- 自閉症スペクトラムの子どもが楽しめる社会活動は何ですか?
- 発達障害の子どもに最適な博物館のプログラムはありますか?
- 自閉症の子どもが興味を持つことを活かす方法はありますか?
放課後、子どもたちは電車に囲まれて喜んでいます。
「線路と博物館には100年以上の鉄道の歴史があります」
そう、米ニューヨーク交通博物館のコンチェッタ・ベンシベンガ館長は言います。
この博物館は、ブルックリンの地下にある元地下鉄の駅を利用しています。
「私たちは実際に1904年の車両に座っているのです。
木製の車体です。私たちのコレクションの中で最も貴重なものの一つです」
このコレクションは、博物館のユニークな「地下鉄探偵プログラム」で触れることができます。
参加する子どもたちは皆、自閉症スペクトラムの子どもたちです。
「たくさんの鉄道好きな人たちが交通博物館にやってきます。
そして、発達障害の人も多いことに気づきました」
そう、博物館の特別教育マネージャーであるサラ・トムソンは言います。
米国CDCによると、2000年には自閉症スペクトラムの子どもの数は150人に1人でした。
しかし、現在では44人に1人です。
自閉症スペクトラムの多くの人が、電車や交通システムに特別な魅力を感じていることは、長く研究者の間では知られていることです。
ベンシベンガ館長はこう言います。
「私たちにとって、ニューヨークの地下鉄の路線図を完全に記憶している6歳児に出会うことはめずらしいことではありません。
私たちは、ここに来てください、ここはあなたのための場所です、そう思っています」
そこで博物館は、発達障害の子どもたちのために、寄り添ったプログラムを作ることにしました。
「博物館は、2人の自閉症専門家と協力して、現在の『地下鉄探偵プログラム』を作りました」
ダン・マーウィットの息子さん、フランクも「地下鉄探偵」となりました。
「このプログラムを考えた人は天才です」
そう、フランクは言います。
10週間に渡る「地下鉄探偵プログラム」は、自閉症の子どもたちが、鉄道への情熱を共有し、互いに心を通わせることを目的としています。
「実際にある場所に行って、誰かと一緒に過ごすのはすばらしいことです」
そう父親のダンは言います。
新型コロナウィルス感染拡大の頃は、多くの子どもたちが家に閉じこもり、孤立しました。
人と一緒にいることは不可能でした。
とくに自閉症の子どもを持つ家族にとっては難しい状況でした。
しかしその時期でも、この博物館は、「地下鉄探偵プログラム」をオンラインで全米の子どもたちに提供しました。
同博物館は、全米の他の鉄道博物館にも同様のプログラムを始めるよう助言しています。
現在、ニューヨーク交通博物館では地下鉄の中で友情が育まれています。
博物館の特別教育マネージャーのトムソンはこう言います。
「これが私たちが望んでいることです。
私たちは、このような関係が生まれることを望んでいます。
そして、このプログラムを修了した後も、お互いに連絡を取り合っているという話を聞いて、
とてもうれしくなります」
フランクとダンのような親子にとって、子どもの参加はとても大きな意味を持ちます。
「息子はここに参加するだけでなく、よく他の子どもたちを誘って遊んでいます。
『さあ、はじめよう!』って。
息子はここが自分たちの場所だという意識を持っているようです」
(出典・画像:米wtvr)
自分が大好きなことを同じく大好きな人たちと集える。
友だちになれる最高の機会です。
夢中になって、友達もできる、最高の博物館ですね。
(チャーリー)