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自閉症の人はマンガでは感情を読み取るのがむしろ得意。研究

time 2022/08/07

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

自閉症の人はマンガでは感情を読み取るのがむしろ得意。研究
  • 自閉症の人でも感情を読み取ることができるのか?
  • 自閉症者は他の方法で感情を読み取ることが得意なのか?
  • 自閉症者が社会的な相互作用を改善するための新しい方法はあるのか?

英エッジヒル大学の心理学者が行った新しい研究によれば、一般に考えられていることとは異なり、自閉症の人は自閉症でない人に比べて、ある状況下では感情を読み取るのが得意である可能性があることが明らかになりました。

リアム・クロス博士とグレイ・アサトン博士が行った研究では、さまざまな感情を表現している本物の人の目の写真を見せ、参加者はどのような感情が表示されているかを識別してもらいました。
これは「Reading Mind in the Eyes Test」として知られているものです。
そして今回の研究ではさらに、マンガの目からも感情を読みとってもらいました。

マンガの目が表示された場合、自閉症の人は表示された感情を言い当てることが多くなりました。
アサトン博士はこう言います。

「私たちの実験の結果は、本当に驚くべきものでした。
自閉症の人たちは、そうでない人たちに比べて社会的認知能力が低いと言われることがよくあります。

しかし、私たちの実験では、自閉症者はマンガの中の感情を読み取ることができただけでなく、それは自閉症でない人よりもよりも高い精度でそれを行うことができました」

自閉症でない人が「マンガ」においては自閉症の人よりも感情読み取りができないという事実は、重要な問題を提起しています。

自閉症の人のほうが、動物、ロボット、人形、マンガのような擬人化された非人間的な存在との識別が得意であることをこの研究は示唆しています。

これは、自閉症の人は感情を読み取る能力が低いのではなく、違っているのだという考えを支持するものです。

また、自閉症の人たちの人間対人間の社会的相互作用を改善するのに役立つ新しい介入の可能性も提起します。
クロス博士はこう述べています。

「私たちの研究は、さまざまな可能性を開くものです。
もし、擬人化された目が自閉症の人たちにとって読みやすいものであれば、これを利用して、人間の本物の目にたいしても同じように反応できるように支援することができるかもしれません。

私たちのアイデアの1つは、AR(拡張現実)を使って、現実の顔の上に擬人化された顔を適用することができるフィルタを開発することです。
時間をかけて段階的にARフィルタを消していけば、本物の人間の顔の表情もわかるようになるはずです」

このような研究は、自閉症のような神経多様な状態の人たちがもつ、長所を捉え、自閉症の人とそうでない人の違いがすくなるなる場面を理解することにも役立つと研究チームは考えています。

(出典・画像:英エッジヒル大学

劣っているのではなく、違っている、ましてや上回っている。

すばらしい、うれしくなる研究結果です。

TikTok等にはそんなフィルタもあるので、療育ツールの実現も難しくないのではないでしょうか。

すごく期待しています。

自閉症の人は表情や感情がわからないのではない。違うだけ

(チャーリー)


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