- 自閉症の成人にはどんな健康上のリスクがありますか?
- 成人になっても、自閉症の人の健康状態は変化するのですか?
- 医療機関の移行時に、自閉症の人の健康状態をどのようにスクリーニングすべきですか?
新しい研究によれば、自閉症の人に思春期から現れ始める健康状態は、早期成人期になるにつれて、より一般的なものになっていきます。
この研究の結果は、自閉症の子どもたちが成長するにつれて、特に小児科から成人医療への移行時に、これらの状態を継続的にスクリーニングする重要性を強調するものです。
米ヴァンダービルト大学の神経学の教授、ベス・アン・マロウ博士がこの研究を行いました。
「自閉症の人には、精神的な健康状態だけでなく、身体的な健康状態も多く現れます。
これらの状態は、思春期から成人になっても消えることはありません」
成人になれば、小児医療や発達支援から卒業することになります。
この研究に関与していない米ボストン大学心理学および脳科学の准教授クリスティン・ロング博士はこう言います。
「診療分野に関わらず、多くの医療従事者は自閉症の人についてのトレーニングを受けていません。
自閉症の患者をどのようにサポートすれば良いのかわからないことがあります」
自閉症の成人は、てんかん、肥満、糖尿病、免疫、胃腸、睡眠障害などを含むほとんどの医療状態において、平均以上の有病率を持っています。
それには、うつ病、不安症、双極性障害などの精神状態も含まれます。
自閉症の成人の医療は、そのためにますます重要です。
「Autism Research」誌に掲載されたこの新しい研究で、マロウ博士らの研究チームは、2014年から2019年にかけて医療機関を受診した1418人の自閉症の人たちと6029人の自閉症でない人たちの健康記録データを分析しました。
研究の開始時に14歳だった参加者は19歳まで、17歳だった参加者は22歳まで追跡しました。
研究チームは、十分なサンプルサイズがある生活の質に影響を及ぼす健康状態である、肥満、不安症、ADHD、うつ病、心臓血管、神経、睡眠障害などを追跡対象としました。
その結果、それらの状態の有病率は自閉症の若者、自閉症でない若者、どちらでも年齢とともに増加していましたが、それらすべての状態について、自閉症でない若者よりも自閉症の若者でより一般的になっていました。
14歳の時点では、肥満とADHDが自閉症の男の子では多くなっていましたが、22歳になると、すべての状態について、自閉症の女性が男性よりも多くなっていました。
肥満や脂質異常症(血液中の脂質レベルが高い状態)は、自閉症の若者ではすべての年齢でより多く見られ、自閉症でない若者よりも増加は早く見られました。
「肥満率は、自閉症の人たちではとても高くなっています。
そして、ここでも他の研究で見られるように、思春期から成人にかけて肥満の増加傾向が見られることは懸念されることです」
そう米セント・メアリーズ・カレッジの心理学の助教であるジェームズ・マコーリー博士は述べています。
今回の研究結果は、自閉症の若者や成人を治療する医師は、睡眠、活動レベル、食事に注意を払う必要があることを示すものです。
なお、この研究は医療記録に依存しているため、保険のない人々や医師を訪れなかった人たちは含まれていません。
うちの子も体重の増加が、気になります。
現在通っている、生活介護支援施設では毎月、体重なども確認してくださっているので、家でもっと気をつけないとと思う次第です。
(チャーリー)