- 自閉症の特徴の深刻度が増加すると、反復的な行動が減少する可能性はあるのか?
- 反復的な行動が減少すると不安や他の精神健康状態に対して脆弱になる可能性はあるのか?
- 自閉症の子どもたちの行動から反復的な行動を排除しようとすることは、考え直すべきなのか?
新しい研究によれば、社交・コミュニケーションの問題の深刻度が増加することだけでなく、反復的な行動(常同行動)が減少することも、自閉症の子どもが不安や他の精神健康状態に対して弱くする可能性があることがわかりました。
これらの調査結果は、一部の反復的な行動が自閉症の人たちの役に立っている可能性を強調するものです。
米カリフォルニア大学デイビス校の心理学の博士研究員であるアイナット・ワイズバードバルトフはこう言います。
「すべての種類の反復的な行動について、おそらく治療の対象とはすべきではありません。
私たちの調査結果は、自閉症の子どもの行動から反復的な行動を排除しようとすることは考え直すべきだと警告しています」
自閉症の子どもたちは、大きくなるにつれて自閉症の特徴の深刻度が変わることがあります。
これまでの研究によれば、6歳から11歳までの自閉症の子どもの16パーセントで自閉症の特徴の深刻度が増加している一方で、12パーセントは減少しています。
また、多くの精神的健康の課題も小学校時代に発生します。
過去の研究によれば、自閉症の子どもの約70パーセントが少なくとも1つの精神健康状態を持っており、41パーセントが2つ以上を持っていることがわかっています。
ワイズバードバルトフらは、小学校時代(6歳から11歳)の自閉症特徴の変化が精神的健康の問題と関連しているかどうかを調べるため、6歳から11歳までの自閉症の子ども75人(そのうち15人は女の子)のデータを分析しました。
研究の一環として、研究者たちはこれらの子どもたちの自閉症特徴の変化を、2、3歳の時期から思春期まで追跡しました。
これには、自閉症診断観察スケジュールの深刻度スコアと、社交特性および制約的で反復的な行動に焦点を当てた専門的なテストを使用しました。
また、親へのインタビューと質問紙を通じて、子どもたちの精神的健康の症状を評価しました。
その結果、
子どもたちの21パーセントは社交・コミュニケーションの問題の深刻度が増加していました。
彼らはまた、時間とともに不安、注意欠如多動性障害(ADHD)の特徴、および問題行動のレベルが上昇しました。
そして、23パーセントの子どもたちは制約的で反復的な行動の深刻度が減少しました。
彼らも時間とともに上昇する不安のレベルを示し、これらの子どもの94パーセントが不安障害の基準を満たしていました。
筆頭研究者のデイビッド・アマラルはこう警告します。
「これらの子どもたちが、自己調整の仕組みとして反復的な行動を行っている場合には、それを行わせない、およびそれらを意図的に減少させれば、不安が増加する可能性があります」
この研究結果は、オンラインの”Autism”誌に詳細に掲載されています。
アマラルは、自閉症診断観察スケジュールが特定の制約的で反復的な行動、例えば円を描いたり、おもちゃの車を並べたりする行動に焦点を当てている一方で、これらの行動はもっと幅広いものであることに注意するよう言います。
ワイズバードバルトフは、これらの行動に対するより詳細で包括的な評価を使用することで、どの行動が不安と最も関連しているかがわかる可能性があると考えています。
また、今後の研究でより多くの子どもたちを対象にした、今回の研究結果の検証と、自己調整に焦点を当てた療育介入の効果を探るための研究を、今後行いたいとしています。
程度は違えど、不安になって落ち着かなくなればペンを回したり、足を動かしたり、そんな行動をとるはずです。
より、不安となる機会が多く、よりそうしてしまう人から、落ち着かせるための行動を取り上げてしまったら、より難しくなることは誰にでも理解できるはずです。
それが、きちんとした研究の結果でも確認できたということです。
無理に止めさせようとはしないでください。
(チャーリー)