- 自閉症の人が自分の夢を実現するためにはどんなサポートが必要なのか?
- カフェやレストランなどの職場で、障害を持つ人が働くことはどのような影響を与えるのか?
- 障害を持つ人が就労する場を提供することが、地域社会やその人自身にどんなメリットをもたらすのか?
自閉症のジェイコブ・マクファーランドは、両親にコーヒーを淹れて持っていくのが大好きでした。
「バリスタ・ジェイク」というニックネームがついて、地元米ペンシルベニア州ノリスタウンに広まり、そして今、21歳の彼は、自分のカフェをオープンしました。
ジェイコブは父親にコーヒーを淹れることに情熱を注いでいました。
「とても幸せな気分にしてくれるんだ。
本当にそう思う。本当だよ」
母親のアンジェラはこう言います。
「ジェイコブの言っていることは本当です。
ジェイコブは父親が大好きで、夫はコーヒーが大好きなんです。
だから、夫が好きなものはすべて、ジェイコブも好きなんです。
でも私は、ジェイコブがコーヒー豆の種類やブレンドの違い、最適な水、水温、技術など、あらゆる研究に没頭していたことまでは知りませんでした」
ジェイコブの両親は町でレコード店を経営しています。
しかし、新型コロナ感染拡大時は必要不可欠なお店ではないため、一時的に店を閉めざるを得ませんでした。
当時19歳で、ジェイコブは高校を卒業後も継続教育を受けていたが、それも中断されてしまいました。
「ジェイコブはいつもどおりの日常を求めました。
パンデミックのために日常がなくなってしまったからです。
それで、店の外にコーヒーカートを出すことにしたんです」
コーヒーカートは、店内でレコードの買い物ができなくても、客に足を運んでもらうための方法でした。
そのとき、ジェイコブは「バリスタ・ジェイク」になるという夢を実現することができました。
「ジェイコブがバリスタ・ジェイクになるという夢を実現できたときです」
やがてカートはレコード店の中に移動しました。
「コーヒークローゼット・ウィズ・バリスタ・ジェイク」は拡大していきました。
ジェイコブはこう言います。
「ホットコーヒーの作り方を教わり、動画を見て、アイスコーヒーの作り方を学びました。
それから、食事を提供するための免許を取得しました。
それで、朝食を提供するようになったんです」
コーヒービジネスは成功しました。
それだけでなく、ジェイコブの人生をも変えました。
アンジェラはこう言います。
「今のジェイコブは、質問したらすぐに答えてくれます。
2年前にはありえませんでした」
カフェはさらに拡大し、障害を持つ他の若者を雇用し、彼らの将来の就職を支援するようになりました。
「私たちは、このカフェを、このような人たちが安心して来店でき、自分たちが役に立っていることを実感でき、職業技術を身につけられる場所にしたいと思っています。
履歴書の書き方や準備の仕方、模擬面接の仕方なども教えています。
最終的には、面接用の服装を保管できるような小さな倉庫も用意する予定です」
カフェでは、地元のチャリティーのための募金活動も定期的に行っており、奨学金基金やホームレス支援団体、自閉症の人たちのための団体などに合計で約2万7000ドルを集めました。
ビジネスをすることは、ジェイコブの社会的な助けにもなりました。
「学校に一緒にいる人はいても、お泊り会をしたことがないし、友だちと旅行に行ったことも、友だちを連れてきたこともないんです。
息子はそういう経験をしたことがないのです。
しかし今、ジェイコブが同僚とカジュアルな会話をし、ハイタッチをして、『やあ、久しぶりだね』と言っているのを聞くと、私はうれしくてたまりません。
息子がそんなふうになるとは思ってもみなかったからです。
そうして、息子は自分の道を切り開いているんです」
マクファーランド家にとって、コーヒークローゼットは単なる家族経営の店ではなく、すべての人を歓迎する場所となりました。
ジェイコブにとっては財産です。
「息子は自分の目的を感じているのだと思います。
そして、仕事に来るのをとても楽しみにしています。
一度、お客さんが来ればその人の車を覚えて、その人が玄関に入る前にコーヒーを入れ始めるんです。
息子は成長しました。
もし明日、このお店がなくなったとしても、2年半の間にジェイコブが成長した大きな価値があります」
(出典・画像:米CBS NEWS)
ピンチはチャンス。
ですね。
ますますの発展、ご活躍を期待しています。
(チャーリー)