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自閉症の子の約3割は話すことができない。助ける技術の開発

time 2023/05/07

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

自閉症の子の約3割は話すことができない。助ける技術の開発
  • 子どもたちがコミュニケーションの障壁をどのように乗り越えることができるか?
  • コミュニケーション支援の方法は、どのように個々の子どもに適応されるのか?
  • 代替コミュニケーション手段を使うことは、本当に本人の意志を反映させることができるのか?

米ノースイースタン大学のラルフ・シュロッサー教授は、言葉をほとんど発しない自閉症の子どもが直面するコミュニケーションの障壁を取り除くことにそのキャリアを捧げています。

シュロッサー教授が25年前にノースイースタン大学で働き始めた当時は、高価で、専用で、特殊で、あまり評価されない、技術を用いていました。
しかし、最近では、iPadやアニメーションなど、多くの人が使うモバイル技術を採用しています。

重度のコミュニケーション障害を持つ子どもたちが、コップの水を要求することから、学校で講義を行うことまで、あらゆることを行えるようにしたリーダーといえる存在に、シュロッサー教授はなりました。

「iPadやスマートスピーカー、スマートウォッチなど、多くの一般の人たちが利用する技術を利用するようになりました。
それは、自閉症の子どもたちのコミュニケーションをより良くするのに役立ちます。
誰もが身につけているスマートウォッチなどを使えば、偏見の目にさらされることもありません。

自閉症の子どもの約30パーセントは、ほとんど、あるいは全く発話がありません。
そのため、拡張代替コミュニケーション戦略やデバイスが助けになります。
私は、そうした子どもたちのために取り組んでいます」

シュロッサー教授は、科学的研究とエビデンスに基づく研究開発により、昨冬、米国言語聴覚学会から最高の栄誉を授与されました。

米テキサス大学オースティン校の言語聴覚学科長であるラジンダー・クールは、シュロッサー教授の貢献が専門職の道を高め、変えたと述べています。

「言語とコミュニケーションを促進するために、多くの人が使うモバイル技術を再利用し、ほとんど、あるいは全く機能的な発話ができない人々のコミュニケーションを強化するための、エビデンスに基づくソリューションを提供するという新しい分野を開拓した方です。
これは、発達障害のある人々の生活を変える可能性がある取り組みです」

コミュニケーション機器は、子どもたちの能力に合わせてカスタマイズされ、一人ひとりに合わせることが必要です。
文字を読むことができる子どもたちには、これまでにあるテキストを利用できるデバイスでいいでしょう。

「読み書きができない子どもたちには、図記号やアイコン、写真などを使います。
その子にとって適切なものを何でも使います」

そう、シュロッサー教授は言います。
コミュニケーションの支援方法は、子どもによって、またコミュニケーション能力への発達がどの段階にあるかによって異なるといいます。

コミュニケーションは、「お腹がすいた」「のどが渇いた」といった基本的な発言から、質問や挨拶といったより高度なやりとりまで、さまざまなものがあります。

代替コミュニケーション手段を使うということは、その子どもが言葉を発することを「あきらめる」ことを意味するのではないかと心配する人もいるそうです。

「そうではありません。
重要なことは、こうしたツールも使って、会話をするということです。
また、コミュニケーションは言葉だけではありません。
身振り、手振りも含めたものです」

テクノロジーでコミュニケーションギャップを埋めることで、以前は不可能だった、言葉を発せない人たちの考えや感情を明らかにすることができるようになったとシュロッサー教授は言います。

「彼らは考えていることを示すことができます。
私たちはシステムを使用している人の背後にある本物の人を知ることができます」

そして、最も素晴らしいことの一つは、最小限の言葉しか使わないと思われている人が、「自発的に、その場で反応するのを見ることができる」ことだと言います。

ノースイースタン大学ブーベヘルスサイエンス校のコミュニケーション科学・障害学教授であるシュロッサー教授は、米ボストン小児病院の自閉症言語プログラムの臨床医と共同研究を行っています(同プログラムでは、年間約1500人の自閉症の子どもを診察しています)。
そして、これまでに発表された研究を評価し、医師がエビデンスに基づいた実践を行うための支援を提供することを目的とした、「Evidence-Based Communication Assessment and Intervention」という雑誌を作り、編集もしています。

この雑誌は、シュロッサー教授の「エセ科学的な支援を否定するために行ってきた活動」の1つだとクールは言います。

「エセ科学的」として、言葉を話せない人がコミュニケーション機器を使う際に、自閉症の人が「自分自身で話す」のではなく、知らず知らずのうちに話すことが誘導されたり、作り出されてしまうことがあります。

「私たちが聞かされているのは、その子の声ではありません。
ファシリテーターが話しているのです。

それは、私たちが望んでいることではありません。
私たちが求めているのは、その子が発するコミュニケーションなのです」

(出典・画像:米ノースイースタン大学

多くの子どもたちが話すことができません。

うちの子も話すことはまったくできず、意思表示も困難です。

もう長いこと親をしているのに、何を伝えたいのかわからないときがよくあり、本当に情けなく申し訳なくなります。

そんな子どもたちが少なくとも、「困っている」「助けて」を確実にまわりに発信できる技術ができることを願っています。

話すことができない自閉症の人の「コミュニケーション」の注意点

(チャーリー)


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