- 医療として認可されていない方法を信じてしまうと、どんなリスクがあるのか?
- 発達障害への自然療法が、実際には悪影響を与えることがあるのか?
- 子どもの健康に関する情報を信じるときに、どんな注意が必要なのか?
「発達障害」「治療法」をネットで検索すると、よくする、治す、とまでうたう医療として認可されていない方法などが目に入ってきます。
それらにはとても危険なものもあります。
4歳の少年が救急措置室に3週間前に運び込まれてきました。
診断では、その子は食欲をなくし、便秘も続きひどく喉もかわいている状態で2週間で3kgも体重が落ちていることがわかりました。
その子が入院してから数日後、母親は告白しました。
その子の発達障害への自然療法ということで、通っているホスピタルから出された12種類のサプリメントを飲ませていたということでした。
ビタミンD、カルシウム、クエン酸マグネシウム、タラの肝油、ラクダ乳、銀、バイオケアリポザイム、アクトラスブロメライン、亜鉛、ミネラル、エプソムバスソルト、AFPペプチド、そして塩化ナトリウムです。
その子を診た医者によると、その子のビタミンDの血中濃度が危険レベルとなっており、内分泌科に移しての治療が必要でした。
2週間に渡る、様々な治療によって、その子は元気を取り戻すことができました。
「その子の両親が、いいと思ってやっていたことが、その子を悪くしていたのです。」
ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルの記事にはそう書かれています。
この事件が示すのは、認められた医療ではない方法は、医療とはいえず、親には注意が必要だということです。
「認められた医療ではない方法でよくなったという家族からのレポートがあったりします。
その方法には正しい用法などが示されてはいなく、紹介だけです。
広告目的しかない場合もあります。」
ロンドンにあるバーツ病院小児科のカトリーナ・ボイドとアブドゥル・ムーダンボールはそう述べています。
この4歳の少年の件で医者は通報し、警察は両親が通っていたホスピタルを捜査しています。
アメリカ政府機関の食品医薬局(FDA)は、子どもへの代替医療について警告を行っています。
幼児や子どもにリスクがあるとして、ホメオパシーの薬など利用しないように勧告しています。
ホメオパシーの薬を使った後に、子どもにひきつけ、呼吸困難、過度の眠気、筋力の低下、皮膚のはれ、便秘、排尿困難、パニック症状などがみられた場合にはすぐに病院に連れて行くように。
とFDAの医薬品評価調査センターのジャネット・ウッドコックは伝えています。
(出典・画像:米ワシントン・ポスト)(画像:Wikimedia)
日本でも同様だと思います。注意しなければなりません。
完全、完璧ではもちろんありませんが、長い歴史、時間をかけて、一部の人ではなく偏りがない多くの人によって、公表された方法で評価・検証されてきたものが医学・認可された医療です。
そうでないものに比べたら遥かに信頼すべきものです。
悪意はなく純粋な気持ち、善意で提案されていると見受けるものも多いですが、
どんなに困っても、混乱してはいけません。冷静に考えましょう。
助けたい子どもに逆に被害を与えてしまうようなことは、絶対あってはいけません。
危険なうえに科学的根拠もない発達障害の子へのキレーション療法
(チャーリー)