- 1. 記憶力にはなぜ個人差があるのか?
- 2. 自閉症や神経難病の人が特別な記憶力を持つ可能性は高いのか?
- 3. 優れた記憶力を持つ人の脳にはどんな構造や機能の違いがあるのか?
英ケンブリッジ大学の科学者たちが記憶の秘密を解き明かすために、「超記憶を持つ人」を探しています。
なぜ記憶力に優れた人がいるのかを解明するため、優れた記憶力を持つ人を探すための調査を本日開始しました。
自分には優れた記憶力があると思う人は、オンライン調査と記憶力テストに参加することができます。
そのテスト結果により、一部の人をケンブリッジ大学に招待します。
脳スキャンを受けていただき、優れた記憶力の起源を詳しく調べる研究に参加していただきます。
研究チームは、自閉症や神経難病の人が特別な記憶力を持つ可能性が高いかどうかも調査する予定です。
記憶力には個人差があることは以前から知られており、中には無限の記憶力を持つ人もいます。
たとえば、エッセイストで作家のダニエル・タメットは、2004年に円周率を22514桁まで記憶して暗唱するヨーロッパ記録を樹立しました。
ダニエルは自閉症であると同時に、感覚が相互に関連する共感覚を持っています。
これがダニエルの才能を説明するのに役立つと思われます。
ケンブリッジ大学心理学科のジョン・サイモンズ教授は次のように述べています。
「記憶は、脳のネットワークという観点から最もよく理解されている心理学的プロセスの一つですが、ある人がなぜ特別な記憶を持っているのかは、まだよく分かっていません。
だからこそ、私たちはこの研究に参加する人を募っているのです」
ケンブリッジ大学自閉症研究センター所長で、本研究の主任研究者であるサー・サイモン・バロン=コーエン教授は、次のように述べています。
「円周率を22000桁まで暗唱できる必要はありません!
自分が「超記憶をもつ人」かもしれないと考えている人の多くに、記憶力テストに参加してほしいのです」
参加したい人は、電話番号やチェス盤のパターンを記憶するなどの簡単なオンライン記憶力テストを3回受ける必要があります。
これらのテストのうち、1つ以上のテストで高いスコアを出した人は、MRIスキャナーを使った脳のスキャンを受けるためにケンブリッジ大学に招待される可能性があります。
費用はすべてケンブリッジ大学が負担します。
ケンブリッジ大学の科学者たちは、優れた記憶力を持つ人の脳が、そうでない人の脳と比較して、その構造や機能に違いがあるかどうか、つまり、どのようにして驚異的な記憶力を実現しているのかを知りたいと考えています。
研究チームはまた、自閉症が例外的な記憶力をもたらす可能性が高いかどうかも調べたいと考えています。
自閉症研究センターのキャリー・アリソン博士はこう言います。
「この研究に参加することを楽しんでいただき、その過程で、記憶についての理解を深め、優れた記憶力が自閉症と関係しているかどうかを解明することに貢献できればと思います。
何十年もの間、自閉症の研究は障害に焦点を当ててきましたが、この研究は長所に焦点を当てる素晴らしい機会です」
参加条件は、16歳から60歳であることです。
こちらからテストを受けることができます。
https://cambridge.eu.qualtrics.com/jfe/form/SV_eFYFJCUtGpbc3RA
上記URLからのネットでのテストのフェーズ1、そしてその結果から、一部の人が英ケンブリッジ大学に招待されMRIによる検査などフェーズ2を受けてもらう。
という「超記憶」研究への参加募集です。
自閉症の人がそれをもつ可能性が高いのかどうかも確かめると。
英国外でも良く、フェーズ1参加では抽選でクーポン、フェーズ2に選ばれると交通費・宿泊費(介助者分も)、そしてかかった時間に応じた謝礼が支払われるとのことです。
(チャーリー)