- 自閉症は治さないといけないのですか?
- 自閉症の子どもをどのようにサポートすることが大切ですか?
- 自閉症の療育の主な目的は何でしょうか?
最近まで、自閉症の子どもは「治す」べきであり、より広い社会に同化させるべきだと広く考えられてきました。
自閉症は治すべきものと見なされ、自閉症の子どもたちはしばしば、自閉症などでない人たちの行動に近づけるように教えられてきました。
しかし、オーストラリアでは自閉症スペクトラムの子どもたちを支援するための国のガイドラインが更新され、すべてが変わろうとしています。
自閉症は、学習、社会生活、健康に影響を及ぼす可能性があります。
新しい自閉症ガイドラインは、家族や若者が自分のニーズに合ったサービスを見つけるのに役立つように構成されました。
2018年に作成されたこれまでの国のガイドラインでは、療育よりも診断に焦点が当てられていました。
今回の国のガイドラインは、さまざまな形態の療育に焦点を当て、矯正よりもサポートに重点を置いたものとなっています。
このガイドラインの発表実施は来年初頭の予定です。
豪テレソン・キッズ・インスティテュートの自閉症研究チーム長であるアンドリュー・ホワイトハウス教授は、両ガイドラインの作成に携わりました。
ホワイトハウス教授は、今回の更新されたガイドラインは多様性をサポートする先進的なものであると述べています。
「私たちは、90年代後半から2000年代初頭にかけて、多くの自閉症の人を診断し理解するようになりました。
できるだけ多くの人に、できるだけ早くサポートを提供することが、本当に、とても重要なのです」
Autism CRCの理事、キャサリン・アニアも自閉症との生活体験から、ガイドラインの開発に携わりました。
こう言います。
「ガイドラインの考えを支える17の原則は、人権のガイドラインに基づいた、療育を提供するための支援の枠組みを提供するものです。
最も重要で現代的な提言は、
『支援は神経多様性を肯定するものであるべきで、自閉症は治そうとするものではない』
ということでしょう。
過去には、療育の主な目的は自閉症を治すか改善することであり、『正常』あるいは典型的な発達に見えるようにすることでした」
そのために推奨されたのは、週40時間の療育で、遊びやリラックスの時間はほとんどなかったと言います。
「それらは、必ずしも有意義で持続的なスキルを生み出すものではありませんでした。
非常にストレスもかかります。
また、療育の場だけで繰り返し練習したことは、一般化されず他の場ではできないかもしれません。
その療育の場だけで行うことだと学ぶ可能性があるからです。
子どもが自分でいられる時間を尊重した選択をすることが重要なのです」
言語聴覚士であるリズ・ベアード氏は、神経多様性を考慮したユニークな治療法に焦点を当てることで、臨床の場をより良くすることができると考えています。
「現代的で進歩的な原則に焦点を当てることは素晴らしいことです」
ベアードも自ら自閉症をかかえています。
適切なサポートを選択できるようにすることが重要だと語っています。
「このガイドラインで使われている用語や一般的な考え方は、自閉症のコミュニティや、より広い神経多様性のコミュニティから求められているものとよく一致しています。
とても素晴らしいことです。
間違いなく自閉症の人の声や視点に注目し、これまでのアプローチに関連する潜在的な害に注意を喚起しています。
違いや神経多様性を認め、祝福することを支持したものになっています」
今回のガイドラインは、子どものために開発されましたが、同じようなものが、自閉症の大人のためにも作られてほしいとベアードは願っています。
ホワイトハウス教授はこう言います。
「将来的には、青年や成人に対するメンタルヘルス支援の提供などの指針を示すことができればと思います」
自閉症の大人も子どもと同じような障害を経験し続けるので、同じようにサポートとガイダンスを受けることが重要であると述べています。
国や通う施設、発達障害の程度によってさまざまだとは思いますが、うちの子については「矯正」的なことはなく、無理なく療育を受けることができました。
おかげで親子幸せに過ごしてきました。
(チャーリー)