研究論文の共著者である、MIND研究所のメンバーで、精神医学と行動科学の学科のデイビッド・アマラル教授はこう言います。
「私たちの研究結果が、他の自閉症研究者や臨床医、さらには自閉症の人によって予想されてきたこと、つまり、ある種の制限された反復的な行動が潜在的に自己鎮静に役立つ可能性があることを裏付けるものであったことを嬉しく思います」
ワイズバード=バルトフ博士は、この研究結果は、これらの行動をなくそうとする、療育を問い直すものであると指摘しています。
「このことから、療育介入を考える際には、自己鎮静に役立つ反復的な行動について、他の行動を提案せずに、ただ止めさせようとするのは、理想的なものではないでしょう」
この研究は、精神的健康課題と自閉症の子どもたちの社交コミュニケーションの困難の重症度の増加との関連を示す初めての研究となります。
アマラル教授はこう言います。
「これは、幼少期から核となる自閉症の特性が減少し、認知機能が典型的な範囲内にある子どもたちで起きた現象です。
現在、なぜこれが起こったのかは理解されていません。
一つの可能性は、相対的に高い認知能力を持っていたため、彼らが社会的な課題に気付いたことで、不安が増加した可能性があるということです。
これは、さらに研究が必要な分野であることは確かです」
(出典:米カリフォルニア大学デイビス校医療センター)(画像:Pixabay)
繰り返しの行動、常同行動、スティミング。
そのメリットが研究でもこのように明らかになっています。
自分や他人を傷つけるような行動は止めさせなければなりませんが、そうでなければ止めさせないでください。
そうして、なんとかやっているのですから。
うちの子についても自傷行動でないものや他人に迷惑をかけないことであれば、そのままにしてきました。
それは自分を落ち着かせるだけでなく、どういう状況にあるのかがわかる、私にとってはコミュニケーション手段でもあるからです。
笑顔を見せながらしていれば、なおさらです。
(チャーリー)