- 自閉症と他の精神疾患が混同されやすい理由は何か?
- 自閉症の正しい診断を受けることで何が得られる可能性があるか?
- 自閉症の診断を受ける前に他の診断を受けていた場合、どのようなリスクがあるか?
英国の元オリンピックボート選手、キャラハ・マクマートリーは、彼女が双極性障害と誤診されて5年間過ぎてから、自閉症と診断されました。
マクマートリーは、双極性障害を特徴づける症状では、自分の経験を説明できでいなかったと述べています。
気分安定薬や抗精神病薬などを処方されましたが、体重が増え、運動能力に悪影響を及ぼす副作用がありました。
マクマートリーは、自分の症状の多くは双極性障害ではなく、自閉症として説明できると思うようになっていきました。
マクマートリーは再診を決意し、その結果、最終的に自閉症であることがわかりました。
誤診に悩まされた5年間を経て、ゆっくりと、安全に、医学的なサポートを受けながら、薬をやめ、適切なセラピーを受けることができました。
マクマートリーは、自閉症である自分を受け入れることで、自分とは違う存在であることを認め、他人の期待や経験に合わせようと自分を型にはめることを止めたといいます。
その結果、彼女はタイムを17秒縮め、イギリスのオリンピックチームのトップに立つことができました。
その後、彼女はスポーツにおける神経多様性を認識する慈善団体を設立しました。
マクマートリーは大人になってから、双極性障害の診断を受け、その後自閉症の診断を受けました。
しかし、これはめずらしいことではありません。
知的障害を持たない多くの自閉症の人が、思春期や成人期に初めて診断を受けようとします。
しかし、自閉症の青年や成人は、気分障害、自殺願望、不安など、他の精神疾患も経験しているため、自閉症そのものが原因ではなく、それらの症状が原因で医療機関に行くことが多くなっています。
そのため、医師たちは、自閉症の特徴を他の精神疾患の特徴と勘違いしてしまうのです。
また、どのような誤診を受けやすいかという点で、性差があります。
ある小規模な研究によると、誤診された女性10人について、最も多かった誤診は人格障害でした(1人は不安障害、1人は精神病スペクトラム障害と診断されました)。
一方、男性7人については、大半がADHDと診断され、2人が精神病性スペクトラム障害、1人が行動問題の診断を受けました。
この研究や他の研究は、誤診の可能性があるだけでなく、精神科医の偏見や過去の経験によって診断が左右される可能性があることを強く示唆しています。
私は最近、自閉症の診断を受ける前に、うつ病性障害と診断されたクライアントを担当しました。
このクライアントは、確かにうつ病を経験したことがありましたが、うつ病が根本的な問題であるとは感じてはいませんでした。
人生において、物事が他の人よりも自分にとって困難であると感じたために、彼女はうつ病になっていたのです。
彼女は、イライラして失敗したように感じるため、自分に対して怒る傾向がありました。
薬物療法を受けたとしても、うつ病を改善する効果はほとんどありませんでした。
それは根本的な原因、つまり、彼女が世界を特殊な方法で処理し経験するという事実が変化したり対処されたりしなかったからです。
もし、あなたが以前に受けた診断が自分の経験と合わないと感じたり、自分で調べた結果、自閉症ではないかと疑い始めたりした場合、安全で賢明な方法で治療を進めることが重要です。
ネットで読んだり見たりした内容から、自分は自閉症だと思いつつも、自閉症の基準には当てはまらないというクライアントをよく見かけます。
人によっては、当初の診断が正しいこともあります。
また、そうでないことが判明しても、医学的なサポートなしに薬の服用を中止したり、治療計画を変更したりすることは、決してしてはいけません。
しかし、もしあなたが自閉症かもしれないという強い疑いを持ち、医師に相談してみる価値はあるかもしれません。
正確な自閉症診断を受けることは、大きな違いをもたらします。
適切な支援を受けられるようになります。
また、自分の脳が特定の働きをしているために、人生のいくつかの側面が特に困難であることを受け入れることに集中することができるようになります。
そして、自閉症であるが故に持っているかもしれないユニークなスキルや処理能力をより明確に認識することができます。
マクマートリーのように、もしあなたが実際にはない病気で薬を飲んでいたとしても、自分が自閉症であることが分かれば、ほとんど役に立たず、有害でさえある可能性のある薬物療法を避けることができます(繰り返しますが、処方された薬を止める前に医師に相談すること)。
自閉症の正しい診断を受けることは、あなたにとってどんな意味があるにせよ、役に立つはずです。
(出典:米Psychology Today)(画像:Pixabay)
自閉症はそれぞれの人ごとに症状が異なる。そう言われていること、
また、うつ病などの二次障害をかかえることも多いことを考えれば、誤診が起きてしまうことは少なくないのかもしれません。
(チャーリー)